学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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握手会と再会

 

 

八幡side

 

 

ライブは大成功を収め、裏の方に戻ると、スタッフは拍手で出迎えてくれた。2回目のライブだが、少し歌い過ぎたため、少しだけ声がかれている。まぁこのくらいなら水分を摂ればすぐに治るだろう。

 

 

シルヴィア「えへへ♪やったね八幡くん!」(ギュッ!)

 

八幡「そうだな。最初から最後まで良いライブに出来たな。」

 

シルヴィア「うんっ♪」

 

 

シルヴィアはそのまま俺の腕に抱き着き、嬉しそうに微笑みかけてきた。………やっぱ可愛い。いや、綺麗か?どっちもだな。

 

 

八幡「さて、少し休憩……って感じでもないな。握手会5分後だしな。」

 

シルヴィア「あはは……少し窮屈すぎるスケジュールになっちゃったね。」

 

ペトラ「それはごめんなさいね。こんな時間になっちゃって。」

 

 

愚痴ってたわけではないが、いつの間にかペトラさんが来ていた。

 

 

八幡「あぁいえ、別に嫌で言ったわけではないので。」

 

ペトラ「それでもよ。貴方たちに相談もしないで決めてしまったからこちらの落ち度よ。」

 

シルヴィア「でも仕方ないですよ。9000人もいるんですから。早めにしてあげないと観客たちが可哀想です。握手会ではそれ以上の人数が来るかもしれないですから。」

 

ペトラ「そう言ってくれると救われるわ。疲れが溜まっているでしょうけど、後数時間頑張って頂戴。」

 

2人「はい。(はーい!)」

 

 

後、その前に水分補給をさせて下さい。

 

 

ーーー5分後ーーー

 

 

スタッフ「それではこれより、握手会を行います!尚、今回の握手会についてはサイン等は出来ませんのでご了承下さい。では、前の方からどうぞ。複数人の場合は3名までとします。」

 

 

 

 

 

観客 男1「うおぉ〜!本物のシルヴィアと比企谷八幡だ!しかもこんなに間近にっ!!」

 

観客 男2「いつもライブ見てました!今日は生で聴けて本当に良かったっす!」

 

シルヴィア「あはは!私も直接聴いてもらえて良かったよ。」

 

観客 男3「俺、この前の《鳳凰星武祭》見てからずっとファンでした!」

 

八幡「見ててくれたのか、ありがとな。」

 

観客 男2「今日のライブ最高でした!またこの近くでやってくれたら絶対見に行くっす!」

 

シルヴィア「うん!その時は絶対予約してね〜!」

 

八幡「その時いるかどうかはまだ分からんが、いたらよろしくな。」

 

 

 

観客 女1「あぁ〜まさか本物とこんな近くに………私どうしよう……」

 

観客 女2「握手するしかないでしょうが……あんたバカ?」

 

観客 女3「いやいや、発狂するのも分かるよ。あの2人がこんな近くにいるんだもの。」

 

シルヴィア「そ、そんなに驚く事なのかな?」

 

観客 女1「何を言うんですか!それは驚きますよ!家の中に自分の1番好きな有名人がお邪魔しているくらい驚きますよ!」

 

 

………それ、よく分からんのだが。普通に考えて不法侵入じゃね?

 

 

観客女3「シルヴィアさん引かせてどうすんのさ。すみません。」

 

シルヴィア「ううん、気にしてないよ。緊張してるみたいだけど、大丈夫だよ?」

 

八幡「手を差し出して握るだけだから簡単だぞ?」

 

 

まぁ、目の前にいるのがシルヴィだからな。こうもなるか。

 

 

 

 

八幡ファン1「キャアー比企谷様!!やっと会えました!シルヴィアさんも会えて嬉しいです!」

 

八幡「ひ、比企谷様?」

 

シルヴィア「今日は来てくれてありがとう!」

 

八幡ファン1「比企谷様!よろしければこれにサインしてくれませんか!?あぁ、勿論シルヴィアさんも出来れば!」

 

シルヴィア「サインはダメなんだけど……まぁ、いいか。」

 

八幡「……というか何で様付けなんです?」

 

八幡ファン「1年前のライブから始まって、《鳳凰星武祭》そして今日のライブでも堂々とした風格に心打たれまして!後、ファンクラブの皆は必ず様付けしてるんです!」

 

八幡「は、はぁ……ファンクラブってあるんですね?」

 

