学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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速報ニュースと2人の時間

 

葉山side

 

 

くそっ、あの報道陣の奴ら……何も分かってない。

 

何が『4人を盾にしていたのではないか?』だ。この4人はその事を承知で動いてる。そうじゃなきゃ、こんな間抜けな役割、誰もやるはずがない。

 

 

チームメイト3「葉山くん、気にすることないよ。そう見えちゃうのは仕方のない事だって。」

 

チームメイト1「そうだって!言わせておけばいいんだよ。」

 

葉山「……あぁ、ありがとう。」

 

 

君たちに言われなくても分かっているよ。一々気にしていたらキリがないからね。

 

 

葉山「次の相手は会長たちだから今日以上に苦戦すると思うけど、今日のようにやれば勝てる!明日も頼む!」

 

4人『おぉ〜!!』

 

 

葉山sideout

 

八幡side

 

 

葉山の試合が終わってからは、フェアクロフさんと別れて帰路に着いている。帰る途中の視線とかはかなりあったが、仕方ない事だろう。

 

 

だが、先程出たニュースでは吹きそうになった。その内容はチーム・ジャスティスの事だった。いや、厳密に言うとリーダーの葉山の事だが。

 

 

『ジャスティスの初戦勝利!だがリーダーの戦術は肉盾同然。』

 

『チーム・ジャスティスリーダー葉山、勝ったはいいが戦闘評価は☆1。』

 

 

結構な批判を受けていた。まぁあんな戦術だからな、批判を受けない方がおかしいってもんだ。チーム戦をやっている上であのプレイは中々に受け入れられ難いからな。1人目立ちしに行ってるようなもんだからな。

 

明日の試合はランスロットとメルヴェイユ、まぁフェアクロフさんなら負ける事はないだろう。俺たちも明日はヒュノスティエラと試合だ。チーム・エンフィールドが初戦だったら少し厄介だが、上手い事運んでくれた。

 

 

幸い、打ち合わせは昨日の時点でほぼ終わってるし、戦術も固まってる。明日が楽しみだ。

 

おっ、もう着いたな。

 

 

八幡「ただいま。」

 

シルヴィア「お帰り八幡くん。ご飯にする?それともお風呂?もしかして……わ、私?」

 

 

何でそんな事を聞く?しかも最後に至っては疑問形になってる。まぁ答えは決まってるけどな。

 

 

八幡「……シルヴィで。」

 

シルヴィア「え、えぇ!?は、八幡くん、今は昼間だよ/////」

 

八幡「はぁ……俺は別に真昼間から盛るつもりはねぇよ。こういう事だ。」(ギュッ)

 

シルヴィア「あ…………///」

 

 

俺はシルヴィの方に寄り、そのまま抱き締めた。これくらいなら大丈夫だろう。

 

 

シルヴィア「えへへ……うん、確かにこれも私という選択肢だね。」

 

八幡「そういう事だ。」

 

シルヴィア「じゃあ早く居間に行こっ!この《獅鷲星武祭》では八幡くんと一緒に居られる時間が増えるからね〜♪」

 

 

ーーー居間ーーー

 

 

シルヴィア「♪〜♪〜」

 

 

いつものようにシルヴィは鼻歌を歌いながら俺の肩に頭を預けている。その間俺は何をしているかというと、シルヴィの頭を撫でているか、シルヴィの鼻歌を聴いているかだ。

 

ここにいる時くらいは《星武祭》の事を忘れて、のんびり過ごす事にしている。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん、まだお昼の4時だけど何しよっか?夕飯作るには早いし……」

 

八幡「そうだなぁ……普通なら《獅鷲星武祭》の事を考えるんだろうが、この家にいる間はそういうのは無しにしてるからやる事あんまりないな……食材とかどうだ?まだあるのか?」

 

シルヴィア「うん、まだ残ってる。お買い物しても冷蔵庫の中の食材がかさばるだけだからやめておいた方が良いかもね。」

 

 

《星武祭》の事をあまり考えないようにするっていう提案は良いと思ったが、いざ実行すると何もやる事がなくて困るな。

 

 

シルヴィア「……八幡くん、キスしよっか!」

 

八幡「……突然何言い出すんだよ?」

 

シルヴィア「やる事がないのなら何か意味のない事をすれば生まれるんじゃないかなぁって!」

 

八幡「それってシルヴィがただ単にやりたいだけなんじゃないのか?俺もやりたくないって言ったら嘘になるが。」

 

シルヴィア「でしょでしょ?だからさ、試しにやってみない?」

 

 

シルヴィ……俺もそうだが、キスすると止まらなくなる時あるよね?その状態にならない事を祈るよ?

 

 

八幡「……分かった。最近はあまりキスしてなかったからな。この状態だからやりやすいな。」

 

シルヴィア「そうだね。じゃあ八幡くん、どうぞ♪」

 

八幡「俺からするのか……まぁ良いけど。」

 

 

そして俺たちはいつものように口づけを交わした。俺は一応目を瞑っているが、シルヴィがどうしているかは分からん。

 

薄目で見てみると、シルヴィも目を閉じていた。10秒くらいして互いの唇を離すと、シルヴィの目は潤いを増していて頬を赤く染めていた。少しボーッとしているが、ジッと俺の方を見つめていた。

 

 

あっ、これはスイッチ入ったパターンだ。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん……次は大人のキスをしよ?/////」

 

八幡「雰囲気に飲まれんの早くないか?」

 

シルヴィア「そんなのいいから。八幡くん、キスしようよ……私と八幡くんの舌がいっぱい絡み合う凄いキスしようよ……/////」

 

 

この状態になると普段では言わないような恥ずかしい言葉も使うからな。あっ、下ネタは使わないからね?シルヴィはそんな子じゃありません。

 

 

八幡「……もしそれをやったとしたら、俺もしばらくは止まらないぞ?いいのか?」

 

シルヴィア「うん……むしろその方が良い。私の事をギューって抱き締めながらキスして?」

 

八幡「……分かった。」

 

 

そして俺の記憶はここで途絶えた。ただ一言二言言うのであれば、時間が2時間経過していたのと、口の中が異様に甘かった事だ。

 

そして顔を真っ赤にしているシルヴィが可愛い。

 

 

多分だがシルヴィは酒で酔ってても、次の日にもその記憶が残ってるパターンの人だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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