シルヴィアside
皆さんこんにちは!シルヴィア・リューネハイムです。今私はお買い物に来てるんだ。別に学園祭関係じゃないよ?今日は普通にオフとして来てるんだ。周りは少し騒がしいけど、それは我慢。
界龍のイベント告知を見たけど、何でもコロシアムの他に簡単武術講習会をやるみたい。八幡くんは最終日の午前からだったから行こうと思ってるんだ。どんな鍛錬してるのかも気になるしね!
八幡くんの教え方ってどんな感じ何だろうなぁ〜?
葉山「少しいいかな?シルヴィアさん。」
シルヴィア「?」
突然後ろから声を掛けられたから振り向いて見ると、そこには見覚えのある男の人が立っていた。アーネストよりも少し薄めで短い金髪。少し青が混ざった灰色のような目をしていて身長は八幡くんくらいかな。
シルヴィア「えーと、どちら様かな?」
葉山「あぁ、ゴメンよ。名乗ってなかったね。俺は葉山隼人っていうんだ。聖ガラードワース学園高等部2年で序列は57位だよ。」
葉山……あぁ、確か八幡くんと同じ高校だった人だったね。ん?陽乃さんも居るけど、どうしたんだろう?
シルヴィア「……初めましてだね。私はシルヴィア・リューネハイム。クインヴェール女学園高等部2年で序列は1位だよ。知ってるかな?」
葉山「知らない人間はそうそういないと思うよ。君は有名人だからね。」
シルヴィア「まぁ知らない人もいるよ。それで、何か用かな?」
葉山「……君と付き合っている彼氏の事なんだ。」
単刀直入で来たね。
葉山「シルヴィアさん。君はあいつに騙されているんだ。」
シルヴィア「………騙されているって言われても納得出来ないなぁ。どの辺が騙されているのかな?」
葉山「全てさ。奴の実力はあそこまで高いはずもないし、実際には強くもない!俺は奴と同じ高校だったから分かるんだ。あいつがどれ程卑怯な奴かを!だから今すぐ縁を切るんだ!」
シルヴィア「……それで?」
か
葉山「え?」
シルヴィア「それだけなの?もっと他にはないのかな?それだけじゃ私は八幡くんと別れる気なんて毛頭ないよ。」
葉山「聞いてなかったのかい!?君は彼に騙されているんだ!あいつは泣いている子を平気で追い詰めたり、好きでもない女の子に嘘告白するような奴なんだ!そんな奴を好きになって良いはずがないだろう!」
シルヴィア「君はその時どうしたのかな?」
葉山「勿論止めたよ。でも無駄だったんだ。」
この人、自分を美化し過ぎてるよ。私が八幡くんから聞いた話と全く違うよ。
葉山「シルヴィアさん、奴とは縁を切るべきなんだ!人を平気で傷つけるような奴と付き合ってはいけない!」
シルヴィア「八幡くんは私を傷つけた事なんて一度もないよ?むしろ気遣ってくれるくらい優しい人だけど?」
葉山「それは今の内だけだよ。君が必要なくなればすぐにお払い箱だよ。そんな男だよ、ヒキタニは。」
……………
シルヴィア「……葉山くん、だったかな?」
葉山「あ、あぁ。」
シルヴィア「君の言ってるヒキタニくんって誰の事?」
葉山「え?」
シルヴィア「私が付き合ってるのは比企谷八幡っていう人だよ?君の言うヒキタニくんって人は知らないよ?」
葉山「あいつの苗字なんてどうでも良いじゃないか!そんな事よりも奴と別れ「あのね葉山くん。」………なんだい?」
シルヴィア「私が八幡くんと付き合ってて彼の過去を何も知らないと思う?」
葉山「……どういう事だい?」
シルヴィア「私はもう知ってるの。八幡くんがやった事も、君がどういう人間かも。」
葉山「俺は何もしてないけど?」
シルヴィア「そうなの?私の聞いた限りでは、君が告白の阻止を八幡くんにお願いしたって聞いてるよ。しかもその前に告白を成功させたいってお願いとその逆のお願いを八幡くんは聞いてたのも知ってるよ。これは嘘なのかな?」
葉山「嘘に決まってるじゃないか!僕はそんな事してない!」
シルヴィア「……1年前、八幡くんが六花に来る前に残したノート。」
葉山「っ!!?」
