学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

277 / 609
師になったからには……

 

 

八幡side

 

 

よし、陽乃さんとセシリーを含めた水派の星仙術と陰陽術の扱いが長けた人材は全員OKしてくれた。

 

だが、陽乃さんが受けてくれたのは意外だったな。あの人だったら身体動かしたいって言うと思ったんだが……

 

 

八幡「まぁいいか、さて少し休む「おぉ、此処におったか八幡。」……どうした星露?」

 

 

後ろから星露が、何やら包みを持ちながら此方へと歩いて来た。

 

 

星露「何、お主に餞別をやろうと思ってのう。折角の学園祭なんじゃ、格好もそれらしくせんとな。」

 

八幡「格好?何のことだ?」

 

星露「八幡よ、これを着てみるのじゃ。」

 

 

星露が俺に手渡してきたのは、何やら白い羽織みたいな物だった。黒のラインが入っていてその中には黄色のラインも入っていた。

 

よく見ると星露が身につけているものと似ていた。

 

 

八幡「星露、なんだこれは?」

 

星露「見て分からんか?お主も師と呼ばれるようになったのじゃ。それにこの機会じゃからちょうど良かろう。それを贈ろうと思っていたのじゃ。」

 

八幡「別にいらん。それに俺の制服じゃこれは着れないだろう。左腕の方は直裾何だしよ。そうした奴は目の前にいるけど。」

 

星露「良いではないか。しかしお主の言う通りじゃのう。その袖ではそれは着れなんだか。なら八幡よ、お主新しい制服でも「いや、要らないから。」釣れんのう、弟子たちに良い格好をしてやろうとは思わんのか?」

 

 

弟子じゃねぇし。そしたら俺どんだけ門下生いるんだよ。この学院のほぼ全員じゃねぇか。

 

 

星露「まぁこんな機会なんじゃから、学園祭の間だけでも着てみんか?中の服の方は漢服であれば何でも許す。どうじゃ?」

 

八幡「………お前からの好意は滅多に無いしな。これ以上断るのも良心が痛むな……分かった、学園祭の期間はこれを着よう。」

 

星露「おぉ!分かってくれたかえ!妾は嬉しいぞ!」

 

八幡「あぁ。だが、この学院に漢服はあるのか?出来るならそれを拝借したいんだが。」

 

星露「済まんが制服の余りは無いんじゃ。卒業した者でも制服を置いていくなんて者は居ないからのう。」

 

 

そりゃそうか。自分がそこで過ごした証でもあるからな。置いていくなんて奴はいないか。

 

 

八幡「いや、ならいいんだ。後は俺が何とかする。」

 

星露「そうか、迷惑をかけるのう。その代わり、学園祭は楽しむといい、ではの。」

 

 

そして星露は来た道を戻って行った。

 

 

八幡「しかしどうするか……漢服が売ってる店は調べれば分かるだろうが、あんまり金は掛けたくないな。」

 

京華「あっ!はーちゃんだっ!!」

 

沙希「ん?比企谷?」

 

柚珠奈「あっ、尊師!」

 

 

今度は川崎姉妹と椎橋か……そういや、川崎は裁縫とか得意だったな。少し聞いてみるか。

 

 

八幡「ようけーちゃん、それに2人共。なぁ川崎、少し聞きたい事があるんだが、いいか?」

 

沙希「何?」

 

八幡「裁縫って得意だったよな?服とかって作れるか?」

 

沙希「小さいのなら何とかなるけど、あたしたちくらいのサイズは作った事ないよ。」

 

八幡「そうか……ありがとな。」

 

柚珠奈「ですが急にどうされたのですか?そのような質問をされて……」

 

八幡「星露にこいつを渡されてな。俺の制服じゃ着れないから替えを用意しようと思ってるんだ。この学院には余りが無いし、川崎は経験者だが、サイズに難ありだからな。」

 

沙希「そういう訳だったんだ。でもゴメン、役立てそうにないね。」

 

八幡「いや、気にするな。学園祭の期間だけ着る事にしてるから大して問題ない。」

 

柚珠奈「えぇっ!?それは勿体無いですよ!!普段から着ましょうよ〜!」

 

 

喜んで遠慮させて頂きます。

 

 

京華「あっ!京華ね!中華服がいっぱいあるお店、知ってる〜!!」

 

八幡「おっ、川崎と一緒に行ったのか?」

 

京華「んーんー、ルーお姉ちゃんと!」

 

八幡「……あいつ何してんだよ。」

 

 

童女と幼女の2人で本当に何やってんだ?1人は万有天羅だから大丈夫だけど。

 

 

京華「あのね!建物がい〜っぱい並んでる所で人も沢山いて〜、看板とかが沢山ある場所〜!」

 

 

建物か……商業エリアか歓楽街、後は可能性低いが、新開発エリアだな。まぁ新開発エリアはないだろう。星露がそんな所に連れて行くとは思えない。

 

 

京華「後ね〜!お店の前にお洋服が沢山あったの〜!色んな服があったよ〜!」

 

八幡「そうなのか。ありがとなけーちゃん。服の専門店みたいだな。その店は大きかったのか?」

 

京華「うんっ!エレベーターで一番高い所まで行ったよ〜!」

 

 

これでかなり候補が絞れたな。京華の情報がかなり役立ったな。

 

 

八幡「よし、何とかなるな。悪いな、休みの日に邪魔しちまって。」

 

沙希「別に。京華もあんたと話せて嬉しそうだし。」

 

柚珠奈「私も嬉しいです!」

 

京華「はーちゃん!また空手ごっこしてね!」

 

 

………うん、それはまた今度ね。あれには本当に驚かされたし、もう受けたくない。本当に痛かったしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けーちゃんの言ってた店は……商業エリアの少し南にある【エべックス】って店か。品揃えも良さそうだし、まずはここに行くか。

 

 

八幡「だが、こんなの着なくてもいいと思うんだけどな〜。」

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。