学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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学園祭 星導館編③

 

八幡side

 

 

 

 

 

バァンッ!……バキッ!

 

 

シルヴィア「よしっ♪後ひと〜つ!」

 

戸部「……べー。シルヴィアさん上手すぎっしょー……9発中9発は凄すぎっしょ。パーフェクトきてるわー。」

 

 

マジで凄いな。最初から5つ目なら俺でも当てられそうな大きさの的だが、6つ目からは上級者じゃなきゃ無理だぞ。最後の1つなんて指で丸を作るくらいの大きさじゃないか?

 

 

シルヴィア「これで当てれば料金無料で豪華賞品ゲットだね!」

 

八幡「もう充分過ぎるくらい豪華な景品は貰えそうだけどな。」

 

シルヴィア「手は抜きたくないからね〜。最後まで全力を出すよ。」

 

 

そう言ってから再び銃を構えるシルヴィ。中々様になってんだよなぁ。まぁシルヴィの戦闘スタイルは銃剣だからな。そう見えてもおかしくはないか。

 

 

シルヴィア「………」

 

 

シルヴィも流石に真剣だな……ていうか他の奴らまで見ちゃってるよ。いやいいんだけどさ、お客さん来てるからね?気づいてあげて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バァンッ!……バキッ!

 

 

シルヴィア「やったぁ!当たった〜!当たったよ八幡くん!」(ダキッ!)

 

八幡「お、おぉ……すげぇな。」

 

 

生徒1「マジかよ……あの大きさって煌式武装の撃たれる弾の大きさと同じくらいなのに……」

 

生徒2「信じられねぇ……」

 

戸部「パーフェクト決めちゃったわー。ベーわー。」

 

 

ホント驚きしかないよな。シルヴィアちゃんや、君天才じゃない?

 

 

シルヴィア「あぁ〜嬉しいなぁ!おっと、持ったままじゃ危ないよね。戸部くん、がっついてる訳じゃないけど、景品は何かな?」

 

戸部「っ!ビックリし過ぎて意識飛んでたわー。シルヴィアさんは料金タダとこの中から1枚くじを選んで欲しいっしょ!」

 

 

戸部が出してきたのは、金紙に包まれた正方形の箱だった。中は見えないように手を入れるところの内側に黒紙を張っていた。

 

 

シルヴィア「うーん、どれにしようかなぁ。」(ガサゴソ……)

 

 

……

 

…………

 

…………………

 

 

シルヴィア「これかなぁ。うーんと、『ホテル・エルナトの1週間宿泊券(空中庭園入場許可済)』だって!これって凄くレアじゃないかな!エルナトまでは分かるけど、空中庭園の入場許可まで了承済みだなんてどうやったの!?」

 

戸部「いやーシルヴィアさんついてるわー!その券俺たちのクラスが悪ふざけでお願いしてみたんだけど、『宿泊なら5枚で庭園許可が付いたものなら1枚の条件なら良い。』って許可してくれたんだべよ。頼んでみるもんだべ!」

 

 

いや、頼んで貰えるようなもんじゃないだろ。そしたらこん中にはこれの他にも後5枚あるんだよな?だとしたらすげぇ確率じゃん。

 

 

戸部「ちなみに後の5枚もこん中にあるから6枚中1番レアな景品を当てた事になるっしょ!シルヴィアさんマジ神引きだわー!」

 

シルヴィア「でも、これって1人用?」

 

戸部「ん?何でだべ?」

 

シルヴィア「だって私1人で泊まっても意味なんて無いよ。八幡くんと一緒じゃなきゃこんなの要らない。私だけ楽しむなんてやだよ。」

 

八幡「シルヴィ……」

 

戸部「そこは安心して欲しいっしょ!その1枚はホテル最高級のスイートルームで、宿泊人数は3人までだから比企谷くんが入っても大丈夫だべさ!」

 

シルヴィア「それなら大丈夫だね!八幡くん!春休みになったら泊まりに行こっ♪」

 

八幡「そうだな、そのくらいしか行く日程は無さそうだしな。」

 

シルヴィア「うんっ!」

 

 

券が当たって嬉しいのか、俺と行けるのが嬉しいのか分からないが、嬉しそうだから良しとしよう。

 

 

戸部「じゃあこれ、ホテルエルナトのチケットだから失くさないように気をつけるべ。」

 

シルヴィア「ありがとう!」

 

八幡「ありがとな、戸部。」

 

戸部「良いって事っしょ!バイバイっしょ、比企谷くん、シルヴィアさん!」

 

 

そして俺たちは戸部のクラスを後にした。

 

 

 

 

 

シルヴィア「♪〜♪〜」

 

八幡「嬉しそうだな。」

 

シルヴィア「そりゃそうだよ!また八幡くんと一緒に過ごせるから。」

 

八幡「いつも過ごしてるだろ?」

 

シルヴィア「場所が変わると雰囲気も変わるでしょ?そういう事だよ!」

 

 

まぁ、雰囲気は大事だよな。前のライブでのホテルでは………いや、やめておこう。

 

 

思い出したら恥ずかしくなる。

 

 

シルヴィア「その証拠に前のホテルでは……あっ///」

 

八幡「………思い出さないようにしてたのに、なんで言っちまうんだよ///」

 

シルヴィア「ご、ごめん……つい///」

 

2人「………/////」

 

 

なんか黙っちまったけど、シルヴィ微妙に嬉しそうな顔してんだよなぁ。いや、俺も嬉しかったけどさ、1時間もキスはヤバイからね?

