この回ではあの子たちの登場です!
八幡side
ピピピピピピピッ!!
ようやく鳴ったタイマー。俺が今待ちに待ち望んでいたものだ。1時間半前、俺とシルヴィは場の雰囲気とお互いの雰囲気もあってか、キスをする事になった。啄ばむようなキスから普通のキス、この先は皆の想像に任せる事にしよう。
そして今だ。キスは終わったかに思えたが……
八幡「んん……くちゅ、んん……ちゅる///」
シルヴィア「んん〜……ちゅううう……コクッ、コクッ……ちゅっ/////」
どんどんエスカレートしていってる気がする。しかも皆さん聞いた?『コクッ』って言ったよ?シルヴィの口から。主に喉からだけど。多分じゃないけど、確実に飲んでるよな。何がとは言わないからな?
八幡「………はぁ……シルヴィ、そろそろライブの時間だ。タイマーも鳴ったぞ///」
シルヴィア「んん……ぷはぁ……はぁ……はぁ……後でまたキスしてくれる?/////」
八幡「……今みたいなキスでなければいいぞ。」
シルヴィア「分かった。じゃあ準備するね。」
………制限はつけれたものの、どうしよう。嫌な訳じゃないが、またキスするのか。
ーーー5分後ーーー
シルヴィア「よしっ!これで完了!」
八幡「まぁ準備するといっても、髪整えるのとメイクくらいだったから早かったな。」
シルヴィア「特にする事は無かったからね。簡単なメイクとか髪型を整えるくらいなら出来るよ。」
八幡「そういや、何歌うのかは決めてるのか?」
シルヴィア「『Break Beat Bark!』って曲だよ。知ってる?」
八幡「いや知らないな。シルヴィが歌う曲だ。良い曲なんだろう?」
シルヴィア「うん。八幡くんも気に入ると思うよ!」
なら今度調べて聴いてみるか。
シルヴィア「じゃあ八幡くん、そろそろ移動しよっか!あっ、八幡くんも舞台裏に入れるようにペトラさんに言ってあるから大丈夫だからね!」
八幡「俺だけ超優遇過ぎない?」
シルヴィア「だってクインヴェール最大のゲストだもん!」
“君の”じゃなくて?
ーーーステージ舞台裏ーーー
生徒1「あっ、会長!待ってました………え!?【夢幻月影】!?」
シルヴィア「うん。聞いてるでしょ?彼が来たら通してもいいって。」
生徒1「た、確かに聞いてましたけど、まさか本当に来るなんて……」
八幡「ん?迷惑だったか?」
生徒1「い、いいいいえとんでもありません!むしろ大歓迎です!転校してきても構いません!」
八幡「それは無理だ。
生徒1「あっ!!そ、そうですよね〜。」
シルヴィア「八幡くん。一応言っておくけど、クインヴェールにも八幡くんのファンって居るからね。それも半分以上。」
半分以上!?
シルヴィア「流石に様付けする人は限られてるけど、私のクラスでもいるんだよ?八幡くんを様付けする人。」
八幡「マ、マジか……」
シルヴィア「しかも、会いたい会いたいって毎日言ってくるんだから!本当なら会わせたくないんだけど、今日は特別だからね!」
………俺に八つ当たりしてないよな?
シルヴィア「それで、今はどうな状況?」
生徒1「は、はい!今ちょうどルサールカが終わったところです!20分後に会長の予定です。」
シルヴィア「ありがとう。じゃあ八幡くん、行こっか!」
八幡「あぁ。」
生徒1「会長、頑張って下さ〜い!」
ーーー控え室ーーー
シルヴィア「ライブが終わった後に楽しみがあるのは良いんだけど、クラスやファンの皆に合わせるのはちょっと気乗りしないなぁ。」
八幡「そのファンってあれに登録してるのか?」
シルヴィア「してる子もいれば純粋なファンって子もいるよ。殆どの場合は戦いの方でファンが出来るものだけど、八幡くんの場合、会見とライブでファンを作っちゃったんだよね。大胆だけど堂々とした告白、歌唱力はプロ顔負けの声、実力だって界龍の序列2位を獲得する程の腕、顔だって凄くかっこいい。こんな女の子にとって理想的ともいえる人を放って置く訳ないよ。」
八幡「言われて悪い気はしないが、俺って今までかなりやらかして来たんだな。」
シルヴィア「むしろ自分から目立ちに行ってるよね。八幡くん半年以上前はなんて言ってたっけ?確か平穏に過ごしたい……だっけ?」
八幡「………もう無理だな、出来るわけがない。」
シルヴィア「あっはは、そうだね♪」
そんな事もあったな……確かにシルヴィの言う通りだな。自分から目立ちにいってるな。
ガチャッ!
