学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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学園祭 クインヴェール編④

 

 

シルヴィアside

 

 

あぁ〜終わった!本日のライブ終了!クインヴェールのメインイベント終了!お疲れ様でした!でも、売店とかは明日もやってるからね!

 

今更だけど、1人で何を心の中でブツブツ言ってるんだろうね?

 

 

コンコンッ

 

 

シルヴィア「ん?はーい!」

 

八幡「よう、シルヴィ。」

 

シルヴィア「八幡くん!」

 

 

真っ先に来てくれたのは八幡くんだった。嬉しいなぁ。

 

 

シルヴィア「どうだった?私のライブ。」

 

八幡「歌う側と見る側がこんなに違うとは思わなかった。今まで歌う方だったから、シルヴィが輝いてみえた。」

 

シルヴィア「そんな大袈裟だよ///でもありがとう♪」(ニコッ)

 

 

八幡くんはずっと穏やかな顔をしながら私の方を見ている。

 

 

シルヴィア「えいっ!」(ダキッ!)

 

八幡「おおっ……どうしたんだよ急に?ビックリしただろ?」

 

シルヴィア「えへへ、急にしたくなっちゃって。ダメかな?」

 

八幡「構わねぇよ。ただ、クインヴェールの店も回りたいから早めに頼むな。」

 

シルヴィア「はーい♪」

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

シルヴィア「もういいよ、ありがとう。」

 

八幡「結構長い事やってたな。」

 

シルヴィア「それだけ八幡くんの抱き締め方が上手という事だよ。」

 

八幡「抱き締めるのに上手いも下手もないだろ。」

 

シルヴィア「いいじゃん別に!八幡くんはそういうスキルが高いんだから!」

 

八幡「いらんスキルだな。」

 

シルヴィア「ほ〜ら!早くしないと時間になっちゃうよ!」

 

八幡「これ絶対俺が言う台詞だよな?何で俺が言われてるんだ?」

 

 

だって頭ナデナデしてくれなかったんだもん!

 

 

ーーークインヴェール・中庭ーーー

 

 

八幡くんと会ってから20分、私たちはクインヴェールの中庭に来ている。クインヴェールは教室内でお店をやることもあるけど、中庭でやるのが主流になってきてるんだ。

 

私が外でやっても良いんじゃないかって話したら、他の子たちも真似し始めて今に至る。そしてクラス以外でも、個人やグループで活動している子たちは自分たちを売り出す為にグッズを作って売っているたりもする。

 

私が人気じゃない頃もあんな事してたなぁ。ただ、教室内だったから売れ行きは全然だったけどね。それでも序列を上げていって、ライブでも良い結果を残せたからこそ、今の立場や人気があるんだよね。

 

うん、改めて周りの人たちには感謝だね。

 

 

シルヴィア「さて、どうしようか?」

 

八幡「出店を見てみたいとは思っていたが、本当に女ばっかりだな。男なんて少ししかいねぇな。」

 

シルヴィア「そりゃあね。さっきはライブがあったから集まっただけで、他は特に何もって感じだからね。」

 

八幡「薄情というかシビアだな。どの業界でも大抵そうなんだけどよ。」

 

シルヴィア「仕方ないよ。何処の社会も実力は伴ってくるからね。」

 

 

食うか食われるか、アイドルや歌手はそんな世界でもあるからね。今の私は上の存在がいないから食われる方だけど、まだ私に噛み付いてくる子はいない。私が引退するまでに出てくるかな?

 

 

八幡「まぁ、気になったものがあったら見ていくって事にするか。」

 

シルヴィア「うん、分かった。」

 

 

 

 

???「あっ!シルヴィアさん!」

 

???「あら、本当ですね。」

 

 

前の方から、私の後輩の子たちがやって来た。

 

 

シルヴィア「あぁ、美奈兎ちゃんに柚陽ちゃん。こんにちは。」

 

柚陽「こんにちはシルヴィアさん。そちらの男性は何方ですか?」

 

美奈兎「見かけない顔ですね?」

 

シルヴィア「あれ?知らないかな?結構有名だよ?私たちの業界でも。まぁ2人はアイドルじゃないから分からないか。」

 

シルヴィア「紹介するね。此方は界龍第七学院の比企谷八幡くんだよ。」

 

八幡「比企谷八幡だ。まぁ宜しくな。」

 

柚陽「っ!!……これは驚きました。まさかあの【夢幻月影】が来校していただなんて……そういえばシルヴィアさんの恋人でもありましたね。私は今年の春にこの学園に入る事になりました、連城寺柚陽(れんじょうじゆずひ)と申します。界龍の序列2位にお会い出来て光栄です。」

 

美奈兎「これは凄い人が来てるね〜!!あっ、私は若宮美奈兎(わかみやみなと)っていいます!クインヴェール女学園高等部1年です!」

 

 

うんうん、自己紹介も出来たみたいだね。

 

 

八幡「若宮の方は分かるが、何でシルヴィは連城寺の方も知ってるんだ?まだ入学前だろ?」

 

シルヴィア「私も生徒会長だからペトラさんから新入生の書類を貰ったりするんだ。そしたら驚いちゃったよ。柚陽ちゃんは綾斗くんの使ってる剣術と同じ流派で弓術の使い手なんだって。」

 

八幡「確か《天霧辰明流》だったか?」

 

柚陽「はい。私は天霧辰明流の分家道場で弓術の手ほどきを受けて、弓術の奥伝を修得しました。次は極意を習得する為に六花へ来ました。」

 

八幡「ほう……奥伝を修得してるのか。なら弓の腕前は相当なんだろうな。それに【叢雲】の分家筋なんだ、武術の方も心得があるんだろ?」

 

柚陽「いえ、私は体術などはからっきしで。元々体力があまり無いので。」

 

 

私も驚いちゃった。弓があれだけ出来るのに、まさかの運動音痴とはね。

 

 

柚陽「明日の講習会には参加する予定ですので、その時はよろしくお願いします。」

 

八幡「俺の武術でよければな。【叢雲】の道場の体術は分からんが、役に立つとは思うぞ。」

 

 

その後、私たちは話しながら学園の中庭を見て回った。その際に八幡くんはクインヴェールの生徒たちから物凄い視線を感じてたみたい。理由は此処が男子禁制なのもあるけど、あれだけの事をしたら、女としては無視なんてできないよね///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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