学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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倒すは特大パフェ! 後編

 

ーーーーーー

 

 

店長が開始の合図を出すと、2人は同時にパフェの頂上の部分からアイスをすくい口に入れた。

 

 

シルヴィア「んん〜美味しい〜♪」

 

八幡「あぁ、美味いな。」

 

シルヴィア「あっ、八幡くん、みかんとかどうしようか?」

 

八幡「半々でいいんじゃないか?シルヴィが食べたいものは2つ食べろ。それ以外は俺が2つ食うから。」

 

シルヴィア「分かった。」

 

 

時々会話を入れながらの食事、時間を無駄に消費しているようにも見えるが、これも戦術なのだろう。

 

そして5分を切る頃には、パフェの2割を食べ終わっていた。

 

 

シルヴィア「思った以上に減らないものなんだね。大食いの人たちがどれだけ凄いのか、なんとなく分かったよ。」

 

八幡「これと大食いはあまり関係ない気がするんだが……まぁいいか。」

 

シルヴィア「もう少しペースを上げたほうがいいかな?」

 

八幡「いや、このままでいいだろう。無理に上げたら後が辛いからな。」

 

シルヴィア「そうだね。じゃあ楽しみながら急いで食べよう!」

 

八幡「どっちみち急ぐんじゃねぇか。」

 

 

八幡とシルヴィアは手を止めてはいなかったが、パフェも中々減らない。サイドメニューにも手を伸ばし、パフェと一緒に食べていた。

 

 

店長「10分経過です。残り20分でございます。」

 

八幡「こういう時の時間って割とあっという間だよな。」

 

シルヴィア「そうだね。時間の大切さが分かるよね。」

 

 

制限時間の3割を切ったのに、2人はまだまだ余裕だった。お腹もそうだが、まだ精神的にも余裕なのだろう。

 

 

八幡「ん、こっちは漸く容器が見えたぞ。そっちはどうだ?」

 

シルヴィア「私はまだ。八幡くんやっぱり早いね〜。」

 

八幡「特別大食いってわけでもないが、コツは咀嚼を減らす事だな。噛み過ぎると口が疲れてくるからな。」

 

シルヴィア「なるほど……うん、ありがとう♪」

 

 

パフェの方は4割くらい完食していた。気になる残り時間は17分でまだ余裕はあった。

 

 

八幡「シルヴィ、容器を反転させるか。俺がシルヴィの方を食べるから、シルヴィは俺の方を食べてくれ。」

 

シルヴィア「それはいいけど、八幡くんお腹大丈夫?」

 

八幡「安心しろ、まだ平気だ。」

 

シルヴィア「………大丈夫ならいいけど、無理はしないでね?そう言ったのは八幡君なんだから。」

 

八幡「分かってる。」

 

 

2人は容器を逆転させてお互いの食べている場所を交換した。

 

 

八幡(そんなに遅れてるってわけでもないな。シルヴィも食べるの早いな。)

 

シルヴィア(あともうちょっとで容器が見えてたんだね。でも、八幡くんが頑張ってくれてるから、私も頑張らなきゃ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー10分経過ーーー

 

 

残り時間は5分。2人もバテている頃合いだと思うであろう。だが実際は………

 

 

シルヴィア「はい八幡くん、あ〜ん♡」

 

八幡「あむっ……うん、美味い。シルヴィアもするか?」

 

シルヴィア「うん!喜んで♪」

 

八幡「じゃあ、あーん。」

 

シルヴィア「あ〜ん♡……んん〜美味しい♪」

 

 

パフェを9.7割完食して残りのアイスの部分で食べさせ合いっこしていた。

 

しかも2人揃って余裕そうな顔を崩していなかった。

 

 

シルヴィア「あっ、もう終わりだね。」

 

八幡「そうだな。だが案外楽しかったな。」

 

シルヴィア「そうだね。またやりたいね。」

 

八幡「最後どうする?俺がやろうか?」

 

シルヴィア「お願いしていいかな?」

 

八幡「任せろ………んっ…よし、完食だ。」

 

 

最後は八幡が容器を自分の口に傾けて溶けたアイスを口に流し込んで完食した。

 

 

店長「そこまでです。完食タイムは……25分12秒でした。おめでとうございます!」

 

シルヴィア「やったぁ♪」

 

八幡「なんとか出来たな。」

 

店長「では、写真撮影を致しますので、こちらへ。」

 

 

八幡とシルヴィアは店長に着いて行った。場所に着いたが、そこにはハートマークがたくさんついたアーチがあった。

 

 

八幡「……凄ぇな。」

 

シルヴィア「うん……凄いね。」

 

店長「では写真を撮りますので、そのアーチの後ろに立ってください。」

 

 

アーチはちょうど2人が身体を出せる大きさだった為、ちょうど良かった。シルヴィアは八幡の方へ嬉しそうに抱き寄っていた。八幡もそれに応えるようにシルヴィアの肩を自分の方へと抱き寄せた。

 

 

店長「仲がよろしいようで何よりです。では、撮ります。そのまま動かないでください。」

 

 

パシャッとフラッシュと共に数回音がして、写真撮影は終了した。

 

 

店長「本日はカップル限定の特大パフェへの挑戦、並びにチャレンジ達成おめでとうございます。こちらがチャレンジ達成した記念品と写真でございます。」

 

 

2人が受け取ったのは、先程撮られた写真が額縁に入れられていたのだが、その額縁が『パフェよりも甘い絆で結ばれてます♡』という風に書かれていた。

 

記念品はペアルックのマグカップだった。それぞれ自分の名前が彫られていた。

 

 

シルヴィア「ありがとうございます!また来ますね!楽しかったです!」

 

八幡「俺も楽しかったです。」

 

 

そして八幡とシルヴィアはお店から出た。

 

 

店長「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「ふぅ〜食べたなぁ。これは少し身体を動かした方が良いかもね。」

 

八幡「なら界龍(ウチ)に来るか?身体なら動かせるぞ。」

 

シルヴィア「あははっ!じゃあそうしようかなぁ。」

 

 

冗談を言い合いながら、2人の待つ家へと帰って行ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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