ちょっと短め、ではどうぞ!
比企谷母side
比企谷母「………それで、決心はついた?自分はどうするのか。」
比企谷父「……………いや、まだだ。」
こいつったら、もう4時間は経ってるわよ?八幡とシルヴィアちゃんはもう2階で寝てるでしょうし、カマクラもいない。誰も邪魔をする存在が居ないのにまだなの!?
比企谷母「あんたは一体何に悩んでるわけ?そんなに悩む必要があるの?」
比企谷父「あるに決まってるだろ!お前は八幡が言った事を嘘だと思わないのか!?」
比企谷母「思うわけないじゃない。あの子の目を見て話を聞けば分かるわよ。嘘なんて生半可で軽い気持ちで言ってる事じゃないってことくらい。」
私だって最初は驚いたわよ。でも八幡の喋りや声、特に目を見たり聞いたりしたらすぐに分かった。それに、昔の八幡なら疑ってかもしれないけど、今の八幡がそんな意味のない事をするような人間性があるとは思えない。
比企谷母「私だって簡単に決めたわけじゃないわよ。小町のした事を考えれば当然よ。私は……ううん、私たちはあの子に過保護過ぎたんだもの。八幡もそうだけど、小町ももう甘えられるような年でもないわ。ならこの際に親として1人立ちさせてあげるべきじゃないの?」
比企谷父「それはそうだが……」
比企谷母「それに、八幡が絶縁って言う程なのよ?あんたも知ってんでしょ?八幡も小町を甘やかしてたことくらい。あんたも訳を聞いたんだから、気持ちが分からないわけじゃないでしょ?」
比企谷母「それとも何?小町はやっぱり特別なの?」
比企谷父「そう思ってるわけじゃない。今では八幡と小町は平等に見てる。」
比企谷母「だったら簡単でしょ?小町が八幡に何をしようとしたのか。血を分けた兄妹のする事じゃないわよ。自分を使って星武祭の妨害、ただ八幡の同級生に謝罪して欲しいがためだけにこんな事をしたのよ。悪い事をしたのは一目瞭然じゃない。」
比企谷父「………信じられなくてな。まさか小町がこんな事するなんてって思ってな。」
比企谷母「うん、その点に関しては私も全く同じ。」
あんなに可愛がってたんだもの。間違いを犯すなんて考えないわよね。
比企谷父「今でもそう思ってる。何かの間違いなんじゃないかって。でも、それもないんだよな?」
比企谷母「あるわけないでしょ?」
比企谷父「………まぁ、そうだよな。」
……ハッキリしないわね。
比企谷父「なぁ、何でそんな簡単に割り切れたんだ?」
比企谷母「さっきも言ったけど、簡単じゃなかったわよ。でも、何でだろうね。私にも分かんないわよ。でも、八幡のあの言葉を聞いたら、なんか認められなくて。小町だけ優遇されているような気がして嫌だったのよ。」
比企谷父「なんて言ったんだ?」
比企谷母「八幡は、もし長期帰省があったら態度次第でいいから優しくしてくれって。優しいわよね、八幡は。あの子の素顔はこんな風なんだって思ったわ。」
比企谷母「考えられる?絶縁した子の事を考えて、わざわざケアさせるような事を言い出すのよ。私が八幡だったら絶対あんな事言わないわよ。むしろ追い出すように言ってるかもしれないわ。」
嫌いな子を助けるようなものだしね。
比企谷母「……まぁいいわ。頭を冷やしてじっくり考えな。」
比企谷父「………あぁ、そうする。」
そして私は居間を出て自室へと向かい、寝る準備をして少ししてから寝ようと思ったんだけど、すぐに寝てしまった。