八幡side
ーーークインヴェール・模擬戦場ーーー
八幡「着いたな。そういや今って8時半だが、中に入れるのか?」
シルヴィア「時間になってからじゃないと無理かなぁ。ゆっくり来たつもりだったけど、まだ時間有り余ってるね。」
八幡「あぁ、こんな所でアップをしようにもなぁ。それに、8時半とはいえ誰も居ないわけじゃないしな。」
チームルサールカが居ないとも限らないからな。それに、他の学生も見られたら困るわけではないが、動画とか撮られてアップされたら、とんでもないくらいに迷惑だ。
シルヴィア「う~ん……どうしよっか?」
八幡「どうするって、待つしかないだろ?俺は影の中に潜ってやり過ごすつもりだが、シルヴィはどうする?」
シルヴィア「それだといつまでも此処に居る私がバカみたいだよ。影に潜るのなら私も入れてよ〜。」
八幡「分かってるよ。ほれ、手を繋げ。」
シルヴィア「は~いっ♪」ダキッ!
……シルヴィアさんよ、それは手を握るというのではなく、腕に抱き着くというんですよ?この2つの違い、分かってます?
ーーー10分後ーーー
シルヴィア「それでね!教えてもいいけど、それまでの期間は君達2人を練習相手にさせるからって言ったら、震え上がってたんだよ。」
八幡「そんな事があったのか……」
シルヴィア「2人共、必死に背筋を伸ばしてたなぁ~。あっそれとね、あの子達って私のスキャンダル狙いとかもしてるんだよね。だから私の事で何かを探ってたんだけど、これに関して何かしてきたら、タダじゃおかないって言ったら、今度は5人全員が2人みたいになったんだよね〜。今思うと面白いなぁ。」
その時の俺達はまだ初々しい頃だったな。手が触れれば慌て、顔が合ったら赤く染め合う。今よりもバカップルしてるような感じだったな。
ーーー更に10分後ーーー
シルヴィア「そしたらペトラさんから、早く子供の顔が見たいって!あの人は本当に私の事からかうの好きなんだから!それに付き合ってまだ1週間くらいでする話じゃないよ!」
八幡「……確かにそうだな。」
ペトラさん、流石にそれは早過ぎですって。
シルヴィア「その時はそれだけで終わったけど、クインヴェールで部屋に居る時は、私達の話を聞きに来ては、なんて惚気だって呆れた風に言うんだよ!聞きに来たのペトラさんの方からなのに!」
八幡「まぁあの人なりの冗談とかだろう。いや、本気で思ってる事かもしれないけどな。」
※本気です。
ーーーもいっちょ10分後ーーー
シルヴィア「あっ、9時になったよ!八幡君中に入ろっ!」
八幡「あぁ、そうだな。」
シルヴィはすぐに模擬戦場の使用許可の手続きをして扉を開けた。中はやはりといった感じで現代的な作りになっていた。
シルヴィア「さて、扉のロックは掛けたし、遮音もした。他は大丈夫かな。それで、何から始めるの?」
八幡「軽くアップでもするか。その後にやった事のある奴等で憑霊をする。」
シルヴィア「オッケ~。」
八幡「………その手に構えてるカメラ端末は何だ?」
シルヴィア「八幡君のカッコ良い姿を記録しておこうと思いまして。」
八幡「………はぁ、まぁシルヴィにならいいか。」
シルヴィア(それはもしかして、私なら大丈夫って事だよね!?なんか特別扱いされてるみたいで嬉しいなぁ!まぁ実際彼女だから特別だけどね♪)
八幡sideout
ーーーーーー
そしてクインヴェールの一室では………
「あれぇ〜!?模擬戦場の貸し出しが埋まってる!?昨日まで午前中は空いてたのに〜!」
「しかも登録してるの会長だよ!これは見に行くチャンスだよ!」
さらに食堂でも………
「ねぇ、今会長が1人で練習してるみたい!行って見ない?」
「えっ、本当っ!?行く行く!」
「会長の体技、どれか1つでも学べれば!!」
庭園でも………
「先輩聞きました!?今シルヴィア会長が1人で模擬戦場を使って練習してるみたいです!」
「嘘っ!?こうしてはいられないわ!貴女は行くの?」
「勿論ですっ!!」
さらにはこんな所にも………
「○○先生、今シルヴィアさんが1人で鍛錬をしているそうですよ。少しだけ見に行ってみませんか?」
「あら、それは面白そうですね。今日は特に仕事が無かったから、見に行きましょうか。」
「よくよく思えば、生徒の鍛錬を見た事はあまりありませんでしたからね。」
そして最後はやっぱり………
ペトラ「シルヴィアったらどうしたのかしら?急に鍛錬なんて。この日なら昨日に続いて八幡くんとデートしてもおかしくないと思ったのだけど。」
ペトラ「……ここからでも中の様子は見られるから見てみようかしらね。」
そしてペトラは模擬戦場のカメラ端末を開いた。そこで見たのは……八幡が体術の演舞で体を動かしているところをカメラ端末で記録しているシルヴィアの姿だった。
ペトラ「………」
ペトラ「………はぁ、そういう事だったのね。まぁいいわ、彼は別にこの学園に入っても問題は起こさないだろうし。」
ペトラ「扉のロックは……してあるわね。それに遮音も。でもねシルヴィア、貴方肝心な事を忘れてるわよ?」
ペトラ「私がカメラ端末で映像を見られるって事は、全生徒がその中の様子を見られるって事なのよ?」
そして場所は変わって、模擬戦場前………
ガヤガヤザワザワ……
やはりといったところなのか、生徒で溢れていた。
「ねぇ、中に入れないの!?」
「ダメなのよ、ロックされてるわ。」
「会長の動きを見るチャンスだったのに……」
落胆の声が混じってる中、帰る生徒もいた。
だが、1人の生徒の行動によって全てが一変した。
「一か八か、カメラ端末で中の様子を見てみます!」
「貴女ねぇ、シルヴィアさんが扉をロックして遮音までやってるのに、カメラの遮断を忘れるわけないでしょ?」
「つ、繋がりました!!………えっ!!?嘘っ!!!?えええぇぇぇぇぇっ!!!!?」
「うわっ!突然叫ばないでよ!ビックリするじゃない!どうしたのよ!?」
模擬戦場に集まっている生徒、教師は1人の生徒に注目していた。
「な、中に居るの………会長と………界龍第七学院の序列2位、比企谷八幡さんです!!!」
『ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!?』
この叫びはクインヴェール中に響き渡ったのだが、中に居る八幡とシルヴィアには部屋を遮音していた為、聞こえていなかった。
あーあ……バレちった。