学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回は2人メインでこのタイトルにしました。


他人からの目線

 

 

八幡side

 

 

2日目の星武祭も終了した。思ったよりも早く終わっちまったな。まぁ初戦の俺たちが2分、次に戦ってたチーム・ランスロットが5分だったから物凄いあっという間だったな。

 

一応時間に沿って試合してたから良いんだが、Cグループのチーム・ルサールカはグループ予選で2戦2勝したから本戦出場確定となった。クインヴェールにとっては喜ばしい事だろうな。

 

 

んで、残りの本戦出場権があるチームは、俺たち帝龍、星導館のエンフィールド、ガラードワースのランスロットとジャスティスってところか……俺のグループでは負ける気はしないが、問題はBグループだ。葉山が何をしたのか未だに分からん。

 

何かをしたような仕草もなければ目を泳がせてもいなかった。《八咫の眼》を使っても分からなかった。まぁ、明日の試合、フェアクロフさんが遅れをとることはないと思うが………

 

 

???「………考え事かしら、八幡?」

 

八幡「ん?」

 

 

正面の方には、レヴォルフ黒学院序列1位で生徒会長のオーフェリアがいた。

 

 

八幡「あぁ、まぁな。明日の試合についてだ。」

 

オーフェリア「………八幡があんな風に考え込むなんて珍しいわね。もしかして、ガラードワースのチーム・ジャスティスの事かしら?」

 

 

………なんで分かるの?

 

 

八幡「……当たりだ。」

 

オーフェリア「………やっぱりそうなのね。でも疑問に思うのも最もね。私の学院でもそんな生徒いないもの。」

 

八幡「なぁオーフェリア。《獅鷲星武祭》1日目のBグループ予選第1回戦は見たか?」

 

オーフェリア「………えぇ、見たわ。」

 

八幡「お前の感想でいいから詳しく聞かせてくれないか?そこにベンチがあるから座りながら話してくれ。」

 

 

俺たちは右横にあった休憩エリアで一息入れつつ、話を進めた。

 

 

八幡「それで、お前から見て葉山はどう映った?」

 

オーフェリア「………私もそこまでよく見ていたわけではないから分からないのだけど、これだけははっきりと分かったわ。」

 

オーフェリア「………彼の動きは中途半端なのよ。」

 

八幡「中途半端?どういう事だ?」

 

オーフェリア「………これは例えなのだけど、八幡の動きが速くても技術が3流以下って事よ。」

 

八幡「……つまり、中身が無いってことか?」

 

オーフェリア「………そうね。試合後の彼の動き、【水龍(ガルグイユ)】を倒した後の動きなのだけど、明らかに重心がズレていたわ。どの学園の冒頭の十二人も、着地だけで重心がズレることなんてまず無いわ。」

 

 

俺はオーフェリアの言っていた所、試合の終わった後の映像を見た。確かに葉山は綺麗に着地できていない。

 

 

八幡「……確かに。」

 

オーフェリア「………何だか全てのギアがチグハグな車みたいな感じね。まるで制御が出来ていないような、加減を知らない感じがするわ。」

 

八幡「成る程な……」

 

 

大分違うものだな……こんなにも違うものか?見てる光景は一緒なのに、感じた事がこれだけ違うとはな……

 

 

オーフェリア「………私が彼の試合を見て感じた事はコレくらいね。参考になったかしら?」

 

八幡「あぁ。充分過ぎるくらいだ。俺なんて何も分からなかったからな。この情報は役立つ。」

 

オーフェリア「………なら良かったわ。」

 

 

この情報、フェアクロフさんにも教えといた方がいいな。

 

 

オーフェリア「………ん。」

 

八幡「ん?何だ?」

 

オーフェリア「………頭を撫でて欲しいわ。」

 

 

………まぁ一応役立つ情報を提供してくれたわけだしな。このくらいは構わないか。

 

 

八幡「ほいほい。」(ナデナデ)

 

オーフェリア「ん………」

 

 

俺には普通の女の子にしか見えないが、世間一般の目線では恐ろしい《魔女》っていう認識なんだよな。感情をあまり表に出さないからか、冷たい奴だって思われているんだろうが、俺にはこうして甘えてくる。

 

オーフェリアにも、いつかは良き理解者が出来てくれると良いな。

 

 

オーフェリア「………ありがとう八幡、もういいわ。」

 

八幡「おう。じゃあ今日はありがとな。次会えるのはいつになるか分からんが、その日までな。」

 

オーフェリア「………えぇ。その日を楽しみにしているわ。でも、そんなに遠くないと思うわ。」

 

八幡「ん?どうしてだ?」

 

オーフェリア「………私は八幡が《獅鷲星武祭》で優勝するって信じてるもの。その時は表彰の舞台で【戦律の魔女】と一緒に貴方の雄姿を見ているわ。」

 

 

………照れ臭いな///信じてくれてるのは素直に嬉しいが、オーフェリアにこういうのを言われるのはいまだに慣れないな。

 

 

八幡「あぁ、ありがとな。」

 

オーフェリア「………えぇ、それじゃ。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

そして俺とオーフェリアは、各学院(俺はシルヴィアの家)に向かっていった。

 

 

八幡sideout

 

オーフェリアside

 

 

………やっぱり八幡と居ると生活に幸せを感じるわ。彼といると、“生きている”という実感が出てくるわ。前までそんな事どうでもよかった私とは随分な違いね。

 

ころな「あっ!お帰りなさい会長!」

 

オーフェリア「………ただいま戻ったわ、ころな。」

 

プリシラ「お帰りなさい、オーフェリアさん!」

 

 

今の生徒会は発足してあまり時間は経ってないけど、仲良くやれていると思うわ。この2人は自分から手伝いたいと言ってきてくれたから。

 

 

オーフェリア「………【覇潰の血鎌(グラヴィシーズ)】はどうかしら?」

 

ころな「今のところ順調だそうです!この調子なら今年中には修復出来るそうです!」

 

オーフェリア「………そう、良かったわ。」

 

ころな「会長、何か良い事ありました?」

 

オーフェリア「………何故?」

 

プリシラ「なんと言いますか、入ってきた時から雰囲気が柔らかかったんですよ。それに、少し笑顔でしたし。」

 

 

………笑顔。

 

 

オーフェリア「………そうね、私にとって良い事があったわ。でも、コレは内緒ね。」

 

ころな「き、気になります……」

 

プリシラ「そうですね……」

 

 

こんな風に過ごせるのもあなたのおかげよ、八幡。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





改めて………オーフェリア良かったなぁ!!うん!!

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