学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今日も夜には投稿出来ないので、朝にしました。




親子のケジメと我慢

 

 

八幡side

 

 

八幡「落ち着いたか?」

 

比企谷母「……えぇ、ありがと。」

 

 

今まで母ちゃんと話すことなんて無かったから、少しギスギスするかと思ったが、そうでもなかったな。

 

 

比企谷母「それで八幡、聞かせてくれる?小町がそっちで何をしたのか。」

 

八幡「俺はいいが、母ちゃんからしてみれば辛い話でしかないぞ?いいのか?」

 

比企谷母「えぇ、もう後悔なんてしたくないもの。その為にも聞かせて。」

 

 

この話を聞いたら後悔しかないと思うんだが……覚悟があるなら、いいか。

 

 

八幡「……分かった、だが予め言っておく。この話を聞いたら後悔しか残らないと思う。もし辛かったら言ってくれ、すぐにやめる。」

 

比企谷母「……うん、分かった。」

 

八幡「よし、じゃあ話すぞ。」

 

 

そして俺は小町が六花でした事を包み隠さず母ちゃんに話した。勿論兄妹の縁を切った事もだ。最初こそ辛そうに聞いていたが、後になるにつれて納得したような顔に変わっていた。

 

 

八幡「……これが小町の今だ。俺が関わったのはこの日が最後だから、今どう思っているのかは分からない。」

 

比企谷母「……そう、あの子が何で急に六花に行きたいなんて言い出したのかようやく分かったわ。そういう事だったのね。」

 

八幡「何も言わないのか?息子が娘に対して縁を切るなんて言ったんだぞ。」

 

比企谷母「私に言える事なんて何も無いわよ。八幡、あんた私から何か教わった事ある?道徳的なものでよ。」

 

八幡「………」

 

比企谷母「でしょう?私もそんな記憶ないもの。だからあんたに今更教え直すなんて事出来ないわよ。」

 

 

母ちゃんが俺と小町を対等に見るのはこれが初めてだろうな。

 

 

比企谷母「私から言う事は何もないわ。八幡、あんたはあるんじゃないの?例えば小町が此処に帰ってきたらどうして欲しいとか。」

 

 

……やっぱ母親って事か、俺の考えてる事は分かるみたいだな。同じDNAが入ってるだけあるな。

 

 

八幡「あぁ。もし冬の長期帰省で小町が来たら、小町の態度次第でいい。出来るだけ優しくしてくれないか?俺も小町に対して過保護だったのは否定出来ないからな。だが、兄妹の縁を切った傷はたった半年じゃ消えないだろう。少しでもケアをしてくれないか?」

 

比企谷母「……絶縁したとしても妹は大切なの?」

 

八幡「そんなのじゃない。態度次第でいいんだ、何ともないようだったら何もしなくていい。もし訳ありみたいだったら、ケアして欲しい。」

 

比企谷母「………いや、私はそんな事しない。」

 

八幡「どうしてだ?」

 

比企谷母「こういうのはズルいけど、あんたは何年も前からこれを味わってるんでしょ?なら、少しは小町にも人生の厳しさを教えてあげなきゃね。」

 

八幡「……手厳しいな。」

 

比企谷母「私たちはあの子を自由にさせ過ぎたからね。あんたと同じ血が流れてるんだからこれくらい耐えられるでしょう?」

 

八幡「……そうか、まぁ母ちゃんがそう決めたならそれでいい。所詮は頼みだからな、命令じゃない。」

 

 

まぁこれで少しは俺の道を辿ることが出来るだろう。言っておくが小町、こんな苦しみ俺からしてみれば序の口だからな?

 

 

比企谷母「話は終わり?」

 

八幡「ん?あぁ。」

 

比企谷母「分かった。じゃあお父さんには私から言っておく。あんたは待たせてるあの子のところに行ってあげな。」

 

八幡「そうだったな。早く行かねぇと段々要求する事が過激になってくるからな。」

 

 

そして俺は居間を出て2階の俺の部屋へと向かった。

 

 

ーーー八幡の部屋ーーー

 

 

八幡「シルヴィ、入るぞ〜。」

 

 

久しぶりの我が部屋だな。しかし改めて眺めると何もないな。本とパソコンと机とベッドくらいしかないな。後は服を収納する棚くらいか。

 

そして………

 

 

八幡「………何やってんだ?」

 

シルヴィア「うぅ〜/////」

 

 

俺の布団に入って丸まっている俺の彼女。

 

 

八幡「いや、ホント純粋に何やってんの?睡魔が襲ってきたの?それとも我慢出来なかったのか?」

 

シルヴィア「……我慢出来なかったです///」

 

八幡「正直でよろしい。それで?」

 

シルヴィア「……部屋に入ってからは何ともなかったんだけど、時間が経つにつれて段々寂しくなって、そしたら八幡くんのベッドがあったから、それにくるまったら少しは紛れるんじゃないかなって思って入ったら、思った以上に効果抜群で少しこうしてようと思ったら………八幡くんが来ました/////」

 

 

そうでしたか………そうだったんですね。いや、これは待たせた俺も悪いな。

 

 

八幡「待たせて悪かったな。何かして欲しい事はあるか?」

 

シルヴィア「……じゃあ頭ナデナデして?」

 

 

シルヴィアは目から下を布団に隠してそう言った。ぶっちゃけ保護欲を掻き立てられる。

 

 

八幡「はいよ、了解しました。お姫様。」(ナデナデ)

 

シルヴィア「ん……えへへ〜♪」

 

 

相変わらず隠したままだが、嬉しそうに目を細めていた。

 

 

シルヴィア「八幡くんって本好きなの?」

 

八幡「前まではよく読んでたな、だが今はそんなに読む機会が無い。前はラノベもよく読んでたな。」

 

シルヴィア「随分いっぱいあるけど、殆どラノベだったね。」

 

八幡「まぁ好きだったからな。俺は後天性の星脈世代だからなる前までは憧れてたんだよ。」

 

 

俺もそうなってみたいとも思っていたが、まさか本当になっちまうとは思ってなかったな。

 

 

シルヴィア「ねねっ!さっき廊下で猫ちゃんを見たんだけど、飼ってるの?」

 

八幡「あぁ、名前はカマクラっていってな。血統書付きのサバトラって種の猫でオスだ。」

 

シルヴィア「カマクラくんかぁ〜。ねぇ、触っても大丈夫かな?」

 

八幡「大丈夫だと思うぞ。」

 

シルヴィア「じゃあ触らせて!カマクラくんと触れ合いたい!」

 

八幡「んじゃ行くか。」

 

 

カマクラよ、久しぶりに会うがお前をモフリに行く奴がいるから気をつけろよ。(既に手遅れ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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