僕も休みが欲しいです……本当に切実な願い。
シルヴィアside
……………………………ん〜眠れない。
何でだろう?今日はなんだか寝付けない。何かが足りない気がする。でも、電気は消してるし布団にも入ってる。当然だけど、寝る前に歯磨きもしたしキスもした。今もこうして八幡くんと一緒に………あれ?
あれ!?八幡くんがいない!?今は……2時!?真夜中だよ!?八幡くんどうしたのかな?家の中にいてくれれば良いんだけど………
居間にいるかなぁ?
シルヴィア「……八幡くぅーん?」
八幡「………」
八幡くんはヘッドホンをつけながら何かの映像を見ていた。ま、まさか……エ、エッチなビデオじゃないよね?
八幡「………やっぱ分からねぇ。何でフェアクロフさんのチームが負けたのかなんて見当もつかん。」
私が予想していた事とは違い、八幡くんは今日行われていた《獅鷲星武祭》のBグループ3回戦の映像を見ていた。画面の方に集中し切っているからか、私の声や扉の開く音に気付いていなかった。
八幡「オーフェリアとフェアクロフさんから得た情報でも、映像だけで理解するには無理があるか……実際に戦うしかねぇって事だな。」
シルヴィア「…………」
やっぱり八幡くんは真面目だなぁ、こういう事も調べるなんて。でも、私を放っておいて一人でこんな事するのはちょっと頂けないな!
それに約束破ってるし!この空間にいる間は、なるべく戦闘系のお話は避けるようにしてるのに!幾ら私が寝てたからってそれはいけません!
八幡くんが動画に夢中になっている間、私は八幡君のためにココアを作ることにした。本当に集中しているのか、私が通ったのも気付かないでいた。
ーーー3分後ーーー
あっ!八幡くんヘッドホン外した!今がチャンス♪
八幡「………ふぅ、少し一息いれるか。なんか飲む物……「はい、ココア。」ん?おぉ、サンキ……ユー?」
シルヴィア「気付かなかった?」
八幡「……いつからいたんだ?」
シルヴィア「ほんの数分前だよ。だってベッドに八幡くんが居ないんだもん!寝付けないわけだよ!」
八幡「そ、そうか……すまない。」
シルヴィア「全くだよ!八幡くんと居られる時間が出来たから許すけど、夜はちゃんと寝る!コレ大事だよ!」
美容にだってよくないんだから!
八幡「……分かった、悪かったな。」
シルヴィア「そう思っているのならもうやめる!明日はデートなんだから!寝坊したなんて事が起きても許してあげないんだから!」
八幡「それは怖いな……分かった、もうやめてベットに戻るな。」
シルヴィア「うん!よろしい!」
ーーー寝室ーーー
八幡「寝るのは良いんだが、こうもくっつかれると寝にくいと思わないか?」
シルヴィア「?」
八幡「いや、そんな可愛らしく首を傾げられても反応に困るんだが……」
シルヴィア「だってそういう風にしたんだもん♪」
八幡「あざといですよ。でも俺の彼女という事で許しましょう。」
シルヴィア「イェーイ♪」
♪〜やっぱり八幡くんは良い匂いがするなぁ……なんか凄く安心する。こうやって近くに居るのもそうだけど、なんか私って八幡君がいないと眠れなくなっちゃったのかな?だとしたら重症だね♪
八幡「……嬉しそうだな。どうした?」
シルヴィア「ん気になる?」
八幡「そりゃあな。教えてくれるのか?」
シルヴィア「どうしよっかなぁ〜。」
八幡「……あんまり撫でると寝付けなると思うんだが?」
あっ………
シルヴィア「………」
八幡「そんな落ち込むなよ……寝付くまでなら撫でるから。な?」
シルヴィア「……うん。」
そう言われて私は八幡くんに頭を預けた。(元々預けてたけど。八幡くんの胸に埋めてた私の頭は、手慣れた手つきで私の頭を八幡くんが撫でてくれた。
現金な話だけど、これだけで私は夢の世界へと旅立てるのだ。
だって八幡くんが頭を優しく愛でてくれてるんだもん。眠れない方がおかしいよね。
八幡「なんか悪かったな、起こしちまったみたいで。明日……じゃなくて今日はこういう事をしないようにする。」
シルヴィア「というより、コレからはあまりしないで欲しいよ。君も知ってると思うけど、この家でそういうのは言わない事にしてるでしょ?」
八幡「そうだったな。」
シルヴィア「じゃあ気を取り直して寝よっか。もうすぐ3時だしね。明日のデートは少し遅くなっても良いからさ。」
八幡「それは俺からしてみればありがたいな。少しだけでも良いから睡眠が欲しかった。」
シルヴィア「あっ……八幡くんは星武祭で疲れてるんだったね………うん、じゃあ明日は八幡くんの好きな時間にして良いよ。デートも任せる。」
八幡「おいおい、そんな事まで任せていいのか?」
シルヴィア「だって八幡くんに無理させたくないもん。私のせいで本調子になれなかったってなったら嫌だから。」
明後日からでもデートはできるから、明日は我慢しても大丈夫!
八幡「じゃあお言葉に甘えるが、いいのか?」
シルヴィア「うん、八幡くんはゆっくり休んで。」
八幡「……分かった。それじゃあ今度こそ寝るか。」
シルヴィア「……うん。」
そして私たちはふたりそろって真夜中の二度寝をした。