八幡side
索冥『八幡様、今更ではありますが、霊気がとてつもない強さです。』
八咫烏『この感じ……拙僧が感じたものと同じ物だぞ、主人よ。』
朱雀『懐かしい感じの霊力だ……そう思わねぇか?玄ちゃん。』
玄武『そうなんだけどぉ〜、あんまり会いたくないなぁ〜。』
……後の2人は置いとくとして、確かに何かのオーラはビンビンに感じる。何かは分からんが、とにかく感じる。
シルヴィア「……八幡くん、私たち警戒されてるのかな?」
八幡「……分からん。俺もこんなに抵抗受けんのは初めてだからな。」
今までの神社ではそんな事は無かったんだけどな。
神主「おや?こんな時間にお参りですかな?珍しい方たちだ。」
八幡「ん?あぁ〜……まぁそんなところです。」
シルヴィア「あっ、八幡くん。あそこにも鳥居があるよ!でも、なんか動物みたいなのが彫られてあるよ。」
動物?……っ!?
八幡「あの……あの鳥居の周りにある動物って四神ですよね?」
神主「ほほう、若いのによくご存知ですねぇ。その通り、あの鳥居を覗くようにして模られているのは、司る方向を守護しているとも言われている四神です。」
やっぱりか……八咫烏、当たりだったな。
シルヴィア「へぇ〜四神っていうんですか〜。あっ、それならさ、八幡くんの中にいる索冥もその1人なのかな?でも、馬の形をした動物はいないね。」
まぁそうだな……索冥は麒麟って神獣で四神の長だからな。だが確かに馬のような形の像は見当たらないな。
神主「………今、なんと?」
シルヴィア「え?馬の形をした動物はいないですか?」
神主「その前です!名前を言いませんでしたか!?」
シルヴィア「?はい。索冥って言いましたけど……どうかしたんですか?お爺さん?」
まぁ四神を知ってるんなら、当然麒麟の名前なんて当然知ってるよな。
神主「き、麒麟の索冥の事ですか!?あ、貴方の中におられるというのは、本当なのですか!?」
八幡「は、はい。」
神主「………信じられない。まさか麒麟が特定の人物を守護するなど、私の知る限りでは初めてです。」
そうなのか?でも、子供の頃から俺の中にいた……なんて言えねぇよな、この空気で。まぁ俺も存在を知ったのは去年の冬だけど。
シルヴィア「ねぇ八幡くん。索冥ってそんなに凄いの?」
八幡「まぁな。俺の中にいる霊の中では今のところ1番強い。けどあいつの性質は基本優しく穏やかで、虫でさえも殺しを嫌う程温厚な性格だ。だがその分怒った時はかなり凄いらしい。」
シルヴィア「見た事あるの?」
八幡「俺がそんな命知らずに見えるか?」
シルヴィア「ううん。」
まぁ、ですよね。ていうか誰だって好んで怒られたいなんて奴はいないだろう。
八幡「そういうわけで、俺はこの神社から発せられている霊気を逆探知してここまで来たんです。いるんですよね?此処に。」
神主「………麒麟程の神獣を宿しておられる方に嘘は罰当たりですな。えぇ、おりますとも。貴方がさっき仰られていた四神の一柱が。」
………………
八幡「……少し話してくるわ。シルヴィ、俺の身体頼んでもいいか?」
シルヴィア「うん、いいよ。」
八幡「索冥、お前もシルヴィと一緒に俺を守ってくれるか?」
索冥『勿論で御座います、八幡様。』
俺の背中から透き通るような綺麗な声がしたと思ったら、翡翠色の身体に金色の角を生やした鹿のような生き物がいた。
そう、索冥が半実体化して出てきたのである。当然触れないが見る事だけは可能。カメラで撮ろうとしても映る事はない。
神主「っ!!!?こ、これが麒麟の………索冥っ!!な、なんと神々しい……」
シルヴィア「久しぶりだね、索冥。」
索冥『お久しぶりです。ご無沙汰しております、シルヴィア様。』
うし、準備は整ったな。んじゃ呼ぶか。
はい、やってきました。よく見るこの風景、何もない真っ白な世界ですね。
???『………ほう、俺を呼び寄せるとはな、良い霊力を持っている事だけは褒めてやろう。』
白い毛に黒模様、青く光る鋭い眼と眩く光る牙と爪。霊力もそうだが、迫力と存在感は桁違いだった。
???『一応自己紹介をしておこう。俺の名は白虎、
八幡「比企谷八幡だ。」
白虎『ほう、八幡というのか。現代の人間と比べたら珍しい名だな。』
何で現代と照らし合わせる事出来るんだよ。霊の中でも情報化社会ですか?
