学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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純星煌式武装 中編

 

八幡side

 

 

【純星煌式武装選定検査室】

 

 

八幡「なんか急にメカニックな感じになったな。もうちょっと内装を拘ろうとかそういうの無かったのかよ………」

 

陽乃「まぁ仕方ないんじゃない?純星煌式武装は普通の煌式武装と違って意思のようなものがあるって言うし。」

 

星露「出来ればそうしたいのじゃが、そうすると中の機械が不恰好に見えるじゃろ?だからこのままにしてあるのじゃ。」

 

八幡「なんかやけに説得力があるな。」

 

 

『あっ!やっと来てくれたんだねっ!ほら早く早くっ!』

 

 

八幡「ん?」

 

陽乃「ん?どうかしたの比企谷くん?急に後ろなんか振り向いて?」

 

星露「此処には3人、専門家が検査室に数人居るだけじゃぞ?他に人はおらんぞ?」

 

八幡「いや、今誰かの声が聞こえたんだが………気のせいか?」

 

陽乃「声?私は何も聞こえなかったけど?もしかしてお化けとか〜?」

 

八幡「いやいや、こんなとこに棲みつくお化けなんていないでしょ。どんなお化けですかそいつ………」

 

星露「………」

 

 

星露(まさか本当に反応しておるのか?だとしたら……界龍が創設されて以来初の適合者じゃぞ。)

 

 

八幡「……ンルー?…星露?お~い星露~?」

 

星露「ん?おぉ、なんじゃえ?」

 

陽乃「どうしたの?いきなり黙ったまんま突っ立っちゃってさ、星露にしては珍しいね。」

 

星露「なんでもないわい。此奴がどんなものに懐かれるか考えておっただけじゃ。特に他意はないぞい。」

 

八幡「そんな上手くいくかねぇ………」

 

 

『いくに決まってるじゃないか!僕の声が聞こえてるんだからさ!』

 

 

まただ……さっき聞いた声と同じだ。こいつ本当に誰なんだ?ていうか今の会話的にこいつが純星煌式武装だって事は確定じゃね?

 

 

『もう〜早くしてよ〜!いつまでも駄弁ってないで早く僕を取りに来てよ〜!』

 

 

あの時も今も変わらない飄々としたようなふざけたような喋り方だ。そもそもの疑問なんだが、この声って純星煌式武装なのか?

 

 

八幡「とりあえず、始めましょうよ。お化けの方も、喋ってないで早くしろって言っているようですし。」

 

 

星露「それもそうじゃのう。陽乃よ、妾達は離れていようぞ。」

 

陽乃「はいはーい。ていうか比企谷くん、その口ぶり……ひょっとして今お化けと会話してたの?」

 

八幡「はい、ちょっとだけ。お化けかどうかは知りませんけど。(本当は全部聞こえていたんだが、それは黙っておこう。余計な詮索されたくねぇし。)」

 

 

『僕はお化けじゃな〜い!○○○○だー!!』

 

 

………また聞こえた。君って本当に誰なの?

 

 

ーーー数時間後ーーー

 

 

適合率18%

 

 

八幡「…………はぁ。」アキレ

 

陽乃「………凄いね、全部の純星煌式武装試したのに20%超えないって。逆にレアケースじゃない?」

 

星露「むしろ清々しいくらいじゃの。」シレ-

 

 

俺………もう泣いていいかな?いいよね?純星煌式武装ってこんなに融通効かないのかよ。1つたりとも20%いってねぇぞ。

 

 

陽乃「もうやめたら?次で最後なんでしょ?なんかもう見てられないんだけど。そもそもの話、魔術師や魔女は純星煌式武装から嫌われてるっていうくらいだし、残った1つも無理だと思うんだけど?」

 

星露「何を言う!最後じゃから面白いのではないか。もしとんでもない数値じゃったらどうするのじゃ?」

 

陽乃「それを言うなら最初からさっきのを試して全部20%超えてない時点で、とっくに凄い数値だけどね。」

 

八幡「あの……さり気なく俺の事ディスるのやめてくれません?俺だって出したくて出した数字じゃないんですから。」

 

 

ていうかもう最後かよ……全然期待なんか出来ねぇよ。まぁいい、手短かにさっさと済ませるか。

 

というかさ、あのおばけ何処行った?急に声しなくなったんだけど?何あいつ?不貞腐れて奥に引っ込んじゃったとか?それならそれで……おっ最後か。最後のは鐔のない刀か……ん?でもこの刀、刀身がある。今までのは起動しなければ、刃は現れなかった。なのに此奴は刀身がついてる?どういうこった?

 

 

星露「その刀は、刀身にウルム=マナダイトを使っておる。歴とした純星煌式武装じゃ、安心せい。」

 

 

星露(ただまぁ、使いこなした奴は今までおらんがのう。使おうとした者は、全員廃人になってしもうたからのう。一癖どころか難癖がいくつもあるような純星煌式武装じゃ。)

 

 

八幡「ま、早く終わらせるか……」

 

 

『んもぉー!待ちくたびれたよー!ほらほら早く早く!早く僕を握って!カムヒヤー!!』

 

 

八幡「……まさかお前が?」ボソッ

 

 

『さぁ、僕を握って嫌な事全部忘れて気持ちよくなろう〜♪』

 

 

………急に変態みたいな事言いやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャリーン

 

 

八幡「っ!」

 

 

突然、鈴の音が聞こえて来たと思ったら、俺はいつの間にか真っ白な世界に立っていた。そしていつの間にか握っていた刀は手から消えていた。

 

 

???「やぁ、初めまして!やっと会えたね、嬉しいよ!」

 

 

そう言って前を向くと、肩まである黒髪に青の瞳、黒い着物を着た女の子が立っていた。

 

 

ていうか女だったんかい!!ボクッ娘だったのかよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 


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