八幡ファン1「はい!全世界にリンクしていまして、今では総計500000人います!」

 

シルヴィア「500000人!?そんなに!?」

 

八幡ファン「比企谷様の歌や戦闘に魅入られた人は必ず入っている会なんです!今日のライブ、最高でした!シルヴィアさん、比企谷様!また宜しくお願いしまーす!」

 

シルヴィア「……八幡くん、全世界に君のファンが500000人だって。」

 

八幡「いつの間にそんな会作ってたんだ?」

 

 

その後も色々な客が来て、サインやら写真やらを要求された。サインなら良いが、俺は写真はあまり好きじゃないから、写真は断った。まぁサインも極力は断ったけどな。本来はダメだし。

 

そして………

 

 

姉「ほら、勇気出して言ってみなよ。」

 

妹「あうぅ……///」

 

 

出た!あの小動物を思わせるような可愛い妹ちゃん!

 

 

シルヴィア「あぁ、八幡くんにドッキリを仕掛けられた子だったね。ゴメンね、驚かせちゃって。」

 

姉「あぁいえとんでもないです。この子、比企谷さんの大ファンで。」

 

妹「あ、あの……」

 

八幡「はい?」

 

妹「サ、サイン、お願い、出来ませんか?」

 

 

この子にはドッキリしたしな。別に良いよな。

 

 

八幡「良いですよ。どちらにすればいいですか?」

 

妹「じ、じゃあこの色紙にお願いします。」

 

八幡「分かりました。」(スラスラ)

 

シルヴィア「妹さん、いつからファンなの?」

 

姉「《鳳凰星武祭》を中継で見てから大ファンになってしましまして。いつも端末で比企谷さんの戦闘シーンとか見てるんですよ。」

 

妹「お、お姉ちゃん!恥ずかしいからやめてよ!」

 

姉「ゴメンゴメン!」

 

 

妹「あ、ありがとうございました!!」

 

姉「これからも頑張って下さい!」

 

 

握手をした後に、あの姉妹は去って行った。仲の良い姉妹だったな。

 

 

それからも握手を求める人たちがたくさん来ていた。ライブ見れたのは9000人だけど、握手しに来た人、絶対10000人は確実に超えてるな。

 

 

お客の皆さんと握手戦闘をしてから2時間くらい経った。そしてようやくだ。

 

 

スタッフ『次で最後のお客様でーす!』

 

 

シルヴィア「ふぅ〜、やっと最後だねー。」

 

八幡「あぁ、ようやく終われるな。」

 

 

そして最後に幕を上げて来たのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐり「………1年ぶりだね、比企谷くん。」

 

 

城廻先輩だった。

 

 

八幡「………お久しぶりです。」

 

めぐり「うん……久しぶりだね。この前会った時は正体を隠してたんだね?」

 

八幡「悪いとは思いましたよ。ですが、そうせざるを得ない状況にあったので。」

 

めぐり「ううん、いいよ。気にしてないから。」

 

八幡「……シルヴィ、スタッフさんに言っといてくれ。最後のお客さんはサービスしたいから少し長引くって。」

 

シルヴィア「……うん、分かった。それと八幡くん、私も聞くからね。」

 

八幡「………分かった。」

 

 

そう言ってからシルヴィは外にいるスタッフさんにその事を言いに行った。

 

 

めぐり「………君とこうして話すのも1年ぶりなのかな。あの時は奉仕部の2人もいたよね。」

 

八幡「すみませんが、その事は思い出したくないので話さないでください。俺にとって奉仕部(あの場所)に居たこと自体が自分の最大のミスですので。」

 

めぐり「………聞いちゃいけないと思ってるけど、あの2人、六花に行ったみたいなんだけど、もう会えた?」

 

八幡「えぇ、会いましたよ。醜い姿になってましたね。」

 

めぐり「………そっか。」

 

シルヴィア「八幡くん、伝えておいたよ。」

 

八幡「すまないな。それで、城廻先輩。何を話したい、または何を聞きたいんです?」

 

 

城廻先輩は黙ったまんまだった。悲しげな表情を隠す事をせずに俯いていた。

 

 

めぐり「まずはこの言葉からいいかな。あの時、君を救えなくてごめんなさい。」

 

 

城廻先輩は頭を深く下げた。

 

 

めぐり「私、君を助けてあげられなかった。普通に考えれば、あんな事好きでするはずがないのに……勝手に君を悪者にして、そのままにして……ごめんなさい。」

 