シルヴィア「中身を見たよ。八幡くんも辛かっただろうね。あんな目に遭ってまで依頼を遂行したんだもの。私は本当に凄いと思う。真似なんて出来ない。だからこそ彼は強いんだろうね。」
葉山「………バカな!あのノートは千葉の総武高にあるはずだ!六花にいる君が見られる筈がない!」
シルヴィア「私去年の10月に千葉でライブやったんだけど、知らないのかな?」
葉山「っ!!まさか……」
シルヴィア「そう。八幡くんに行きたいってお願いして案内してもらったの。そして君の元クラスメイトや教師にも話を聞いたりして、部室に行ってあのノートを見た。君の見た目は良いけど中身はとても汚い人なんだね。皆それに騙されていたんだろうね。それに、八幡くんとは正反対だね。君は八幡くんと比べるのも烏滸がましいよ。」
葉山「………俺があんな腐った目をした奴に劣るとでも言いたいのかい?」
シルヴィア「その通りだよ。後、今の八幡くんは目普通だよ?君は八幡くんの事をどう思ってるのかは知らないけど、私は八幡くんの事を世界で一番愛してる。この言葉に嘘偽りなんて絶対にないよ。」
葉山「し、信じられない……」
シルヴィア「別に信じなくていいよ。それで、他に何かあるかな?嘘までついて私に近づいて来たんだから、何かあるんでしょ?」
葉山「……シルヴィアさん。」
シルヴィア「何かな?」
葉山「ヒキタニと別れて俺と付き合わないかい?」
……………え?
シルヴィア「私の言ってた事を聞いてなかったの?私は八幡くんの事を世界で一番愛してるって言ったんだよ?それを聞いてどうしてそんな馬鹿げた事が言えるのかな?」
葉山「いや、考えて欲しい。あいつ程度の器で君を幸せに出来るわけがないじゃないか。だからその役を僕が引き受けようと思ってね。どうだい?悪い話じゃないだろう?」
シルヴィア「………そうだね。確かにこの答えは決まってるよ。」
葉山「まぁ、賢明な判断だよ。」
シルヴィア「お断りだよ!君なんかじゃ八幡くんの代わりは務まらない!」
葉山「なっ!?何故だい!?奴程度では君を不幸にするだけだ!僕と付き合った方がずっと良いはずだ!」
シルヴィア「誰がそんな事決めたの?」
葉山「……え?」
シルヴィア「誰が君といた方が幸せだって決めたの?そんなの君の偏見でしょ!そこに私の意思なんて無い!私は八幡くんとしか付き合わないし、別れる気もないの!もう知ってると思うけど、私だって本気で結婚を考えてる!」
葉山「け、結婚!?」
シルヴィア「八幡くんはそれを会見の前で言ってくれた。あんなに大勢の人の中で堂々と答えてくれた。そんな八幡くんが嘘をついてるなんてとても思えない。君のように影でコソコソして人をバカにするような人なんかより、八幡くんの方が何万倍もマシだよ!」
シルヴィア「君に出来るの?恋人が出来たとして、結婚の事を考えてるって堂々と記者や取材班の中で言えるの?」
葉山「………」
この人の裏が知れて良かったよ。レヴォルフの【悪辣の王】よりもタチが悪いよ。
シルヴィア「もう私に話しかけてこないで。八幡くんの事をバカにするんだったら、八幡くんに勝ってからにして!」
シルヴィアsideout
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陽乃「うひゃあ〜!シルヴィアちゃんったら大胆!こんな場所であんなこと言うなんてやるね〜!お熱いなぁ、もう!」
パーシヴァル「………葉山隼人の監視をしていましたが、何故でしょう?今のを見ていたら、とても胸がスッキリしました。」
「ねぇ、シルヴィアさんの言葉聞いた?結婚だって!」
「うん聞いた聞いた!相手はやっぱり比企谷さんだよね!」
「ラブラブなんだね〜!
「「ね〜。」」
シルヴィア(う、うぅ〜/////言っちゃったよぉ〜!私なんで熱くなるとこうも思った事を何でもかんでも言っちゃうのぉ〜/////そりゃ私だって結婚は考えてるよ?するつもりだよ?でも、あんな所であんな大声で言わなくても良かったのに〜/////)
シルヴィアは歩いている中、心の中で1人叫んでいた。
何故かシリアス展開になると思ったら、最後の最後でこの甘さ。