では、どうぞ!
ーーーーーー
此処は、比企谷八幡が元いた高校である総武高校である。この学校では、とある噂が学校中で広まっていた。
その噂とは………
女子1「ねぇ知ってる!?シルヴィア・リューネハイムがこの千葉にライブするって!!」
女子2「知ってる知ってる!私もうチケットの予約したんだ!」
女子3「私もっ!」
女子2「それに、あの比企谷くんも来るみたいだよ!ホームページに載ってた!」
女子1「嘘〜!!?私そこまでしっかり見てなかったー!」
女子3「でも凄いね!あの界龍の序列2位【夢幻月影】が来るんでしょ?恋人同士でライブっていい感じだよね〜!」
女子2「チケット当たって欲しいなぁ〜。予約制だけど、その場では分からないからドキドキだよねー。」
女子1「そうそう!そこでもドキドキだよねー!」
女子「当たってて欲しいよねぇ〜。」
八幡とシルヴィアのライブが千葉で行われる事が既に噂になっており、どの学年でも同じ話題になっていた。
だが、どの学年の誰もが嬉々の感情を出しているわけではなかった。その異端となるべく殆どの生徒が罪悪感を持っているクラスがあった。
そう、2-F組である。かつては1-F組で八幡の在籍していたクラスでもあった。そのクラスでは殆どの生徒が八幡に対して罪悪感を持っていたのだ。
ク男1「……なぁ、知ってる……よな。今すげぇ噂になってるし。」
ク女1「うん、比企谷くんの事でしょ?千葉に来るんだってね。」
ク男2「確かライブで来るんだったよな。」
ク男3「俺、テレビで《鳳凰星武祭》見てたけど……別人だよな。ここに居た頃はどうでもいい存在だったのに。」
ク女2「うん……嘘みたいにカッコよくなってたし、強かったよね。」
ク男1「お前ら、チケット予約したのか?」
ク女2「……ううん、してない。なんか合わせる顔なんてないよ。」
ク男3「だよな……俺たち、あいつにすげぇ嫌な事してきたもんな。」
ク女1「会うのも怖いよ。」
2-F組の生徒は殆どがこんな感じだった。八幡の活躍を正当に評価してはいるものの、彼に会うのを恐怖、戸惑いを持つ者も同じ数だけいた。
ク女3「ねぇ、三浦さんはどうしたの?チケット予約した?」
三浦「……あーしは予約した。やっぱヒキオには一度会って謝っておくべきだと思うし。それに、ヒキオがあの事をバラさなかったら、あーしら皆葉山の操り人形だった。その事も全部含めて謝りたいと思ってるから。」
ク女3「そうなんだ……でも、私たちにはそんな勇気ないよ。三浦さんみたいに静観してたわけじゃないから。比企谷くんにたくさん嫌がらせをしてきた。そんな事彼の前で言ったら、間違いなく殴られるよ。」
三浦「……ふーん、ならそれでいいんじゃない?あーしは何されてもいい覚悟はある。それだけの事を今まで黙って見てきたも同然だし。何言われても文句なんて言える立場じゃないのは分かってる。」
ク女3「三浦さん……」
彼女、三浦優美子だけは八幡と会う決意を固めており、殴られる覚悟も出来ていた。
ク男5「………っ!!お、俺もチケット予約する!三浦さんがあそこまで言って男の俺が何もしねぇのは、ただの腰抜けだ!俺も比企谷に殴られてやる!!」
そう言ったのは、クラスの中でもあまり馴染めてない生徒だったが、その言葉がクラスメイトに火をつけた。
ク女1「……わ、私も予約する!」
ク男3「俺もだ!」
ク男4「手遅れかもしんねぇけど、やってやる!」
そしてクラスメイトの殆どが携帯を取り出してライブの予約を取り始めた。それも全員心に篭った想いは同じだった。
三浦「……あんた、結構度胸あんじゃん。影薄いくせに見直したし。」
ク男5「あ、ありがとう……」
こうして2-F組はクラスの殆ど一致団結し、チケットの予約をやり終えたのだった。
学年は変わり、今の八幡が総武高に所属していた事も知らない1年生はというと……
1年男子1「なぁいろはちゃん知ってる?あのシルヴィアちゃんがライブ来るって!」
いろは「知ってるよぉ〜!私、超楽しみなんだよねぇ〜!」
1年男子2「やっぱ知ってたか〜。やっぱ予約したんだよね?チケット。」
いろは「当たり前だよ〜。しないわけないじゃ〜ん!」
1年男子3「いろはちゃんはさ、ライブに来る比企谷さんってどう思う?」
いろは「あぁ〜あの超強い人ですよね〜!会えるなら会ってみたいですよね〜!」
比企谷八幡を知らない1年生は八幡の事はあまり気にした様子はなく、シルヴィアのライブの事しか頭になかった。
そして学年は最後の3年生。今の時期になると、大学の入試やら就職の面接やらで忙しくなる時期だが、その辺りはどうなのだろう?
3年男子1「なぁ、シルヴィのライブ見に行く?」
3年男子2「俺はアイドルとか興味無いから別にかな。」
3年男子1「ま、お前はそうだよな。」
3年女子1「ねぇ、シルヴィアのライブ行くの?」
3年女子2「行きたかったんだけどさー、親が煩いんだよねー。勉強しろって。」
興味や受験の事もあってか、行く者は半々といったところだった。
そして、学校から飛び、とある大学では……
3年女子「それで〜?めぐめぐちゃんは今回も行くのかなぁ?」
めぐり「ちょっとぉ!めぐめぐちゃんって何さ〜!」
3年女子「いやぁこの前は六花に行ってライブ観てきたんでしょ?だから今回も行くのかなぁって。」
めぐり「もうっ!」
3年女子「それにさ、比企谷くんの事もあるからね。行きたいんでしょ?」
めぐり「………」
3年女子「知らないわけないでしょ?私もあの時文実だったんだから。」
めぐり「……うん、そうだよね。」
3年女子「それで?行くの?行かないの?」
めぐり「勿論行くよ!」
3年女子「そうこなくっちゃ!」
再び彼に会う為に、もう一度同じ手段を取る者もいた。
何も生徒だけが噂に夢中になっていたわけではなかった。その中には教師も含まれていた。
鶴見「平塚先生、もうご存知ですよね?」
平塚「えぇ。ライブのことですよね?」
鶴見「はい。まさか比企谷くんが来るなんて思ってもみませんでした。」
平塚「私もです。星武祭で出ていたのは知ってしましたが、優勝する程だとは思いませんでした。それだけでなく、ライブもするなんて本当に予想外でした……。それに、彼女まで作っていたとは……
鶴見「そうですよね……此処に居た時とは大きく違いますね。」
平塚「今比企谷は充実の日々を送れているのでしょう。此処に居た時とは本当に別人です。」
鶴見「よく見ていたわけではありませんが、彼の目も良くなっていましたからね。相当あちらの環境が良かったのでしょう。」
平塚「えぇ、それは認めるしかありません。」
ライブの話でなくとも、元教え子の顔を見ただけで充実しているのが理解できた2人の教師だった。
想いは違えど、この学校にいる殆どの人がライブに行きたがっているのは、シルヴィア・リューネハイムの影響なのだろうが、少なからず比企谷八幡も影響しているのは、間違いないだろう。
今回はこんな感じになりました。
三浦といろはの口調絶対あんなじゃないよなーって思ってます。
そもそも、いろはの同級生の接し方とか知りませんし。
でもこんな感じです!