学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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クラスと先輩

 

 

八幡side

 

 

1年生への悪戯に成功した俺たちは、2階にやってきた。次は2年生を見学するつもりだ。

 

 

シルヴィア「うーん、今度は普通に見学しよっか?毎回やっても申し訳ないし。」

 

八幡「なら、2-F組を覗かないか?」

 

シルヴィア「……でもそのクラスって……」

 

 

そう、俺が1年前にいたクラスだ。多分中身変わってるだろうけどな。

 

 

八幡「そのままって可能性は捨て切れないが、1年から2年に進級する時は大抵クラスメイト変わるから、変わってんだろ。」

 

シルヴィア「………そうかな。」

 

八幡「それに変わってなかったとしても、別に問題ねぇよ。」

 

 

校長室でも言ったように、もう過去として保存してるから。

 

 

シルヴィア「………八幡くんがそう言うならいいよ。でも、無理はしないでね!」

 

八幡「分かってるよ。」

 

シルヴィア「それと!明鏡止水は絶対使うからね!絶対だからね!」

 

八幡「わ、分かった。」

 

 

ーーー2-F組ーーー

 

 

シルヴィア『なんか静かだね?寝てる……のはなさそうだけど、テスト中?』

 

八幡『さぁな。だが、戸が開いてるって事は違うだろ。』

 

 

そして俺たちはチラッと中の様子を見てみた。

 

 

皆さん真剣に何かを書いたり考えたりしていた。よく見ると作文だった。教師は………平塚先生だった。

 

 

八幡『……平塚先生。』(コゴエ)

 

シルヴィア『………あの人が八幡くんの恩師?』(コゴエ)

 

八幡『あぁ、唯一俺の事を真剣に考えてくれた人だ。』(コゴエ)

 

 

目の腐ってた俺なんかの事を真剣に考えてくれた教師なんて、彼女以外にはいないだろう。

 

 

シルヴィア『八幡くん、作文のテーマが八幡くんの事になってるよ。』(コゴエ)

 

八幡『は?』(コゴエ)

 

 

シルヴィが黒板の方を指差していたので、俺もつられて見ると、本当に俺がテーマになっていた。

 

てか、俺をテーマにするな。

 

 

シルヴィア『八幡くん、クラスの人変わってる?』(コゴエ)

 

八幡『いや、さっきから見渡してるが、変わってないな。』(コゴエ)

 

シルヴィア『じゃあクラス替えはしてないんだね。八幡くんの席は何処だったの?1年生の頃の。』(コゴエ)

 

八幡『今日は誰か休みなんだろうな、あの席だ。』(コゴエ)

 

 

俺は廊下側の端列にある空席を指差した。

 

 

シルヴィア『あの場所が八幡くんの……』(コゴエ)

 

 

するとシルヴィは握っている手をさらに強く握ってきた。

 

 

八幡『………なぁ、ここに居る奴らと話してみたいか?』(コゴエ)

 

シルヴィア『え?』(コゴエ)

 

八幡『気になるんだろう?』(コゴエ)

 

シルヴィア『確かに気になるけど………大丈夫だよ。』(コゴエ)

 

 

なら、俺の部活動場所でも行かせておくか。

 

 

八幡『そうか?じゃあ俺1人で話してくる。シルヴィは特別棟の3階にあるシールが貼ってあるプレートの教室で待っててくれ。』(コゴエ)

 

シルヴィア『え?待ってるとしても、私その場所知らないよ。』(コゴエ)

 

八幡『心配すんな。』(コゴエ)

 

 

俺はバレないように自分の影分身を作った。

 

 

八幡『俺の代わりに俺の分身が案内する。』(コゴエ)

 

シルヴィア『………分かった。でも、無理はしないでね?約束だよ?』(コゴエ)

 

八幡『分かってるよ。それに俺は昔程弱くない。何があっても平気だ。お前がいてくれるからな。』(コゴエ)

 

シルヴィア『………うん///』(コゴエ)

 

 

そして俺たちは一旦廊下に出た。シルヴィを見送るためでもある。すぐに会うけど。

 

 

シルヴィア『じゃあ後でね。すぐに来てね?』

 

八幡『分かってるよ。』

 

八幡(分身)『じゃあシルヴィ、俺が部活動をやってた場所に案内する。』

 

シルヴィア『うん。』

 

 

そしてシルヴィと俺の分身は特別棟の方へと向かっていった。

 

 

……………さて、久しぶりの再会だ。ざっと1年ぶりか?全然楽しみじゃねぇ。

 

 

ま、いいか。

 

 

そして俺は閉まっている教壇側の方の戸をノックした。

 

 

平塚「?はい?」

 

 

さて、行くか。

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

………八幡くん大丈夫かな?

 

 

八幡(分身)『シルヴィ、俺の本体が心配なのは分かる。けど心配ねぇよ。前の俺とは違う。何があっても別に傷つく事はねぇよ。』

 

シルヴィア『そうだとしても不安なの。八幡くんの分身なら分かってるでしょ?八幡くんは了承したけど、ここに来たいって言ったのは私なんだよ。何かあったら……申し訳がないよ。』

 

八幡(分身)『………』

 

 

八幡くん……終わったらすぐに来てね?

 

 

八幡(分身)『ここまで来たらもう解除しても良さそうだな。』

 

八幡(分身)「……シルヴィ、着いたぞ。あそこが俺が1年前に部活動で活動していた場所だ。」

 

シルヴィア「……ネームプレートにシール、確かに八幡くんの言ってた通りの場所みたいだね。」

 

八幡(分身)「あぁ。」

 

シルヴィア「………でもどうやって中に入るの?」

 

八幡(分身)「校長からマスターキー貰ってるから中に……ん?開いてる?」

 

 

え?

 

 

シルヴィア「誰かいるの?」

 

八幡(分身)「分からん。いない可能性もあるけどな。」

 

 

私たちは恐る恐る中を覗いてみた。

 

するとそこには、何かのノートを優しげな表情で見ていためぐりさんがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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