雪乃side
雪乃「それで、由比ヶ浜さんはどうだったかしら?何か分かった?」
由比ヶ浜「うーん……ごめんゆきのん、全く分かんなかった。だってそんな風にしてる所なんて見当たらなかったから。」
雪乃「……そう。でも気にしないで、私も分からなかったから。ても、一体如何やって如何様をしたのかしら?何かをしているようにも見えなかったわ。普通に武術の演武をしているようにしか見えなかったわ。」
由比ヶ浜「もしかしたらさ、今回はズルをしなかったって事じゃない?だって学園祭でする意味なんてないし。」
雪乃「………言われてみればそうね。星武祭なら分かるけれど、学園祭で本気を出す意味なんて無いものね。盲点だったわ。」
由比ヶ浜「多分だけどさ、同じ所でまたやるんじゃないかな?ほら、次は《
………由比ヶ浜さんが此処まで的確な事を言うなんて………明日は氷でも降るのかしら?
雪乃「でも私たちに《獅鷲星武祭》は難しいわね。今回は流しましょう。来年の《
由比ヶ浜「そうだね!あと2年くらいあるからそれまでの間沢山練習しよっか!」
雪乃「……えぇ、そうね。」
待ってなさい逃げ谷くん、2年間貴方を自由にするけれど、2年後に貴方の上に立ってるのは私たちよ。
雪乃sideout
小町side
………本物のお兄ちゃんかどうかは分からなかったけど、本当に別人だった。《鳳凰星武祭》で会った時は本当に少しだったから分からなかったけど……今なら分かる。
前みたいな濁りまくって腐った目をしていたゴミィちゃんじゃなくて、黒く澄んだ目をしていた。
小町「……お兄ちゃん、カッコよくなってたなぁ………でも、もう……」
関わり合う確率すら絶望的だし、そもそも会えるかどうかも分からない。
同部屋女子「……小町ちゃん、この半年本当に元気ないけどどうしたの?」
小町「……実はさ、私ってお兄ちゃんが居るんだけど、喧嘩っていうか絶縁されちゃって。」
同部屋女子「それって……半年前から?」
小町「うん……そのお兄ちゃんがさ、界龍の序列2位の比企谷八幡なんだ。大体予想はついてたでしょ?」
同部屋女子「……やっぱりそうだったんだ。兄妹だったんだね。でも何があって……ううん、聞くべきじゃないよね。それで、小町ちゃんはどうしたいの?」
小町「そりゃ謝りたいよ。仲を取り戻したい。でも私のやってきた事が重過ぎるからさ、許してもらえるかも厳しいというか……」
同部屋女子「………でもさ、悪いと思ってるんだったら素直に謝ってみたら?もしかしたらって可能性もあるんじゃない?」
小町「………でも私ね、【孤毒の魔女】も敵に回してるんだ。」
同部屋女子「……………本当に真摯に謝るしかないよ。私にはそれくらいしか思いつかないよ。」
………謝る、かぁ。
お兄ちゃん、許してくれるかな?
小町sideout
葉山side
くそっ……比企谷のせいで初の学園祭が台無しだ。しかも生徒会からも尋問を受けてしまうし、散々だった。まぁ幸い、本命の《獅鷲星武祭》の出場は取り消してはもらえなかったから良かった。
サンドイッチが捨てられていたのは幸運だった。もしアレが残っていたら俺はここには残っていられなかっただろうね。捨ててくれた人には感謝だな。
だが比企谷、この借りは倍以上にして返してやる。お前が俺を陥れたように、俺もお前を地獄に落としてやるから覚悟しておくんだな。
葉山「……だがまだ半年ある。その間に何か対策を立てておかないとな。あれだけのズルをするんだ、相当な策を練っておかないとな。」
だがどうする………それも半年以内に考えておかないとな。ふっ、《獅鷲星武祭》がたのしみだ。
タイトルの意味は
『より増えた憎しみ』
『謝りたい思い』
の2人をテーマにしてます。