八幡「………別に気にしてませんよ。むしろ、今となってはそれに感謝ですね。」

 

めぐり「え?」

 

八幡「その最悪な出来事がなければ、俺は六花にも行けてませんし、シルヴィとも出会う事はありませんでしたから。」

 

めぐり「……許してくれるの?」

 

八幡「俺は別に恨んでなんかいませんよ。逆恨みはされてるみたいですけど。」

 

 

まぁ、今はそんな事どうでもいいか。

 

 

八幡「まぁ、今のはどうでもいいですね。続きをどうぞ。」

 

めぐり「後は……文化祭を成功させてくれてありがとう。多分、君があの時あんな事をしなかったら、文化祭は最低な形になってたと思う。」

 

八幡「そもそも無理があり過ぎたんですよ。経験も何もない、学校に来てまだ半年の1年が実行委員長をするなんて。」

 

めぐり「うん、そうだね。本来なら私たち2年生がしなきゃいけない役割だったのに、1年生に押し付けちゃったんだよね。しかも、その責任まで。」

 

 

城廻先輩は本当に申し訳なさそうな顔をしながら俺の方を見ながらそう答えた。

 

 

シルヴィア「……止めようとは、思わなかったんですか?」

 

めぐり「……順調に進んでたから問題無いと思ってたんだ。でも、その慢心がいけなかったんだろうね。」

 

八幡「まぁそれも過ぎた事なんでいいですよ。今年は上手くいったんですか?」

 

めぐり「うん、おかげさまでね。去年の事を思うと、皆凄く張り切ってたよ。今の1年生は知らないけどね。」

 

 

当然だ、知ってたら好き好んで文実なんてする奴いねぇわな。

 

 

めぐり「私から言いたい事はこれくらい。多過ぎても時間取らせちゃうだけだから。質問、してもいいのかな?」

 

八幡「えぇ、貴女がしたいのなら。」

 

めぐり「じゃあ……君は今、幸せ?」

 

八幡「はい。これを幸せと呼べないのなら、どれを幸せと言って良いのか分からないくらいです。」

 

めぐり「……そっちは楽しい?」

 

八幡「総武と比べるのも烏滸がましいくらいですね。全く退屈しませんよ。」

 

めぐり「……友達はいる?」

 

八幡「沢山出来ましたよ。」

 

めぐり「………そっか、良かったよ。君が充実してくれていて。」

 

めぐり「最後の質問、いいかな?」

 

八幡「いいですよ。」

 

めぐり「………わたしのこと、嫌いかな?」

 

 

………質問の意味が分からんな。

 

 

八幡「どういう意味です?」

 

めぐり「そのままの意味だよ。」

 

八幡「……嫌いじゃないですけど。」

 

 

嫌いなら、此処でこんな事させてないからな。

 

 

めぐり「……うん、ありがとう。もうそれだけ聞ければ充分だよ。」

 

めぐり「話を聞けて良かったよ。今日のライブも凄く良かったよ。じゃあ比企谷くん、さようなら。シルヴィアさんも。」

 

シルヴィア「は、はい……」

 

 

 

 

 

 

 

八幡「城廻先輩。」

 

めぐり「っ……なにかな?」

 

八幡「確かに俺は総武高は嫌いですが、貴方を嫌ってはいませんからね。」

 

めぐり「え?」

 

八幡「人にもよりますけど、俺は貴女からあの時以降から1度もその類の言葉を言われた事はありません。」

 

八幡「それだけならまだ信用は出来ませんが、貴女はこうして俺に謝ってくれた。これは貴女の意思なんですよね?」

 

めぐり「……うん。」

 

八幡「……なら俺は貴女を信じる事にします。これで貴女の心の鬱憤が消えてくれたら幸いです。」

 

めぐり「……私を、信じてくれるの?あんな酷い事をした私を?」

 

八幡「えぇ。」

 

めぐり「会う事もないかもしれないのに?」

 

八幡「そんなの問題じゃないですよ。」

 

 

俺が信じるか信じないかで決めるだけだからな。

 

 

めぐり「……グスッ……ありがとう……ありがとう、比企谷くんっ!!」(ポロポロ)

 

 

城廻先輩は泣いてしまったが、俺から言えるのはこの言葉だけだった。

 

 

八幡「はい、どういたしまして。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長くなった割にはそんなに内容が濃くないですね。


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