学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回はいよいよ八幡の最後の曲です!

さて何を歌うのか!?




ライブ!! ④

 

 

八幡side

 

 

「♪〜♪〜♪〜」

 

 

azuriteの最後の曲が終わり、BGMだけになった。その時から観客方面から大歓声が上がっていて、紙吹雪も舞った。

 

 

八幡「あぁ〜やっぱ一度歌ってるから、他の曲に比べると比較的歌いやすかったな。」

 

シルヴィア「そうだね。別々に歌う部分と一緒に歌う部分も把握してるから、ごちゃ混ぜにならずに済んだね!」

 

八幡「この曲やっぱ人気なのか?歌手が2人だからデュエットしやすいってのもありそうだが、どうなんだろうな?」

 

シルヴィア「どうだろうね?でも、確かに歌いやすくはあるよね!」

 

 

歌の合間に入れる雑談は、少しでも喉を休めるためでもある。連続で歌ってたら、声潰れるからな。

 

 

シルヴィア「皆〜!後2曲でこのライブも終わりなんだけど、最後まで付き合ってくれるかな?」

 

 

ワァァァァァァァ!!!

 

 

シルヴィア「ありがとぉ〜!!それじゃあ八幡くん、君が歌う最後の歌をお願いします!」

 

八幡「任せろ。俺が最後に歌うのは、六花に来る前の高校で過ごしていた俺の心の叫びを表したものと、これから俺が描いていく六花での心の想いを表したものが合わさった曲だ。

『INNOCENCE』」

 

 

ピアノの音色が響き、徐々にテンポが上がっていった。3、2、1…GO!

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

隠してた感情。俺が1番表現出来やすい感情は悲嘆と叫びだな。あの時の俺は言いたい事があっても言えないような奴だったからな。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

奇跡……俺でいう『本物』だな。それを求めて今まであの闇の中を彷徨ってたんだよな。未来が無いってのもあながち間違いじゃないな。あのまま居たら、ホントにどうなってたか分からんしな。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

言葉が出せない、か。その通りだな。そのせいで俺はマイナス感情を溜め込み過ぎて、いつも心ん中で叫んでたよな、『何で俺が……』みたいな感じだったよな。

 

 

 

 

よし、この辺りだな。

 

 

俺はステージ左に空けてもらったスペースに向かって走り、そのままジャンプした。

 

 

観客「「「ッ!!?」」」

 

シルヴィア「八幡くん!?」

 

 

誰もが落ちると思っていたのだろう。だが、俺は自身の能力を使って浮いていた。いや、影の上に立っていると言った方がいいだろう。

 

そのまま俺は観客の頭上を陰の上を歩きながら歌っていた。

 

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

 

俺が叫びにしたのは展望台だったよな。そこから六花に行く事を決めて、2週間修行して少し強くなれた。

 

そこから俺の六花の生活が始まったんだったな。懐かしく思うが、好んで思い出したくはないな。

 

 

めぐり「………」

 

 

めぐり(比企谷くん………歌詞の通りだね。君の言っていた心の叫びの意味が何となくだけど伝わって来たよ。)

 

 

めぐり「………もっと早く君の気持ちに気付いてあげられてたらなぁ……遅過ぎだね。」(ポロポロ)

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

素直な声……俺にそんな言葉をかけてくれた初めての人は虎峰だったな。『良い友人になれそう。』って言ってくれたっけな。マジで嬉しかったなあれは。

 

地図があったわけじゃないが、夢の在処ってのは間違いなく界龍だな。今の俺にとっての家であり、家族がいる場所だ。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

雲間は俺の心に残ってた闇で、光は文字通りだな。界龍に来てからはその闇はもう無くなったからな。いや、界龍もそうだが、俺の闇を祓ってくれたのは、他にいたな。

 

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

 

俺にとっての澄み渡る世界、まぁ言うまでもなく六花だな。眩しい、というよりも輝いているだな。

 

俺の出せる全ての力を出して暁彗と戦ったな。それがある意味、俺が飛んだ瞬間だな。あの戦いが無けりゃ、今の俺もいないしな。

 

 

比企谷母「………分かっちゃうものなんだね。あんたが受けた痛みってのが伝わってくるよ。腐っても親子だって思うよ。」

 

 

比企谷母(八幡……あんたこの曲に想いを乗せてるつもりだろうけど、私にはそれが直に伝わってくるよ。こんなに痛いんだね、あんたの受けた痛みは。)

 

 

観客側を一周して俺はステージに戻った。もう影を使う事はないな。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

俺には新しいものしかなかったからな。そういう意味では無くすものは無いかもな。

 

無垢な笑顔……シルヴィだ。俺の闇を祓ってくれた人だ。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

俺とシルヴィの物語は始まったばっかりだ。まだまだ作っていく方だ。幼き日、出会ったばかりの頃だな。そこから思い出を繋ぎ合わせたら色んな事があったのが分かる。

 

 

俺たちで描いた軌跡か……どんな感じなんだろうな。

 

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

 

ここで隠してた感情。それはシルヴィへの想いだな。まだ気づいてはいなかったが、気になってはいたからな。そこから《王竜星武祭》で気づいた。あの感情は俺にとって確かなものだった。

 

 

ほんの少しどころか、何処までも強くなってやるよ。

 

雲が何十層あろうと、青空が見えるまで何処までも飛んでやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィと俺の未来の為に。

 

 

 

 

 

 

 

俺が歌を歌い終わり、BGMだけになる。だが、観客からは静けさが続いていた。

 

 

そして、完全にBGMの音が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァ!!!!!

 

 

観客からは今までの歓声が可愛く思える程の大歓声が俺を襲った。

 

 

ただ良い曲だったからか、はたまた感化されたのかは不明だが、それでも今までで一番の大歓声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回八幡が歌った曲は、

『INNOCENCE』…SAOのOP2です。


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