八幡side
やっぱ自分の分身がいるって便利だな。購買前に待たせているから(変装しながら)すぐに買えるだろうな。
そしてもう1人分身を作った。それは教室に行かせた。理由は平塚先生と三浦に伝言させるためだ。昼休みじゃあ時間が無さ過ぎるから放課後にしてもらう事にしたからだ。あの2人なら分かってくれるだろう……多分。
そして俺が今向かってるのは、特別棟3階にある端の教室だった。
元奉仕部の部室である。
八幡「待たせたな、シルヴ」
めぐり「それでそれで!?比企谷くんはなんて言ったの!?やっぱり素直じゃない事を言って誤魔化したの!?」
シルヴィア「え、えぇと……恋愛継続と夫婦円満って言ってくれたんです/////割り切れない数字は縁起が良いって言ってたのでキュンと来ちゃいました……/////」
めぐり「わ、わ〜凄いね///確かにそれはキュンと来ちゃうよ///」
…………なんだこれ?
めぐり「それでそれで?他には?まだあるんだよね?ね?1番言われて嬉しかった事は?やっぱり告白?」
シルヴィア「……ある意味正解です///1番嬉しかったのは、八幡くんが会見で私との交際を結婚前提でしているつもりだって言ってくれた事と……指輪を……はめてくれた事です/////」
めぐり「わ、わぁ………/////比企谷くん凄いよ、シルヴィアさん誑しだよ。もうシルヴィアさんの心を鷲掴みしちゃってるよ/////」
この人たちはどんな話をしてんだよ。
盗み聞きも悪いから、そろそろ行くか。
八幡「待たせたな〜。」
2人「八幡くんっ!?/////(比企谷くんっ!?)」
うん、その反応予想してました。
八幡「………どうしたシルヴィ?顔赤いぞ。城廻先輩も慌ててましたけど?」
めぐり「だ、大丈夫だよ!何もないから!比企谷くんの話をしてもらってただけだから!ね!シルヴィアさん!」
シルヴィア「そ、そうなんだ!六花の八幡くんが知りたいって言ってたから説明してたの!」
八幡「………そっか。てっきり恥ずかしいエピソードでも聞かれてたのかと思ってたわ。」
2人(もう殆ど正解だよぉ〜!)
2人の心情とは知らずに、八幡はさっきまでのやりとりを見ていたため、内容は筒抜けだった。
ーーー20分後ーーー
授業の終わりを示すチャイムが鳴り、昼休みの時間になった。当然俺は動かない。だって使いを出してるから。
シルヴィア「八幡くん、購買で何か買わないの?」
八幡「俺が此処に来る前に分身に頼んでおいた。変装できるとはいえ、俺たちは目立つからな。俺の分身なら目立っても能力で姿を消すくらいはできるから問題ない。」
めぐり「凄いなぁ比企谷くん。姿を消せるんだぁ〜!」
八幡「まぁ俺の能力なので。」
うん、俺の能力ってホント便利だよね。自分でもそう思う。
八幡(分身1)「ふぅ……オリジナル、平塚先生と三浦に伝えてきたぞ。OKしてくれた。」
めぐり「わぁ〜本当に比企谷くんだ!うん、そのまんまだね!」
そりゃなんの工夫もしてない俺の分身ですので。
八幡「ん、ご苦労さん。」
八幡(分身1)「おう。」
役目を終えると、俺の分身は消えていった。
めぐり「ほぇ〜羨ましいなぁ。」
八幡「まぁその気持ちは分かりますよ。俺も非
シルヴィア「それが今では六花最強の魔術師だもんね♪彼女として鼻が高いよ。」
八幡「俺の彼女も六花で1〜2を争う程の魔女だからな。俺も鼻が高い。」
どっちも能力者で1番かもしれない域にいるって事なのか……これも必然か?
めぐり「こうやって見ると、お似合いのカップルだねぇ〜。あっ!私お弁当持ってくるんだけど、一緒に食べてもいいかな?」
シルヴィア「はい!勿論です!」
君たちずいぶん仲良くなったもんね。
八幡「俺も構いませんよ。」
めぐり「わぁ〜い、ありがとぉ!じゃあ急いで持ってくるからね〜!」
そしてめぐりさんは弁当を取りに一時退室した。
シルヴィア「ん〜はぁっ!めぐりさんって面白い人だね。」
八幡「雰囲気があんな感じだから和むってのもあるよな。」
シルヴィア「うんっ!」
そして………
八幡(分身2)「俺〜、シルヴィ、昼飯買ってきたぞー。」
八幡「悪いな、何買ってきたんだ?」
八幡(分身2)「パン類くらいしか買ってないな。おにぎりもあったが、あったかくないと美味くないからな。」
いつもシルヴィが作ってくれる飯は、あったかだからな。冷めてても美味いが、やっぱあったかいのが良いからな。
八幡「分かった、サンキューな。」
八幡(分身2)「あいよー。」
そしてさっきの分身同様に徐々に薄くなって完全に消えた。
シルヴィア「ふぅーん、此処の購買っていろんなパンがあるんだね。」
八幡「まぁこれくらいが普通だ。それよりも、六花に帰ったら家で飯一緒に作らないか?なんかそんな気分になってきた。」
シルヴィア「良いね!やろうっ!」
シルヴィは嬉しそう笑いながら、俺の手を握ってきた。
シルヴィア「それと八幡くん。この黄色と黒色の缶は何?」
八幡「あぁ、これがマッ缶だ。俺は前好んで飲んでたが、今はどうだろうな………甘いのは今でも好きだが………」
シルヴィア「なんかパッケージの色からして危険を漂わせるような感じがするね。」
八幡「………シルヴィには甘すぎるかもな。」
俺は密かにそう思いながら、マッ缶を眺めていた。
めぐり「お待たせ〜……あれ?」
城廻先輩が来たかと思ったら、突然固まってしまった。
シルヴィア「めぐりさん?どうしたんですか?突然固まって。」
めぐり「……っ!い、いやぁ……あまりにも2人が自然に手を繋いでいるものだから、恋人よりも夫婦に見えちゃって……見惚れてたんだ〜。」
シルヴィア「ふ、夫婦……///」
八幡「まぁ、そう言われると嬉しいですね///」
めぐり「……いやぁ比企谷くん本当に変わったね!今のところ、きっと昔なら『いや、そう見えるのは俺たちがこうしているからであって、しなければそうには見えませんよ。』って言ってるところだよ!」
八幡「何でそんなに限定的なんです?」
シルヴィア「あはは……」
そして俺たち3人は楽しく会話しながら昼食を摂り、昼休みのひと時を充実に過ごすことが出来た。
ーーーおまけーーー
シルヴィア「うぅ〜……八幡くん、甘過ぎるよぉ〜。」
八幡「ま、まぁそうだろうな。俺も飲んでみていいか?」
シルヴィア「うん。むしろ全部飲んでいいよ。私そんなに甘いのは飲めないよぉ……」
八幡「……………うっ、俺ってこんな甘いの平気で飲んでたのか………今の俺って幸せ者なんだな。」
シルヴィア「そ、そうだよ。今の八幡くんが幸せだからこのマッ缶が甘く感じるんだよ。きっとそうだよ。」
八幡「あぁ、そうだな。」
めぐり「2人共、間接キスになってるけど……言っても別にだよね。」
シルヴィア「あ……そういえば間接キス///」
八幡「………そうだったな///」
めぐり「………純情バカップルさんなんだね〜。」