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この3人が関わりを持つようになって1年が過ぎた。月に1度の報告はあるものの、直接会うような事は指で数えるくらいしか無かった。(このSSでは2回目。)
今日この場で集まったのは、葉山隼人の現在の実力についての事だが、実際はどうなのだろうか。八幡とクローディアは公式序列戦の映像でしか実際の戦闘を見てない為、何とも言えないのが現状だ。つまりはアーネストの情報だけが唯一の頼りとも言っても過言では無い。
アーネスト「……さて、この場を設けたからにはじっくり話し合いたいところだけど、ミスエンフィールドはこの後すぐに試合だからね、僕も葉山君の試合が気になるから早めに終わらせる事にしようか。」
八幡「えぇ、その方が良いですね。」
クローディア「では聖ガラードワース学園の生徒会長に単刀直入にお聞きします。貴方から見た葉山さんの動きはどうなのですか?率直な意見をお聞かせください。」
アーネスト「……正直に言うと、変幻自在が1番分かりやすいね。彼が序列戦に出てきたのは去年の10月からだけど、異常に伸びたのはついこの前の3ヶ月前……それに、序列戦を始めた10月から毎月出るわけでも無かった。並行して彼が申請した模擬戦場の貸し出し記録も調べまでみたんだけど、彼の名前は《獅鷲星武祭》の練習か2週間に1回しか名前が残されていなかったんだよ。」
八幡「それ以外に鍛錬する場所だったら、ガラードワースならいくらでもあるんじゃないですか?決闘が禁止でも鍛錬だけならアリだと思いますけど。この前の学園祭で行った時も、そういう空間はかなりありそうに思えました。」
アーネスト「確かに我が学園は決闘禁止を遵守している。そこに鍛錬は含まれていないから、場所さえ確保出来れば鍛錬は可能だろうけど、それだったら葉山君のみならず他の生徒もやっている筈だからね。正直、葉山君だけがそんな事をしているとは考えにくいよ。そうだったらすぐに噂になってる筈だからね。だけどそんな噂が僕の耳に入ってきていないという事は。そうじゃないって事だからね。」
アーネストの論は理に適っている。それは八幡とクローディアも理解しているだろう。
だが、だからこそ不思議であって疑わしいのだろう。何もなく過ごして来た者が、突然強くなどなれるだろうか?短期間で強くなる方法、知っているのだとすれば誰もが欲しがる方法だろう。八幡のように、実力ある人物から師事されているのであれば話は簡単だが、葉山隼人にはそのような人物の影すら無い。
クローディア「だとしたら余計に分からなくなってきましたね。どうして彼がこの短期間でここまで強くなれたのか……純粋に練習に打ち込んで強くなったのか、何か偽りの力を手にしたのか、または………」
八幡「誰かに協力を仰いだ、か?」
クローディア「……えぇ。ですが、これはあまり考えられないと思っています。」
八幡「あぁ、俺もそう思ってる。理由なんて簡単だ。」
アーネスト「うん、僕も同意見だよ。」
3人が何故同一の意見かというと……
『葉山(葉山さん)(彼)にそんな人脈あるとは思えねぇ。(思えません。)(思えないからね。)』
っという至極単純明快な理由によるものだった。
アーネスト「それじゃあ、今日は葉山君の試合を観て何かを得るしか無いね。僕は葉山君の試合を見るけど、比企谷君はどうするんだい?」
八幡「俺もそうしますよ。生でアイツの試合が見たいので、これからカノープスに向かいます。」
クローディア「私はこの後すぐに試合があるので試合を見る事は出来ませんが、お2人の感想を聞かせてください。」
アーネスト「それじゃあミス・エンフィールドの試合が終わった段階で僕達に連絡をくれるかな?もしくは今日の星武祭が終わった段階で通信をする、これでどうかな?」
八幡「俺の方はそれで構いません。」
クローディア「私も大丈夫です。」
アーネスト「それじゃあ、星武祭が終わった後に通信で今日の事を再度話し合う事にしよう……話もまとまったようだし、そろそろ出ようか。」
2人「はい。」
3人の出した結論は、取り敢えず現段階では様子見、というところで落ち着いた。
アーネスト「それじゃあミス・エンフィールド、初戦の健闘を祈っているよ。」
クローディア「ありがとうございます。」
アーネスト「比企谷君、よければ途中まで一緒にどうかな?」
八幡「……そうですね、目的地も一緒ですし、別れて行く理由も無いですからね。」
アーネスト「ありがとう。それじゃあ行こうか、君のおかげでパーシヴァルの淹れる紅茶の腕がとても向上していてね。いつの日かお礼を言おうと思っていたんだ。」
八幡「俺はただ淹れ方を教えただけですよ、美味くなったのはアイツが頑張ったからですよ。」
アーネスト「それでも、だよ。君にはとても感謝しているよ。おかげで生徒会の業務も捗ってる事だしね。」
八幡「言っておきますけど、紅茶の作り方にそこまでの効果はありませんからね?」