学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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食事と理想的

 

 

ーーーーーー

 

 

ペトラ「全く貴方たちは……」

 

八幡「………///」

 

シルヴィア「………/////」(プシュー)

 

 

現時刻19時と45分。この時刻は予定していた夕食の時間よりも、1時間半延長した時間である。

 

何故こんな時刻になったのかは、1時間半に遡るが、今回は割愛しよう。

 

 

そんな遅れた原因となった2人は夕食のテーブルで顔を赤く染めながら(シルヴィアは真っ赤)俯いていた。

 

 

ペトラ「疲れていたから寝てたならまだ分かるわ。でも、雰囲気に呑まれて1時間半もキスしてたなんて………驚きを通り越して呆れたわ。」

 

 

そして事情も把握済み。

 

 

シルヴィア「うぅ……すみません/////」

 

八幡「以後気をつけます。」

 

ペトラ「そうして頂戴。それでシルヴィア、どうだったかしら?」

 

シルヴィア「凄く幸せな気分に……って言わせないでください!/////」

 

 

この一言には、スタッフも苦笑いや引きつった笑顔、照れを我慢している顔などが殆どだった。

 

 

スタッフ「ま、まぁマネージャー、その辺りに。この後も小会議がありますし。」

 

ペトラ「……そうね。まずは食事を済ませましょう。その時は流石に遅れないようにしなさいよ?というよりも、時間をしっかり見なさい。いいわね?」

 

八幡「……はい。」

 

シルヴィア「ごめんなさい///」

 

ペトラ「じゃあこの話はおしまい。遅くなったけど、夕食にするわ。バイキングだから好きに食べて頂戴。それと、他のお客様もいるからマナーも守るように。」

 

 

そしてスタッフたちは一気にではないが、かなりの速さで列を作っていた。余程お腹が減っていたのだろう。

 

 

八幡「俺たちはもう少し列が少なくなってからにするか。」

 

シルヴィア「う、うん……そうだね///」

 

八幡「今はスープ類が食いたいな。コーンスープとかコンソメとかオニオンも良いな。」

 

シルヴィア「私も汁系が良いかな///」

 

八幡「……シルヴィ、いい加減俯いたままでいるのやめろよ。」

 

シルヴィア「し、仕方ないでしょ!まだ恥ずかしいんだもん///」

 

 

シルヴィアの方はまだ恥ずかしさが抜けていないようだ。八幡の横で未だに顔を赤くしながら座っていた。

 

 

八幡「はぁ……シルヴィは変なところでこうなるよな。ほい。」(スッ)

 

シルヴィア「え?」

 

八幡「手でも繋げば落ち着くんじゃないのか?」

 

シルヴィア「じゃあ、失礼して……」

 

 

シルヴィアは八幡から差し出してきた手を両手で握った。

 

 

八幡「……どうだ?」

 

シルヴィア「………うん、急に落ち着いてきた。それに安心感も出てきたよ。」

 

八幡「俺もだ。お前の手を繋いだら、さっき以上に心が落ち着いた。」

 

シルヴィア「えへへ♪私たちの手って繋ぎ合うと落ち着くみたいだね。魔法の手みたい。」

 

八幡「俺たちだけにしかない能力の1つだったりしてな。魔術師と魔女の。」

 

シルヴィア「あははっ!それで私たち2人が繋がないと効果が無いって感じかな?」

 

八幡「そんな感じだ。」

 

シルヴィア「そんな能力もあるかもね!本当に私たちだけの能力だね!」

 

 

シルヴィアも恥ずかしさが抜けて笑えるようになっていた。これも八幡の機転があってのことだろう。

 

 

お客1「あ、あのぉ〜シルヴィアさんと比企谷八幡さんですよね!?」

 

シルヴィア「え?うん、そうだけど?」

 

八幡「何か用ですか?」

 

お客1「握手してもらってもいいですか!?」

 

お客2「よろしければ私にもお願いします!」

 

八幡「……まぁ握手くらい。」(スッ)

 

 

八幡とシルヴィアが手を差し出すと、瞬きする暇もないくらいの早さで手を握ってきた。

 

 

お客1「か、感激です!あの《鳳凰星武祭》優勝者に《王竜星武祭》優勝者に会えるなんて!明日、ライブですよね!?」

 

シルヴィア「うん、もしかしてチケットの応募で当たった人かな?」

 

お客2「実はそうなんです!比企谷さんが八代さんを名乗っていた時は当たらなかったんですけど、今回は当たりました!」

 

八幡「そうですか。それは何よりです。俺たちもお楽しみ頂ける様、精一杯歌いますので、応援宜しくお願いします。」

 

お客1「勿論です!明日は腕が振れなくなるくらいペンライトを振ります!」

 

シルヴィア「ありがとう、嬉しいよ。」

 

お客1「それにしても……やっぱり絵になりますね。」

 

シルヴィア「ん?どういう事?」

 

お客1「付き合ってるんですよね?普通は見せつけるような感じなのに、お2人はあんまりその様子がなかったので。」

 

八幡「好んで見せつけるような真似はしませんよ。今は手を繋いでますけど。」

 

 

そう、八幡たちは手を繋いでない方の手で握手をしたのだ。シルヴィアは八幡の手を両手で握っていたが、片方を外して握手をした。

 

 

お客2「やっぱり理想だよねー。こんな風に認め合いながら出来るのって。」

 

お客1「そうだよねぇ。」

 

シルヴィア「今のところ、八幡くんにされて嫌だと思ったのは無いかな。八幡くんそういうところしっかりしてるし。」

 

八幡「されて嫌がる事を続けてするわけないだろ。」

 

 

八幡のこの言葉は本心だろう。だがこんな事を言う彼氏が珍しいのだろうか、ファンの2人は少し驚いたような顔をしていた。

 

 

お客1「比企谷さんって凄いですね。男の人ってそういう事したがる人多いんですけど、比企谷さんはそんな事しないんですね。」

 

お客2「私もそう思いました。比企谷さんって嫌がる事をしない人なんですね。」

 

八幡「俺も悪ふざけの時はやりますよ。でも、彼女には嫌われたくはないですからね。やり過ぎはしませんよ。」

 

お客2「やっぱり理想的ですね〜。2人が羨ましいです。」

 

シルヴィア「自慢の彼氏だよ、本当に。」

 

八幡「俺も自慢の彼女だ。」

 

お客1「こんな彼氏彼女がいたら、自慢したくなりますよね〜……あっ、すみません。お食事中ですよね!」

 

お客2「あっ!長々とすみません!明日のライブ、楽しみにしてます!頑張って下さい!」

 

 

そう言い残してから、ファンの2人はレストランから出て行った。

 

 

シルヴィア「えへへ、嬉しいね。理想的だって♪」

 

八幡「あぁ、そうだな。」

 

 

思わぬタイミングでファンに会い、『理想的』と言われた事に上機嫌になったシルヴィアと八幡だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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