八幡side
ったくシルヴィの奴、しっかり見てはいるみたいだが、それがカメラ端末の方で集中し過ぎてるから台無しになってるな。両方気をつけてくれれば俺も楽なんだがな。
現に今も………
シルヴィア「♪〜♪〜」
目をキラキラさせて、鼻歌しながらカメラ構えてるし。そんなに見たいもんかねぇ?
まぁ、俺も初めてやるからどんな姿をするのかは気になるけどな。今までは意識しなくても普通に
先ずは白虎から行くか。
八幡「んじゃやるからな。シルヴィ、カメラ撮るのは構わんが、撮り過ぎるなよ?」
シルヴィア「わ、分かってるよ!」
どうだかなぁ………白虎、頼む。
白虎『分かった。行くぞ!』
八幡が心の中で白虎と会話し終えると、白虎が八幡の右隣から現れた。八幡の周りを一周した後に八幡の方へと消えて行った。
すると、八幡の格好がみるみる変化していき、白主体の和装に所々に少しばかりの黒模様。両腕には黒い包帯のようなものが巻かれていて、手には持ち手が黒、爪の方が銀に輝く鉤爪が装備されていた。
それ以外にも八幡の目が青色に変化していて、瞳が細長くなっており、虎のような威圧感があった。
八幡「憑霊……
これが白虎との憑霊か……爪が武器になるとはな。まさかここで鉤爪が出てくるとはな……俺鉤爪は扱ったことねぇんだよな。仕方ねぇ、永成に教えてもらうか。
シルヴィア「八幡くん!こっち向いて!私の方を睨むように!」
八幡「………」
………あっ、逆効果だった。
シルヴィア「良い!良いよその目!バッチリだよ!」
………なんかこいつキャラ変わってねぇか?女優でもねぇのに役みたいなのにハマりすぎだろ。
シルヴィア「ふぅ……良いのが撮れた。」
八幡「おい。」
シルヴィア「ん?………あっ。」
八幡「オメェはまたか………」
シルヴィア「しょ、しょうがないじゃん!忘れてつい撮っちゃうんだもん!」
シルヴィア「もう私写真班でいいよね!?八幡くんの憑霊を撮る係でいいよね!?」
………こいつ、少し思い知らせてやる必要があるようだな。
俺は足に少しだけ星辰力を溜めてシルヴィの方まで飛んだ………よし、シルヴィの前まで来れた。
シルヴィア「うわっ!お、脅かさないでよ八幡くん………何?どうしたのそんなに見つめて?それよりも、その目であんまり見つめないで欲しいなぁ、なんて///」
八幡「………シルヴィ。」
シルヴィア「ひゃうっ!?」
俺はシルヴィの前髪を軽く掴んで上にあげた後、シルヴィ額の方に俺の額をくっつけて目と目を合わせた。なんかアワアワ言ってるが、そんなのは知らん。
シルヴィア「え、えと……あの……/////」
八幡「俺は言ったはずだぞ?写真を撮るのは構わないが、憑霊はしっかり見ていてくれと。」
シルヴィア「う、う、うん//////////」
八幡「なのにさっきから写真を撮ってばかりだなぁ?ちゃんと見てくれてるのか?」
シルヴィア「い、いえ……写真を撮ってるだけで見てませんでした//////////」
八幡「だろうな。じゃあ最後にチャンスをやる。次で最後の憑霊だから、その時はしっかりと見ている事だ。カメラで撮っても構わんが、どうなるかはシルヴィ次第だからな。分かったか?」
シルヴィア「う、うん//////////」
八幡「よし、じゃあ始めるぞ。」
よし、これでもう良いだろう。
八幡はシルヴィアから額を離し、掴んでいた髪も元に戻した。そして歩いている途中で白虎との憑霊を解いた。
シルヴィア「//////////」
シルヴィア「もっと睨まれたかったなぁ/////」
さて、さっきの場所に戻って準備するか。次は索冥だったな。今俺の中にいる霊の中で一番強い存在だ。
俺は準備いいぞ、索冥はどうだ?
索冥『私も万全でございます。』
八幡「よし……」
現世に索冥を呼び出すと、後ろ足で立ち前足を振るった後に俺の方へと向かって来た。
………ん?変化がない?
シルヴィア「……八幡くん?」
八幡「………失敗か?」
索冥『その……なんと言いますか、八幡様。今の八幡様では私を憑霊わせる事は出来ません。』
八幡「それは、俺の実力不足と踏まえていいのか?」
索冥『………自らが仕えている主にこのような事を申し上げるのは、大変失礼だと重々承知しておりますが……恐らくはその通りだと。』
実力不足………俺がお前を憑霊うのはまだ先になりそうだな、すまない。
索冥『いえ、とんでもございません!私の方こそ、主に対し無礼な口をお許しください!』
構わねぇよ、実力がないから憑霊が出来ないのは本当の事みたいだからな。
八幡「ふぅ……シルヴィ、索冥との憑霊は無理だった。俺の実力不足みたいでな。」
シルヴィア「え!?今の八幡くんでも充分強いのに!?」
八幡「まぁ、これからの課題ってところだな。」
さて、これからどうすっかな………
八幡sideout
ーーーーーー
時系列は遡り、10分前………
「「「「「きゃああああああ!!!!」」」」」
「ヤバい!ヤバイって!!比企谷さんがシルヴィアさんに………とにかくヤバいっ!!」
「うわぁ〜会長真っ赤!!比企谷さんもカッコいい……/////」
「あんな目で見られ続けたら堕ちちゃうよ/////」
「……と、年下も意外とアリなのかしら?」
「あぁ……もう死ねる。」
「比企谷様……最高です。」
「だ、誰か、これを録画した者は……?」
「「な、なんとか成功しました……」」
「……よ、よくやりました、これで半年は持ちます。」
学生、教師共に2人の先程のやり取りを見て、悲鳴ともとれるような黄色い絶叫を上げた。
最後の方のやり取りは不明だが……
ーーーーーー
ペトラside
ペトラ「はぁ………カメラの目もある事を忘れてあんな事をするなんて……八幡くんは目がいいのではなかったのかしら?」
ペトラ「とはいえ、関係は順調のようね。これなら問題はなさそうね。」