八幡side
ヒソヒソ……ヒソヒソ……
八幡「………なぁシルヴィ、物凄く落ち着かないんだが……」
シルヴィア「しょうがないよ。此処は女学園でしかもその女の子の住んでる寮のど真ん中に八幡くんがいるわけなんだから。」
八幡「いや、確かにそうだが……これなら行くなんて言わなかった方が良かったか?」
シルヴィア「それでも私は連れて来ると思うよ。」
八幡「何でだ?」
シルヴィア「八幡くんと2人きりで過ごしたいからね。言い方少し悪いけど、今は八幡くん以外とはいたくないから。」
ハッキリ言うね。まぁ俺も一緒なんだけどね。
シルヴィア「あっ、そうそう!八幡くんのファンクラブのサイトさっき見てみたんだよね。」
八幡「……あぁ、確か10月のライブん時のファンの人が世界に500000人いるって言ってたな。だが、そのサイトがどうした?」
シルヴィア「八幡くんのファン、かなり増えてたよ。」
八幡「………は?」
え?どゆこと?俺別に何もしてないよ?10月から今日まで何もしてないよ?鍛錬くらいだよ?
シルヴィア「鳳凰星武祭とライブの件もそうなんだけど、もう1つあったんだって。」
八幡「………それは?」
シルヴィア「記者会見での……告白/////」
……………納得出来るような出来ないような複雑でよく分からん理由だな。
シルヴィア「ファンの数は全世界合わせると800000人だった。掲示板を見てみたら『大胆な告白にキュンと来た。』『こんな告白されてみたい!テレビでは嫌だけど。』『堂々と愛を語れる所が凄い!』だって。」
八幡「………俺を認めてくれてるのは嬉しいが、ファンクラブなんて作る意味あるのか?」
シルヴィア「心掛けの問題じゃないかな?最初は何となくで作った結果、今は全世界からもファンを集める程だからね。一番のファンって誰なんだろうね?」
ちょうどうでもいい。
ーーーシルヴィアの部屋前ーーー
シルヴィア「着いたよ。此処が私の寮部屋。序列1位だから個人部屋なんだ。」
八幡「その辺は俺と同じだな。」
シルヴィア「じゃあ中に入ろっか。」
八幡「なぁ、今から入る前に言うのも何だが、男の俺を入れても大丈夫なのか?」
シルヴィア「何で?八幡くんだから入れるんだよ?他の男の人なんて絶対に入れないよ。」
………愚問だったか。
八幡「……分かった、もう何も言わない。」
シルヴィア「うん。じゃあ中に入ってライブが始まるまでゆっくりしてよっか。」
よくよく思えば、俺って女子の部屋って入った事ないんだよな。シルヴィの家?あれはなんか俺の第2の家って感じだからそんな感じはしないな。それに、あの家に帰った時はいつも一緒に寝てるからな。
そんな事を思っていると、シルヴィアが扉のロックを解除して扉を開けた。
中は女子特有の良い香りが漂っていた。
内装は落ち着いた感じで整っていて、音楽に関する本が沢山入った本棚があり、序列上位者特有の大きいベッド。クインヴェールではカーテンが付いているようだ。
3人は座れるくらいのソファがあって、その前にはスピーカーのついたテレビ。その下には映像などを見る為の装置も常備されていて、その近くにはヘッドホンも綺麗に置かれている。テーブルの上には端末があり、あれで操作出来るのだろう。
デスクの方には小さいラジカセがあって、そこにもヘッドホン。音楽は好きでも個人で聴くのが好きなタイプなのかな?シルヴィアさんは?
うん、やっぱ界龍とは違うな。
八幡「綺麗な部屋だな。やはり界龍とは違うな。気品を感じる。」
シルヴィア「やめてよ〜、普通だよ。」
八幡「俺たち界龍の部屋はこういう近未来的な物が無いからな。テレビはあるけどな。」
シルヴィア「何せ自動販売機が無いくらいだもんね〜。あれは面白かったよ。」
八幡「俺からしてみれば笑い事じゃないんだが?」
シルヴィア「ゴメンゴメン!でも本当に面白かったんだよ!1日でお茶とお水以外売り切れたって本当に面白くって……ふふふ。」
俺たちはそんな話をしながらソファに掛けた。
シルヴィア「………思ったけど、私たちがあの家以外で2人きりになる機会ってそんなになかったね。」
八幡「言われてみればそうだな。界龍の俺の寮っていっても人はかなり出入りしてたから、2人きりとは言い難いな。」
シルヴィア「でも、なんかこの雰囲気思い出すなぁ……///」
あぁ、そういう事か。10月のライブが始まる前のホテルでの出来事か。
八幡「………流石に今はダメだからな?」
シルヴィア「分かってるよ!でもさ、少しならいいよね?///」
八幡「あのなぁ、10月の時少しと思っていたら何時間経ってた?」
シルヴィア「……1時間半です/////」
八幡「そうだ。俺もしたくない訳じゃないが、大事なライブ前なんだ。遅れたら大変だろ?」
シルヴィア「うぅ、確かに……///」
八幡「だから終わったらする。それでどうだ?」
シルヴィア「う、うん///」
………
………………
……………………………
何だろう、凄くシルヴィに見詰められてる。目を潤して頬も赤く染め、少しだけ息遣いも荒かった。
八幡「………シルヴィ、嘘だよな?」
シルヴィア「ごめん八幡くん。キス……したくなって来ちゃった/////」
おいー!?今言ったばかりだよな!?キスはライブが終わってからにするって!
シルヴィア「ねぇ八幡くん、今じゃダメかな?私、今がいいよ/////」
八幡「い、いや……だが……」
シルヴィア「すぐに終わるから!絶対!満足したらすぐに終わるから!」
………ライブまでは2時間……微妙だ。この前は1時間半だったからな。
シルヴィア「………」
………もう、これしか無いよな。
八幡「……シルヴィ、今から俺はお前にキスする。けど1つ言うぞ。俺は自己満足で終わるが、それでもいいか?」
シルヴィア「八幡くんからしてくれるの?本当に?」
八幡「………あぁ。」
シルヴィア「……勿論だよ。君からしてくれるなんて、これなに嬉しい事はないよ///」
………ヤバい、俺もマジでキスしたくなってきた。本気でやるか。
八幡「じゃあやるからな?一応タイマーもセットしてあるから大丈夫だとは思うが。」
シルヴィア「うん……目一杯キスしていいからね/////」
その後は獣と例えられてもいいくらいお互いにキスを求め合った。唇を交わした後に、次は舌を合わせ、離すと銀色の糸が出来ていた。
これは俺がまだ意識していた時なんだが、シルヴィと濃厚キスをしている際に、シルヴィの喉辺りがコクコク鳴っていたのは気のせいだと思いたい。
ヤバい………後半ドロッドロに甘い。