 

 

シルヴィア「は、八幡くんっ!次何処行こうか!?」

 

八幡「お、おう!レヴォルフで少しだけカジノはどうだ?ほんの少しだけだ!シルヴィは変装してだ!」

 

シルヴィア「う、うん!少しだけギャンブルってしてみたかったんだ!じゃ、行こっか!」

 

 

そうしてシルヴィは自分だけ早歩きで行ってしまった。

 

 

八幡「あっ!おいそんなに急ぐなよ、危ないぞ。」

 

 

ドンッ!

 

 

シルヴィア「わっ!」

 

???「っ!」

 

 

ほら、言わんこっちゃない。

 

 

シルヴィア「す、すみません!ちょっと浮ついてたもので……」

 

???「いえ、お気になさらず……っ!シルヴィア・リューネハイムさん?」

 

???「わぁ〜本物のシルヴィア・リューネハイムだー!」

 

???「シルヴィアさん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………この声…………まさかぶつかったのがこいつらとはな。

 

まぁいい、気にせず行くか。

 

 

八幡「シルヴィ、だから言ったろ。危ないって。」

 

シルヴィア「ゴメンゴメン。」

 

雪乃「………比企谷くん。」

 

由比ヶ浜「ヒッキー……」

 

小町「……お兄……ちゃん。」

 

八幡「………よぉ、半年振りだな。」

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

……今の八幡くんの挨拶、なんかいつもより凄く冷たい。それに声が低かった。今も彼女たちを睨みつけるように見つめてる。

 

 

八幡「行くぞシルヴィ。」

 

シルヴィア「え?あ、うん。」

 

由比ヶ浜「ま、待ってよヒッキー!」

 

八幡「………何だ?俺は一刻も早く此処から居なくなりたいんだが?」

 

由比ヶ浜「私たちに何か言う事あるでしょ!」

 

八幡「はぁ?何の事だ?」

 

雪乃「惚けないでもらえるかしら?貴方、私たちに何をしたのか分かってるんでしょう?」

 

八幡「分からんな。俺が何をしたのか一から十までまで教えてくれないか?」

 

雪乃「一から十まで言わないと分からないのかしら?目が治ったと思ったら、今度は頭が腐ってるのね、腐敗谷くん。」

 

 

………この人、今なんて言ったの?腐敗って言ったの?

 

 

八幡「俺の頭が腐ってるんなら、お前らの頭は猿の頭だろうな。やる事が分かり易すぎるぞ。単細胞生物なのか?なら猿に失礼だったな。」

 

雪乃「っ!!貴方ねぇ!!」

 

八幡「お前らが言いたい事なんて分かってるよ。どうせ文化祭や修学旅行、そして鳳凰星武祭でやった事を謝罪しろって言いたいんだろ?」

 

雪乃「えぇ、そうよ。分かってるのなら早くしなさい。」

 

由比ヶ浜「早くやれし、ヒッキー!」

 

八幡「何故やる必要がある?俺が何か悪い事をしたか?お前らの自業自得だろ?」

 

由比ヶ浜「だからってあんなにしなくてもいいじゃん!私たち大変だったんだから!」

 

雪乃「貴方には分からないでしょうね。私たちがどれだけ惨めな思いになったか……」

 

八幡「その惨めな思いになったのは俺も一緒だがな。お前らよりも早く経験してんだよ。まぁ、見て見ぬ振りをしてたお前らにはちょうど良いお灸だと思うぞ。」

 

八幡「言っとくけどな、あまりナメた事言ってんじゃねぇぞ。謝れだぁ?俺のやった事の何処に謝る要素がある?何だったら今すぐ鳳凰星武祭の事をバラしてやってもいいんだぞ?そうしたらお前らは終わりだけどな。」

 

雪乃「………相変わらず卑怯な手を使うのね。セコ谷くん。」

 

由比ヶ浜「ヒッキー女の子にそんな事するなんてマジサイテー!」

 

八幡「六花の世界は実力主義だ。そこに男も女も関係ねぇよ。テメェらが俺より弱ぇだけだろ。お前らのおつむじゃ理解出来ないだろうがな。」

 

2人「………」

 

 

八幡くんがドスの効いた声でそう言った。彼女たちは黙り込んでしまった。でも、もう1人の子は何も喋ってない。

 

 

八幡「……今回関わった事は見逃してやる。だが次は無いぞ。」

 

シルヴィア「あっ……」

 

 

八幡くんは私の肩を抱いて歩き出した。私はそれについて行くしかなかったけど、後ろからまた声がした。

 

 

小町「お兄ちゃん!」

 

八幡「………」

 

小町「お兄ちゃん……私たちって、もう………やり直せないの?」

 

八幡「んな当たり前な事聞くな。無理に決まってんだろ。言ったはずだ。家族よりも他人をとる奴なんかはお断りだとな。」

 

小町「………」

 

 

八幡「シルヴィ、行くぞ。」

 

シルヴィア「う、うん。」

 

 

その時の八幡くんは、全く感情が読み取れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戸部の喋り方難しいです。ですが、これで星導館編終了です!次はレヴォルフですが、どのくらいにしようか悩んでます。


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