八幡side
朝食も食べ終わって俺は12時、シルヴィは11時になるのを待っていた。理由はというと、俺は《獅鷲星武祭》の本戦、シルヴィアはそのトーナメントを決めるためのくじ引きがあるからだ。
今回くじを引くのはガラードワースと、界龍、クインヴェールの3校だけだ。本戦がすぐな気もするがそれも仕方のない事だろう。なにせ、今回の《獅鷲星武祭》の参加チームが圧倒的に少ないからだ。
だから本戦でもらえるポイントの量も少し増えるってことだ。だから今回も界龍は稼げたって事になるな。去年は本戦に残ったの9チームで優勝、準優勝、他にも良い線まで行ったタッグが居たからかなりの量になっているはずだ。
まぁ、俺は別にポイントなんてどうでも良いけどな。俺のやりたいようにやるだけだからな。あっ、反則とかはしないぞ?
小苑「八幡よ、少しよいか?」
八幡「はい、何です?」
小苑「お主から感じる霊気が上がっているように感じるのじゃが、昨日何かしたのかえ?」
八幡「まだ憑霊をしていない奴らの試運転をしてみたんです。だからじゃないですかね?」
小苑(……それだけとは考え辛いのう。お主には言っておらんが、お主の中には神すらも宿っておるのじゃからな。しかし、神というのは《霊気》ではなく《神気》を放つ存在じゃから、今のお主から出ているのとは全くの別物じゃな。)
八幡「でも、何故そんな事を?俺は特に何も感じませんけど。」
シルヴィア「私もです。小苑さんは何か感じるんですか?」
小苑「まぁのう。そうじゃのう、これも言っておこうかのう。八幡、お主の周りに白い光のようなものが纏わり付いておる。まぁお主には見えんだろうがのう。」
小苑さんの言う通りだ、俺には全く見えない。それどころか気配すら感じない。俺もまだまだって事か。
シルヴィア「……八幡くん、この話は胸の中にしまっておこうよ。今は星武祭に集中しなきゃ。」
八幡「……そうだな。」
ーーー10時20分ーーー
シルヴィア「さて、私はそろそろ行こうかな。くじ引きの会場であるシリウスドームは最低でも20分はかかるからね。」
八幡「なら俺も行くことにする。ここにいても良いが、小苑さんにも予定があるでしょう?」
小苑「そうじゃのう、儂も古い
じゃあこの時間から全員出るって事になるから鍵掛けとかねぇとな。
俺たちは準備……するものは特にないが、一応身支度を整えてから家を出た。俺とシルヴィはシリウスドームへ、小苑さんは古い知り合いの所へと向かった。
……でも、小苑さんの古い知り合いって誰だ?
八幡sideout
ーーー11時ーーー
梁瀬『さて皆様!復活戦も終わりを迎え、いよいよ本戦の開幕です!!ルールは概要と全く一緒ですが、今回に限っての本戦は初戦の相手はくじ引きによって決まる方法を取っています!故に対策を練られるのは、くじを引き終わってからの1時間ということになります!』
梁瀬『くじ引きの順番は例年に従って前回大会の順位順でいきたいと思ってます!なので、今回はガラードワースから始まり、界龍、クインヴェールの順になります!では、時間も時間なので、早速引いていきましょう!まずはガラードワースから!』
アーネストは台座まで歩き、その上にある4枚の紙から1つ目を選び、大会委員に渡した。
大会委員がその紙を開き、書かれている番号を発表した。
大会委員「ガラードワースのチーム・ジャスティス、Aの2番です!」
梁瀬『早速1チーム目が決まりました!チーム・ジャスティスはAグループの2番です!さて、お次は自身のチーム・ランスロットのくじ引き!一体どっちのグループになるのか!?』
アーネストは再び台座から紙を一枚選び、運営委員に渡した。
運営委員「ガラードワースのチーム・ランスロット、Aの1番です!」
なんと、予選の最終試合と同じカードでの再戦になった。
梁瀬『おおっとぉ!!なんと再び刃を交えることになりましたがラードワースの両チーム!この本戦の場で雌雄を決する時が来ました!さて、残る紙は2枚ですが、これは界龍とクインヴェール同時に引きます。何故なら………もう戦う事は決まってるから、どっちのチームがどっちの方から出てくるかを決めたいから!だそうです!』
サラッと裏事情を話していたが、特に気にすることでもないだろう。台座の前に来たシルヴィアとアレマ(星露は来なかった。)が来てそれぞれくじを選んだ。結果はチーム・ルサールカがBの1番、チーム帝龍がBの2番だった。
梁瀬『さて、これで対戦形式が決まりました!皆様、見たい試合の方へと急いで下さい!!ガラードワースの両チームを見かたい方々はこのまま、シリウスドームへとお残り下さい!チーム・ルサールカとチーム・帝龍の試合が見たい方々はカノープスドームへとお急ぎ下さい!席が埋まるのも時間の問題ですよ〜!』
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八幡side
初戦はルサールカか……まぁこれはこれで良かったのかもな。さて、俺もチームと合流して作戦練らないとな。
八幡sideout
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小苑「ほう……相手はクインヴェールになったようじゃのう。さて、儂らもカノープスを向かうぞい。」
???「少し待って下さい。少しはお年寄りを労ってください。」
小苑「よう言うわい。お主は衰え知らずじゃろうが。違うかえ?
麗蘭「その呼び方はやめて下さい。今ではもう名だけの存在です。意味などありません。」
小苑「儂の攻撃を紙一重で躱しておきながらよく言うわい。それにお主は……盲目じゃろうて。その状態で儂の攻撃を躱すなど、どれだけの聴覚を持っとるんじゃ、お主は。」
麗蘭「生涯盲目の私にとってはこれが普通ですので。見えるというのがどのような感覚なのか私には分かりません。聴く、嗅ぐ、感じる、この3つが私にとってこの空間を認識できる要素なのです。」
小苑「………なんか儂、2代目と名乗っておるのが小っ恥ずかしくなってきたわい。」
対戦チームが決定した上に、初代までもが星武祭を観戦に?見えないのに?って思うかもしれませんが、本当にどうしてでしょうね?