トゥーリア「おっすシルヴィア!応援に来たぜっ!」
ミルシェ「来たよー!」
マフレナ「お2人共、ノックを忘れてますぅ〜……」
パイヴィ「言っても無駄だと思う。」
モニカ「そうね。」
………なんかうるさそうなのが2人と大人しそうなのが1人、少しだけ暗そうなのが1人と年齢に不釣り合いなのが1人、計5人が入って来た。
シルヴィア「ライブご苦労様。見てなかったけど、歓声が聞こえてたから良かったんだね。」
八幡「シルヴィ、この5人は?」
シルヴィア「あぁ、紹介してなかったね。彼女たちはガールズロックバンドチームの『ルサールカ』だよ。ついでに言うなら、今年の《獅鷲星武祭》の出場チームでもあるんだよ。」
ほう……
トゥーリア「ちょっとあんた!!」
八幡「あ?俺?」
トゥーリア「他に誰がいんのよ!!此処はクインヴェール女学園の控え室よ!何で男のあんたがいるのよ!?」
八幡「……ペトラさんから話は通ってるんじゃないのか?」
シルヴィア「えーっとね?つまり彼女たちの大半は頭が少し弱いんだ。」
八幡「成る程、つまり脳筋が多いと?それとも純粋にバカ?」
トゥーリア「あんた好き放題言ってくれるじゃない!?私の何処がバカだっていうのよ!?」
いや、そういうところだと思うよ?
マフレナ「み、皆さん落ち着いてください!ペトラ理事長から今朝お話があったでしょう!?もし界龍の序列2位【夢幻月影】の比企谷八幡さんがいらしたら、通すようにと。」
モニカ「そんな話もしてたわね。という事は彼が【夢幻月影】なの?」
八幡「それ以外此処にはいられないと思うが?それ以前にシルヴィと同室に居られるわけもないだろう。」
ミルシェ「そうだよねー!君があの【夢幻月影】かぁ……よろしく!私はミルシェ!クインヴェールの序列3位で、担当はボーカルとギターだよ!」
モニカ「私はモニカ。序列13位でベースを担当してるわ。」
パイヴィ「パイヴィ……序列は9位でドラム担当。」
マフレナ「私はマフレナと言います!序列入りはしてません。キーボードを担当しています。よろしくお願いします。」
トゥーリア「……トゥーリア。序列20位でギター担当。」
何ともまぁバラバラな性格だな。
八幡「俺は比企谷八幡だ。序列2位でシルヴィとのデュエットボーカル担当だ。」
モニカ「何よそれ?」
八幡「シルヴィアと歌えるのは、後にも先にも俺しかいないって事だよ。」
だってそうだろ?ペトラさんが誰もOKしないんだから。
シルヴィア「まぁ、口が乱暴な子もいるけど、良い子たちだから仲良くしてあげてね。」
八幡「その機会があればな。それに今のところ仲良く出来そうなのはマフレナとパイヴィくらいだな。」
マフレナ「え?私……がですか?」
パイヴィ「どうして?」
八幡「マフレナはいつも苦労してんだろうなーって思ったら、なんかな。パイヴィは性格に親近感が持てる。」
シルヴィア「意外と単純な理由だね。」
別にいいだろ?遠くの人程身近な関係だったりするんだから。
ルサールカとの対面でしたが、そんなに描写がなかったですね。