学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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憑霊試運転③

 

八幡side

 

 

ったくシルヴィの奴、しっかり見てはいるみたいだが、それがカメラ端末の方で集中し過ぎてるから台無しになってるな。両方気をつけてくれれば俺も楽なんだがな。

 

現に今も………

 

 

シルヴィア「♪〜♪〜」(キラキラ)

 

 

目をキラキラさせて、鼻歌しながらカメラ構えてるし。そんなに見たいもんかねぇ?

 

まぁ、俺も初めてやるからどんな姿をするのかは気になるけどな。今までは意識しなくても普通に憑霊(まと)う事は出来たが、意識したら出来るようなもんなのかも検証しねぇとだしたな。

 

先ずは白虎から行くか。

 

 

八幡「んじゃやるからな。シルヴィ、カメラ撮るのは構わんが、撮り過ぎるなよ?」

 

シルヴィア「わ、分かってるよ!」

 

 

どうだかなぁ………白虎、頼む。

 

白虎『分かった。行くぞ!』

 

 

八幡が心の中で白虎と会話し終えると、白虎が八幡の右隣から現れた。八幡の周りを一周した後に八幡の方へと消えて行った。

 

 

すると、八幡の格好がみるみる変化していき、白主体の和装に所々に少しばかりの黒模様。両腕には黒い包帯のようなものが巻かれていて、手には持ち手が黒、爪の方が銀に輝く鉤爪が装備されていた。

 

それ以外にも八幡の目が青色に変化していて、瞳が細長くなっており、虎のような威圧感があった。

 

 

八幡「憑霊……猛牙(もうが)白爪刃(はくそうじん)

 

 

これが白虎との憑霊か……爪が武器になるとはな。まさかここで鉤爪が出てくるとはな……俺鉤爪は扱ったことねぇんだよな。仕方ねぇ、永成に教えてもらうか。

 

 

シルヴィア「八幡くん!こっち向いて!私の方を睨むように!」(パシャパシャパシャ)

 

八幡「………」(キッ)

 

 

………あっ、逆効果だった。

 

 

シルヴィア「良い!良いよその目!バッチリだよ!」

 

 

………なんかこいつキャラ変わってねぇか?女優でもねぇのに役みたいなのにハマりすぎだろ。

 

 

シルヴィア「ふぅ……良いのが撮れた。」

 

八幡「おい。」

 

シルヴィア「ん?………あっ。」

 

八幡「オメェはまたか………」

 

シルヴィア「しょ、しょうがないじゃん!忘れてつい撮っちゃうんだもん!」

 

シルヴィア「もう私写真班でいいよね!?八幡くんの憑霊を撮る係でいいよね!?」

 

 

………こいつ、少し思い知らせてやる必要があるようだな。

 

 

俺は足に少しだけ星辰力を溜めてシルヴィの方まで飛んだ………よし、シルヴィの前まで来れた。

 

 

シルヴィア「うわっ!お、脅かさないでよ八幡くん………何?どうしたのそんなに見つめて?それよりも、その目であんまり見つめないで欲しいなぁ、なんて///」

 

八幡「………シルヴィ。」

 

シルヴィア「ひゃうっ!?」

 

 

俺はシルヴィの前髪を軽く掴んで上にあげた後、シルヴィ額の方に俺の額をくっつけて目と目を合わせた。なんかアワアワ言ってるが、そんなのは知らん。

 

 

シルヴィア「え、えと……あの……/////」

 

八幡「俺は言ったはずだぞ?写真を撮るのは構わないが、憑霊はしっかり見ていてくれと。」

 

シルヴィア「う、う、うん//////////」

 

八幡「なのにさっきから写真を撮ってばかりだなぁ?ちゃんと見てくれてるのか?」

 

シルヴィア「い、いえ……写真を撮ってるだけで見てませんでした//////////」

 

八幡「だろうな。じゃあ最後にチャンスをやる。次で最後の憑霊だから、その時はしっかりと見ている事だ。カメラで撮っても構わんが、どうなるかはシルヴィ次第だからな。分かったか?」

 

シルヴィア「う、うん//////////」

 

八幡「よし、じゃあ始めるぞ。」

 

 

よし、これでもう良いだろう。

 

八幡はシルヴィアから額を離し、掴んでいた髪も元に戻した。そして歩いている途中で白虎との憑霊を解いた。

 

 

シルヴィア「//////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「もっと睨まれたかったなぁ/////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、さっきの場所に戻って準備するか。次は索冥だったな。今俺の中にいる霊の中で一番強い存在だ。

 

俺は準備いいぞ、索冥はどうだ?

 

索冥『私も万全でございます。』

 

 

八幡「よし……」

 

 

現世に索冥を呼び出すと、後ろ足で立ち前足を振るった後に俺の方へと向かって来た。

 

 

………ん?変化がない?

 

 

シルヴィア「……八幡くん?」

 

八幡「………失敗か?」

 

 

索冥『その……なんと言いますか、八幡様。今の八幡様では私を憑霊わせる事は出来ません。』

 

八幡「それは、俺の実力不足と踏まえていいのか?」

 

索冥『………自らが仕えている主にこのような事を申し上げるのは、大変失礼だと重々承知しておりますが……恐らくはその通りだと。』

 

 

実力不足………俺がお前を憑霊うのはまだ先になりそうだな、すまない。

 

 

索冥『いえ、とんでもございません!私の方こそ、主に対し無礼な口をお許しください!』

 

 

構わねぇよ、実力がないから憑霊が出来ないのは本当の事みたいだからな。

 

 

八幡「ふぅ……シルヴィ、索冥との憑霊は無理だった。俺の実力不足みたいでな。」

 

シルヴィア「え!?今の八幡くんでも充分強いのに!?」

 

八幡「まぁ、これからの課題ってところだな。」

 

 

さて、これからどうすっかな………

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

時系列は遡り、10分前………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「きゃああああああ!!!!」」」」」

 

 

「ヤバい!ヤバイって!!比企谷さんがシルヴィアさんに………とにかくヤバいっ!!」

 

「うわぁ〜会長真っ赤!!比企谷さんもカッコいい……/////」

 

「あんな目で見られ続けたら堕ちちゃうよ/////」

 

「……と、年下も意外とアリなのかしら?」

 

「あぁ……もう死ねる。」

 

「比企谷様……最高です。」

 

「だ、誰か、これを録画した者は……?」

 

「「な、なんとか成功しました……」」

 

「……よ、よくやりました、これで半年は持ちます。」

 

 

学生、教師共に2人の先程のやり取りを見て、悲鳴ともとれるような黄色い絶叫を上げた。

 

最後の方のやり取りは不明だが……

 

 

ーーーーーー

 

ペトラside

 

 

ペトラ「はぁ………カメラの目もある事を忘れてあんな事をするなんて……八幡くんは目がいいのではなかったのかしら?」

 

ペトラ「とはいえ、関係は順調のようね。これなら問題はなさそうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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