シルヴィアside
食事も済ませ、その後の小会議にも遅れずに済んで、今は部屋でのんびりしているところ。この空気にも慣れて今は落ち着いている。最初この部屋に来た時は本当にビックリしたよ……。
私は今、歌詞の見直しをしながら鼻歌で曲を歌っています。え?八幡くん?八幡くんならお風呂に入ってるよ。ちなみに私はお先に頂きました。
シルヴィア「♪〜♪〜……うん、○○○○もこんな感じかな。」
八幡くんもまだ出てないから誰にも聞かれてないよね?
八幡「シルヴィ、上がったぞー。」
シルヴィア「あっ、うん!」
………やっぱり濡れてる時の八幡くんの髪って弄りたくなるんだよね。
シルヴィア「ねねっ!またやってもいいかな?」
八幡「何が楽しいんだ?この前もそうだが、俺の髪なんか弄って需要あるか?」
シルヴィア「私が楽しいからやるの!そして八幡くんに触れられるのが嬉しいからやるの!」
八幡「……まぁ別に嫌でもないからな。いいぞ。」
わぁ〜い!
シルヴィア「ん〜と、これをこうして……出来た!」
八幡「手鏡プリーズ。」
シルヴィア「お持ちしましたよ〜。」
八幡「サンキューっておいおい……オールバックじゃねぇか。」
シルヴィア「八幡くんやっぱりオールバック似合うよ!どうしてしないの?」
八幡「髪型に執着があるわけじゃないが、特別そんなに変えたいわけでもないからな。」
シルヴィア「そうなんだ〜。じゃあ次は……こんな感じかなぁ〜。」
八幡「………なんだこりゃ?髪の毛を中央に寄せてるだけじゃねぇか。」
シルヴィア「ふふふ、なんかトサカみたいになってる!」
八幡「自分からやっといて随分な言い草だな。」
シルヴィア「ごめんごめん。じゃあ次だよ!」
八幡「まだやるのか?よく飽きないな?」
シルヴィア「いいでしょこのくら〜い!」
八幡「まぁ後でお前の頭を撫でまくるだけなんだけどな。」
シルヴィア「わーい!八幡くんからのナデナデだぁ〜♪」
いろんな撫で方があるけど、どれも気持ち良いんだよね〜♪
シルヴィア「じゃあ今度はこれかな。」
八幡「ほう……シルヴィってヘアデザイナーの才能もあるんじゃないのか?」
シルヴィア「そうかな?これは何となくでやってみたんだけど。」
八幡(バカなアニメに出てくる保健体育最強のムッツリみたいだな。)
シルヴィア「次で最後にするね。少し気合い入れるね。」
八幡「おう。」
よぉ〜し!八幡くんに明日の髪型で行くって言わせる程のカッコいいのにしよ〜っと!
ーーー10分後ーーー
シルヴィア「出来た!」
八幡「おっ、今度のは良い感じだな。」
八幡(フルダイブゲームの主人公みたいな髪型になってるな。)
シルヴィア「えへへ、いつもはおふざけでやってるけど、今日は少しだけ気合入れてみたよ。どう?」
八幡「あぁ、俺も良いと思う。明日はこれでライブ出るか。」
やった♪
シルヴィア「それなら良かったよ。それでさ八幡くん。明日のライブのことで相談なんだけど、いいかな?」
八幡「いいぞ。」
シルヴィア「私ね、折角2人でライブするんだから、少し工夫をしたいんだ。歌じゃなくてパフォーマンスで。」
八幡「パフォーマンスか……例えば、俺の影を使ってシルヴィを持ち上げるとかか?」
シルヴィア「え?そんな事も出来るの?」
八幡「あぁ、一応俺の作った影は物理的に触れるぞ。俺の影龍って技があるんだが、その技は影の龍が実体化して実際に俺が乗ってるからな。」
シルヴィア「へぇ〜そうなんだ!」
八幡「後はお前も見た事あるだろ?伽耶梟も影で作ってるからな。」
シルヴィア「あぁ!そういえばそうだったね!」
私ってばすっかり忘れてたよ!
