八幡side
祢々「とまぁこの2つが僕の伝説。」
もう信じらんねぇよ。そんなスゲェ刀だったのお前?俺、ちょっと引いちゃったよ?
アレマ【俄かには信じられないねー。特に後者。あの鵺を切ったなんて、とても信じられないよ。】
あ、アレマさんも同じ事思ってたんだな。そりゃそうだ。ていうか、鵺って何なんだ?
八幡「アレマさんは、鵺って知ってるんですか?」
アレマ【いんや。話を聞いてるうちに気になってきたから、調べただけだよ。】
アレマ【猿の頭、狸の体、蛇の尾、虎の手足を持ち、『得体の知れない』という意味を持った妖怪みたいだね。雷獣とも呼ばれているらしいね。】
そんな俺以上に気持ち悪い奴を切ったのかよ。ていうか………
八幡「それって妖怪じゃなくて化け物じゃねぇか……よくそんなのを相手したモンだな。」
祢々『別にこれは伝説だから信じなくてもいいんだよ?』
あの語りっぷりを見て嘘だと思う程、バカじゃないつもりなんだが?
アレマ【あたいは、あんたの真剣に話してる感じを見て嘘だとは思えないね〜。】
あ、また同じ事思ってたんだ。なんかヤケに気が合うな。
八幡「祢々はその伝説、どう思ってんだよ?自分のだから信じてんのか?」
祢々『分かんない。自分のこととはいえ、この鉱石を埋め込まれてから自分の記憶は曖昧なんだ。でも、この話は覚えてたんだよね〜不思議っ!』
何が不思議っ!だ。
八幡「思い出そうとは思わないのか?自分の記憶だろ?」
祢々『別に〜。今はハッチがいるからそれでいいんだー!』
八幡「……ならいいが 、なんかあったら言えよ。俺達は『相棒』なんだからな。」
祢々『うんっ♪そうするね!僕達は『相棒』だからね〜!それに、ハッチといると、毎日楽しいしねー。』
八幡「そ、そうか……」
アレマ【おや?八幡ちゃん照れてるねー。いいよその表情!】ニヤニヤ
八幡「………ほっといてください。」
祢々『え?なになに!?どうしたの?』
八幡「アレマさんが俺をからかっただけだ。それだけだ。」
祢々『なんてなんて!?』
八幡「言うと思うか?」
祢々『ぶー、どうせ照れてる顔見られたからでしょ?』
ちょっと?何で分かるの?貴方妖怪切るだけでなく、人の心まで読めるの?もう最強じゃない?
祢々『八幡は分かりやすいんだよ。顔の見れない僕だって分かるくらいにねっ!』
アレマ【確かに八幡ちゃんは分かりやすいよねー。もう少しポーカーフェイスを鍛えたらどうだい?】
八幡「これで十分ッスよ。それよりもメニュー組み直しましょうよ。こいつとの対話はもう必要ないでしょ?」
アレマ【ふむ、確かにそうだね。祢々切丸との対話は必要なさそうだし、次からは組手、星仙術、剣術にしようか。剣術は教わってるかい?ないならあたい流のを教えるけど?】
八幡「一応小苑さんから二天一流と一刀流を教わってます。」
アレマ【一刀流はともかく、二天一流は何で?刀は祢々切丸一本でしょ?】
八幡「小苑さん曰く、『とっておいて損はなかろう。』だそうです。2週間であのスパルタですからね、嫌でも染み付きますよ。」
祢々『八幡は頑張ったんだねー。えらいえらい!』
八幡「や、やめろよ。ほらっ、少しウォーミングアップするから準備しろ……ていうより、お前に準備なんていらんか。」
祢々『いつでもどうぞー。』
アレマ【じゃあ、見せてもらおうかな?君の剣術をね。】
そう言われてから、俺は祢々切丸を持って道場で型や舞、模擬戦をした。時間は限られている上に短い。出来るだけこの短期間で強くなんなきゃな。
八幡sideout
冬香side
ーーー界龍第七学院・食堂ーーー
冬香「今日は何に致しましょうか。」
ガチャッ
4人「……はぁ。」ズーン…
この溜息は、比企谷さんのクラスメイトの虎峰君、セシリーさん、沈雲君、沈華さんでした。
