あまり期待していたような感じにはなってませんが、どうぞ。
シルヴィアside
シルヴィア「はっ……はっ……」
さっき見たあの顔、見間違えるはずがない。あの顔は間違いなく私の歌の先生で体術の稽古もつけてくれた人。
やっと見つけた……長かったけど、この数年間探して来た甲斐があった!まだ八天門場に居るはず!急がなきゃ!
ーーー八天門場・門前ーーー
シルヴィア「……やっと着いた!」
私はありったけの星辰力を使って門を一気に開けた。
シルヴィア「ウルスラッ!!」
八幡「ん?どうしたシルヴィ?」
そこに居たのは八幡くんだけだった。
シルヴィア「そ、そんな……八幡くん!お客さんはもう皆出しちゃったの!?」
八幡「あぁ、留めておく理由もないからな。どうしてだ?」
そんな………やっと見つけたと思ったのに……
八幡「……そういや、まだ居たわ。2名ほど。」
シルヴィア「………え?」
八幡「ほら、あそこ。」
八幡くんが指差している方を見ると、そこには舞踏会の仮面を被ったベージュ色の髪をした男の人と、ウルスラが居た。
シルヴィア「っ!!ウルスラッ!!「待て、シルヴィ。」っ!?どうして!?」
八幡「男の方は正常な気の流れをしているが、女の方は全く気が流れていない。目を見ても分かる。ありゃ操られてる。」
え!?どういう事!?
???「ほう……そこまで彼女の……いや、彼の状態が分かるとはね。流石は次期万有天羅なだけはあるね。」
八幡「お前もその腰にぶら下げてるもん隠してないで出したらどうだ?そいつはレヴォルフが所有している
???「……バレてしまっては仕方ないね。なら早速本題に入ろうか。」
八幡「本題?」
???「比企谷八幡、オーフェリア・ランドルーフェンを手放してもらおう。」
八幡「俺が何の理由も無しに、はいそうですかと言うとでも思ってるのか?豚の差し金か?」
???「いや。そもそも豚とは誰たい?」
八幡「………まぁいい。それよりも訳を言え。」
???「彼女の力が必要だからさ。そうでなければ健気にこんな場所へは来ない。そうだろう?」
……この人たち、オーフェリアさんを?
シルヴィア「………オーフェリアさんを使って何をする気なの?」
ウルスラ?「それを貴様らに言う理由はない。さぁ、どうするんだ?」
八幡「んなもん断るに決まってんだろ。俺は訳を言えと言ったんだぞ?力が必要だからってのは当たり前だろうが。内容を言えってんだよ。」
ウルスラ?「図に乗るなよ?小僧。」
いつの間にかウルスラが目の前にいた。私に何かする気なのだろうか、私の方を狙っていた。
ウルスラ?「ならば、貴様の1番大切なものを奪えば、話が早いだろう。」
シルヴィア(ま、間に合わない!!)
私はおもむろに目を瞑った。何をされるかなんて全く分からない。けど、いつまで経っても何かをされる気配どころか、触られる様子もなかった。
目の前に掴みかかろうとしているウルスラがいるけど、何かに止められていた。ウルスラの足元を見たけど、影は伸びてなかった。
八幡「お前バカだろ?そんな事言われて俺が何もしないと思ったか?」
私は八幡くんの方を見たら姿が変わっていた。そんなに変わりはなかったけど、さっきまで無かった緑色の腕と足に着ける防具(籠手と脚絆)に薄黄色の胸当を着けていて、八幡くん自身から緑色の煙が出ていた。多分だけど憑霊だと思う。
よく見たら、私の目の前に八幡くんの呪符と同じマークが刻まれていた。確か……八卦だったかな?
八幡「憑霊……堅牢陣・大蛇丸。お前らにこの結界が破れるか?破れるもんなら破ってみろ。」
ウルスラ?「……くっ。」
ウルスラが苦い顔をしていた。きっと八幡くんの結界の方が強いって分かってるんだと思う。
???「……ヴァルダ、戻って来るんだ。」
ウルスラ?「………」
八幡「成る程な、それがお前の正体か。ヴァルダ・ヴァオス、何処の学園にも所有記録のない純星煌式武装でもう存在してないとも言われていたが、まさかその首飾りが正体だったとはな。」
ヴァルダ「………いつ気付いた?」
八幡「気付いたのは今だ。だが首元から違和感があったのは最初から気付いてた。つー事は、お前のその首飾りを取っちまえばいいって事だよな?」
シルヴィア「じゃあ!」
八幡「あぁ、お前の言っていたウルスラって人の意識が戻る。」
シルヴィア「っ!!………分かった。」
なら早く目を覚まさせてあげなきゃ!
八幡「んでどうする?俺としてはこのまま穏便に終わらせたいんだが?」
シルヴィア「!?八幡くんどういう事!?」
八幡「ハッキリ言うぞ。俺は今お前がウルスラを助ける事に反対だ。言い方を良くしても危険過ぎる。」
そんな!?
???「我々としては願ってもないことだけど、交渉は決裂って事かい?」
八幡「訳も聞いてねぇのに承諾なんざ出来るか。言っておくが、オーフェリアをやる気なんてこれっぽっちもないからな。」
???「……困ったね。でも、今回のところは退散させてもらうよ。」
八幡「俺としてもその方が助かる。今の状態じゃあ互いに人質を取られるようなものだからな。それともう一つ言っておくぞ。」
???「なんだい?」
八幡「正体を隠すならもっとちゃんとした仮面つけた方が良いぞ?俺からしてみれば正体を言っているようなものだからな。」
???「………」
八幡「まぁ、今回は素直に引いてくれるみたいだから正体はバラさねぇよ。」
???「………」
八幡「俺、前の趣味が人間観察だったからよ。特徴とかそういうのを見るのが得意だったんだが、今では声とか髪でも誰だってのが分かるんだよ。次会うときはもっとお洒落して来るんだな。」
???「……君にはこの姿も見られてるからもう無理だろうね。」
八幡「ふっ、違いないな。」
2人は軽口を叩き会っていたけど、互いに1回も目を離していなかった。
でも八幡くん………
何で……何で止めたのさ!!