シルヴィア「ねねっ、他には?どんなパフォーマンスがあるかな?」
八幡「んー他かぁ……シルヴィ、歌う時は星辰力を出してるか?」
シルヴィア「出してるよ。私の能力は歌を媒介にするからね。声を拡声してるのも、私の能力だよ。」
八幡「ならその星辰力に俺の影で作った五線譜を重ねるのはどうだ?」
シルヴィア「でも、どうやってやるの?」
八幡「さぁ?」
シルヴィア「ガクッ……もう、それじゃあ意味がないよ〜。」
八幡「仕方ないだろ、ただ思いついたのを言ってみだけなんだからよ。」
でも、その想像力や発想力の豊かさは羨ましいよ。
八幡「ただ重ねるのは簡単だろうが、動きに合わせるのは難しいだろうな。」
シルヴィア「一回私と八幡くんの星辰力合わせてみる?そしたら出来るか出来ないかくらいはわかると思うよ。」
もしかしたらの可能性もあるしね。
八幡「じゃあ遊びがてらやってみるか。手を繋いだら出来んじゃねぇか?」
シルヴィア「そうだね、それでやってみようか。」
ふふふ♪ちゃっかり八幡くんと手を繋げてラッキー☆
八幡「んじゃやるぞ。準備はいいか?」
シルヴィア「いつでもどうぞ〜。」
八幡「じゃあやるぞ。せーの!」
八幡くんの掛け声で私たちは星辰力を出した。うーん、あんまり変わりないかな。
だが、みるみるうちに2人から放出される星辰力が絡め合うような動きをしていた。
シルヴィアの色がピンクだとしたら、八幡の色は紫に近い黒だった。
シルヴィア「えっと……私たちと想像していたのよりかなり違うね。」
八幡「あぁ。シルヴィアの星辰力に俺の星辰力が絡んでる感じか?多分これを魔法として使ったら少し違くなるんじゃないか?」
シルヴィア「そっか。今のはただの星辰力だからね。魔法として使えば……」
八幡「そういう事だ。今度は魔法として出してみるぞ。」
なんか実験みたいで楽しいな!
八幡「じゃあいくぞ。せーの!」
今度は出す方法が違うから私は歌っている。八幡くんは腕を少し広げて両手を開いていた。
すると今度は黒い線が私の歌から出ている星辰力に乗るように動いていた。その線は1本のもあれば2本3本と色々あったけど、最大でも5本だった。五線譜と同じだった。
シルヴィア「……成功でいいのかな?」
八幡「まぁそうだな。だが、手を繋がなきゃ無理だから、これは無理だな。」
シルヴィア「そっかぁ……残念。」
でも楽しかったし、いっか♪
八幡「だが、意外と面白かったな。星辰力が合わさるなんて。相性が良かったのか?」
シルヴィア「そんなの当たり前だよ!だって私と八幡くんだよ!相性が悪いわけないよ!むしろ抜群でなくちゃ困るんだから!!」
最悪だったらこんな事も起きないよ!
八幡「……そうだな。いや、そうとしか考えられないよな。」
シルヴィア「うん♪」
八幡「まぁ今のは使えないとしても、さっき言った俺の影でシルヴィを持つことくらいなら可能だから任せておけ。」
シルヴィア「うん、任せました!」
八幡「んじゃそろそろ寝るか。明日も早い。休める時は休んでおこう。」
シルヴィア「うん、そうだね。」
そして私たちはベッドの方へと向かい、向かい合った。
シルヴィア「えへへ♪いつもこうしてるのに、なんか恥ずかしいね///」
八幡「シルヴィもか。実は俺もだ。」
シルヴィア「でもすぐに眠れるよ。今までがそうだったからね。」
八幡「あぁ、そうだな。」
その言葉は命中して私たちはすぐに眠ることが出来た。
けど、この時の私たちは眠っているから知らなかった。
私と八幡くんが放出していた星辰力。さっきまでは別々に放出されていたのに、寝ている時には私たち2人から同時に放出されていて、お互いの身体を包み込んでいた事を。