冬香「……皆様お揃いでお元気がないですが、どうかなさったのですか?」ニコリ
セシリー「あー、冬香さん。いや、なんてゆーかー、退屈だなーって。」
冬香「はい?」
セシリー「いつもは比企谷も入れて5人で食べてるんですけどー、比企谷がいないだけでこんなにつまんなくなるとは思ってなくてですねー。」
冬香「それで近頃、活気がなかったのですね。いつの間にか比企谷さんが、話題の中心になっていたからではありませんか?そうでなければ、この4人で集まる事はそんなにない筈だと思いますよ?」
虎峰「確かに八幡が中心でしたね。」
沈雲「はい。比企谷くんの取り合い、武術の話、星仙術の話、日常などほとんど彼が関与していますね。」
沈華「それは納得はできますが、穴が空いた感じがするのは否めないですわね。」
4人「何処に行ってしまったのですか?(行ったいうのー?)(行ってしまったんだい?)(行ったっていうのよ?)」
虎峰「早く武術の話をしたいです。」
セシリー「ナデナデしたいのにー。」
沈雲「星仙術を教えたり………」
沈華「イタズラとかしたいのに。」
4人「……はぁ。」
冬香「こ、これ程息ピッタリだとは思いませんでした。比企谷さんの影響力は凄いですね。」
ガチャッ
陽乃「はぁ……ひゃっはろー……」ドヨ-ン…
この方達とは比べ物にならない程の負の感情を感じますね。
冬香「こんにちは、陽乃様。ご機嫌が優れないようですが、如何なさいましたか?」
陽乃「うん……比企谷くんに会えないから、少し寂しくて……」
冬香「陽乃様もなのですか?」
陽乃「もってことは、冬香ちゃんも?」
冬香「いえ、私ではなく彼方にいる比企谷さんのクラスメイトが似たような状態でしたので。」
4人「………」ズーン…
陽乃「……うん。確かに似てるね。」
陽乃「……でもさ、私の方が凄いでしょ?雰囲気的に。」ドヨ-ン…
冬香「……誠に申し上げにくいのですが、確かにその通りですね。」
5人「………はぁ。」ドヨヨ-ン…
……増えましたわね。
冬香「………そんなに比企谷さんは良い人なのですか?」
5人「はい!(そうだよ!)」
即答とは……
虎峰「武術も分かりやすく教えて下さいますし、」
セシリー「時々甘えさせてくれたり、」
沈雲「教えたことは素直に聞いて下さいますし、」
沈華「イタズラしても、すぐ許してくれますし、」
陽乃「素直じゃないけど、偶に頭撫でてくれたり、」
5人「凄く良い人なのです!(何だよっ!)」
冬香「そ、そうなのですか……」
この4人はいつも一緒なので不思議には思いませんが、陽乃様が此処まで言うのは余りないですね。
冬香「………少し気になってきましたね。彼のことが。」
5人「?」
冬香「いつもいる4名の方々はともかくとしても、陽乃様が此処まで言うのは珍しいので、興味が湧いてきました。」
冬香「公式序列戦が終わりましたら、お誘いしても大丈夫でしょうか?……いえ、話を聞く限り比企谷さんはとても優しい方。少し急でも大丈夫ですよね。」
セシリー「あのー……冬香さん?」
冬香「っ!……申し訳ございません。少し考えに耽ってしまいました。」
セシリー「いや、大丈夫ですけどー。」
冬香「ところで、1つ皆様に御相談なのですが……宜しいでしょうか?」
5人「?」
冬香「公式序列戦が終了した翌日に、比企谷さんを1日お借りしたいのですが宜しいでしょうか?」
虎峰「八幡は僕の物ではないので、八幡次第ですかね。」
セシリー「まぁ、冬香さんなら何もしないだろうし、大丈夫ですよー。」
沈雲「僕も構いませんが、沈華はどうだい?」
沈華「えぇ、大丈夫よ。」
陽乃「……うん、いいよ。」
冬香「ありがとうございます、皆様。」
これで皆様の言っていた事を体験できます。特に頭を撫でられるなんて、私はしてもらった事がないので楽しみです。
早く帰ってきてくださいね?比企谷さん?