白虎『それで?何故俺を呼んだ?つまらん理由だったらタダでは帰さんぞ。』
八幡「単刀直入に言うとだ、俺について来てくれないか?」
白虎『この俺がお前ごときについて行けと?人間ごときのお前に?』
八幡「そうだ。」
白虎『ふっ、何を言うかと思えば……粋がるなよ若造。』
突然さっきまでとは比べ物にならない程の霊力を出してきた。
白虎『貴様……この白虎に何を言うかと思えば、ついて来いだと?お前のような奴など朱雀や玄武でも、ついて行かんわ。』
朱雀『それは言い過ぎだぜ白兄。』
突然、俺の後ろから朱雀が出てきた。
朱雀『俺は自分の意思で旦那に憑いたぜ?あまり旦那を過小評価してると痛い目見るぜ?』
白虎「ほう……朱雀よ、お前その人間に憑いているのか。だとしたら節穴だな。』
玄武『ふぅ〜ん、じゃあさぁ〜僕の目も節穴だって言いたいんだよねぇ〜?』
玄武も出てきたか。
白虎『げ、玄武!?お前までこの人間に憑いているのか!?』
玄武『そうだよぉ〜。ちなみに言うと、メイちゃんもマンちゃんに憑いてるから〜。』
白虎『なっ!?さ、索冥がか?』
玄武『うん。』
………何であんな圧されてるんだ?
朱雀『あぁー旦那は知らないよな。実を言うと白兄は年下と女が苦手なんだよ。男の年下ならまだいいんだけどな、玄武みたいなまったり系なのはタイプでダメで、姉貴は女だからストライクでアウトなんだよ。』
ここにきてまさかの弱点モロ暴露?しかも女と年下に弱いってなんだよ。威厳無さすぎだろ!?さっきの迫力どこ行った!?
玄武『別にいいからねぇ〜。トラ兄がマンちゃんの事見下すだけ見下してたってチクってやるんだから〜。言っておくけど取り消して、なんて言っても絶対やだからね〜。僕聞いちゃったからメイちゃんに正直に言うもんねぇ〜。』
白虎『い、いや……それはやめてくれ。』
玄武『じゃあどうするのぉ〜?人間
白虎『ぐっ………』
八幡「……なぁ朱雀、もしかしてなんだが、お前ら四神の中で一番立場低いのって………」
朱雀『あぁ。言い負かされた時の白兄なんだよな〜。しかも玄ちゃんって口喧嘩メッチャ強いんだぜ?』
俺もビックリだよ。だって虎が亀に負けてるところなんて想像出来ねぇだろ。俺ホント何見せられてんの?白虎が不憫に思えてくるんだが……
俺が見てる風景教えてやろうか?虎が亀に向かって頭下げてる風にしか見えないから。
八幡「な、なぁ玄武。俺別に気にしてないからもうそのくらいでいいぞ?」
玄武『……そぉ〜お?じゃあやめてあげるね〜。トラ兄もあんまりマンちゃんを見下したりしないでね〜。ボクユルサナイカラネ?』
……今、声のトーンめっちゃ低くなかった?気のせいか?気のせいだよね?
八幡「あー……じゃあ俺たちは行くから。まぁ……元気出せ。」
白虎『………』
なんか初めて虎がしょぼくれてるところを見た気がする。いや、でもなんか………納得出来る。だって怖かったもんな!
俺も今日の朝っぱらからビックリだよ。威厳のない虎なんて初めて会ったし。いやそもそも絶対会えないだろうし。
うん、もうやめたげよう。
八幡「あー良かったらついて……くるか?」
白虎『っ!ほ、本当か!比企谷八幡よ!』
八幡「お、おう。」
白虎『ならば、お前に失礼をした事は詫びよう!それでは足りぬ事も理解している!だから俺がお前に憑依する事で許してもらいたい!』
……………
八幡「あぁ、大歓迎だ。」
白虎『っ!感謝する!』
だって断れねぇよ!可哀想なんだもん!
白虎『これからよろしく頼むぞ、八幡よ!』
八幡「あぁ、うんよろしく。」
うん、本当によろしくね。
分かってますよ、皆さんの言いたい事は。
僕もなんでこれを投稿したのか謎のまんまです。でも面白いからいいですよね?