八幡side
シルヴィが泣き疲れて眠ってから30分。俺はシルヴィをベッドまで連れて行き、そのまま寝かせようとしたが、シルヴィが身体から腕を話してくれない為に、俺も一緒に横になった。
端正な顔には涙の跡が残っていて、目の下は赤くなっていて、華奢な腕ではとても強い力で俺を抱き締めている。
俺が守ってやらないといけないってのに………全く守ってやれなかった。それどころかこんな目にまで遭わせちまった。情けなさ過ぎる。
八幡「……シルヴィ、すまなかった。」
シルヴィア「……痛いよ、八幡くん。」
八幡「っ!シルヴィ!起きてたのか?」
シルヴィア「うん、たった今。」
俺は少し驚き、抱き締めていた腕を即座に離した。
シルヴィア「ゴメンね八幡くん。泣いた後寝ちゃったみたいだね。」
八幡「気にするな。泣き疲れたんだろ?少しスッキリした顔になってる。」
シルヴィア「うん……んっ…」
八幡「っ!!」
シルヴィが突然キスしてきた。何かを再確認するようなキスだった。5秒くらいすると、シルヴィの方から唇を離した。
シルヴィア「……八幡くんはさ、私の事捨てたりしないよね?」
八幡「当たり前だ。俺は絶対にそんな事しない。約束する。」
シルヴィア「そうだよね。」
八幡「葉山に言われたからか?」
シルヴィア「………不安になっちゃったのかな。直接聞かないと、ちょっとね。」
八幡「何度でも言う。俺はお前を愛している。もうシルヴィ以外の女には興味はない。」
シルヴィア「界龍にいる美人さんとかは?陽乃さんとか【神呪の魔女】とか【雷戟千花】とかは?後はオーフェリアさんとか……」
八幡「あの人たちは本当に仲間であって家族みたいな存在だ。今はな。オーフェリアは………よく遊ぶ相手が正確だな。確かに偶に見せる笑顔は良いが、恋愛対象としては見てない。俺が見てるのは、シルヴィだけだ。」
シルヴィア「………私の1番良いところは?」
八幡「笑顔だ。微笑みから満面の笑みまで全ての笑顔が好きだ。俺は何度もシルヴィの笑顔に救われてきた。」
シルヴィア「じゃあ、悪いところ。」
八幡「悪いところ……考えてみたが浮かばないな。あってもその部分も好きになってると思う。」
シルヴィア「………八幡くんにとっての私は?」
八幡「この先を行く人生において必要不可欠な存在だ。俺はシルヴィ無しでは生きて行けない気がする。」
シルヴィア「………100点満点中60点。まだ足りないのがあるよ。」
八幡「それは俺も分かってる。」
シルヴィア「じゃあ、それは何?」
八幡「これの事だろ?んっ……」
シルヴィア「んっ……」
俺はシルヴィの唇に俺の唇を重ねた。シルヴィは待っていたかのようにキスをした瞬間、目を閉じた。そして身体を委ねるかのように俺の方へと寄ってきた。シルヴィの方から抱きついて来ているのにも関わらずにだ。
シルヴィア「んっ……これなら100点満点中120点かな。充分過ぎる答えだよ。」
八幡「なら良かった。」
シルヴィア「ねぇ八幡くん。今日はここに泊まっていい?」
八幡「俺も聞こうと思っていたんだ。シルヴィが泊まりたいなら泊まっていけばいい。」
シルヴィア「じゃあ今日はよろしくね。」
八幡「あぁ。」
八幡sideout
星露side
星露「して陽乃。お主がいっておった事に間違いは無いのじゃな?」
陽乃「私がこの目で見て聞いた事なんだから、嘘言うわけないでしょ。それに、この事に関して嘘なんて言うわけないじゃん。」
星露「確かにそうじゃが念には念をじゃ。まぁお主がそんな奴でない事は分かっておる。実妹の縁まで切る程じゃからのう。」
陽乃「それはそうだけど、それなら八幡くんにも言ってよ。」
そうじゃったのう。しかし歌姫殿に接触するとはのう。聖騎士殿は何をしておるのやら。
星露「陽乃。確かお主の家と繋がりがあったじゃろう?応援は頼めんのかえ?」
陽乃「そりゃ考えたよ。でももうあの家とは縁を切ってるから、今更そいつらの息子を監視させるってのもなんかね〜。お母さんに悪いよ。」
星露「……そうか。今その葉山なる者を視ておるのはガラードワースだけという事かのう。」
陽乃「何?それってあいつが監視されてるって事?」
星露「言っておらなんだったか。まぁお主になら良いじゃろう。実は1年前ーーー」
妾は1年前に我が学院界龍とクインヴェール、星導館、ガラードワースの4学園でとある約束を作った事を話した。
陽乃「ふぅーん、要は1年前からずっとマークしてたんだね?」
星露「まぁのう。」
とはいってもこのザマじゃがな……
星露「どうじゃ陽乃。お主もこれに参加する気は無いかえ?」
陽乃「私はいいかな。自由気ままにしたいし。何よりも何かに縛られなくて済むしね。」
星露「お主らしいのう。まぁ良いわ。どうしてもというわけではないからのう。」
まぁその葉山とやら、次に八幡を侮辱した際には容赦せんがのう。