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チャム『さぁ、間も無く始まるッスよ!!こちらカノープスドームでは本戦Bグループの試合が始まろうとしているッス!!西にクインヴェールのチーム・ルサールカ、東に界龍のチーム・帝龍が控えてるッスよ!今回もどんな戦いを見せてくれるのか楽しみッスね!そして今回、実況職の方が多忙だった為、緊急で私、ファム・ティ・チャムが代理実況を務めさせてもらうッス。そして解説にはアルルカントアカデミーOGの左近千歳さんが務めるッスよ。いや〜こんな組み合わせは初めてッスねー。』
千歳『せやね〜。ウチら基本は実況がメインやから一緒に肩並べる事があまりあらへんからね〜。これはある意味、試合よりもレアな場面だと思うわ〜。』
チャム『いや〜まさその通りッスね。さて、今回は実況なんでドンドン喋っていくッスよ!!先ずは選手の登場と紹介から!!前回の《獅鷲星武祭》ではベスト8だけど、今回はここまで上り詰めた!3年前との違いを見せつけてやるッスよ!!クインヴェール、チームルサールカ!!!』
西の登場口から5人の女子生徒が現れ、会場から歓声が響いた。
千歳『流石は今人気のガールズロックバンドチームやね〜!予選のグループ戦を観てても分かんねんけど、前回と比べて大きく成長してるのが一目で分かるチームやね。それに個々の実力も上がっているだけでなく、チームコンビネーションも伸びとるから、優勝候補のチーム・帝龍でも苦戦はすると思うなぁ〜。』
トゥーリア「っしゃあ!チーム・帝龍なんて一捻りだぜ!!」
ミルシェ「ドンとかかって来いやー!!」
マフレナ「その言い方は失礼過ぎますよ〜。」
チャム『さて、次のチーム行くッスよ〜!!今回初登場にも関わらず圧倒的実力差とパフォーマンスを見せつけてきたチームッス!いま限りなく優勝に近いチームはこのチームと言っても良いでしょう!!では、ご紹介します!界龍、チーム・帝龍!!!』
東の登場口からも5人の男女混合の生徒が現れると、チーム・ルサールカよりも大きな歓声が響き渡った。
千歳『うわぁ……えげつない歓声やねぇ。これ絶対序列2位でチームリーダーの比企谷八幡選手に対してやろ。まぁそれは置いといて、予選の試合では危なげない所は1箇所だけあったけど、それを除けば安定した試合運びだったやんなぁ。いまノリに乗ってる学院だけあって強いんやなぁ。』
虎峰「八幡に対する歓声と言われると、僕たちの立場って何なんでしょう?」
セシリー「そんな事言わないでよー。これから戦うの八幡なんだから嫌味に聞こえちゃうでしょー。」
八幡「聞こえてるからな。」
そして八幡たちチーム・帝龍も登場口から飛び降り、ステージへと着地した。
チャム『さぁ両選手出揃いました!!』
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麗蘭side
はぁ……やはり慣れない場所を歩くのは大変です。会場内を歩いた事なんて殆ど無いので疲れました。
小苑「柄にも無く疲れておるようじゃのう。」
麗蘭「えぇ、慣れない場所を歩くのは、それだけ神経を使うので。ところで小苑、1つ頼まれてはくれませんか?」
小苑「何じゃ?」
麗蘭「そちらに自動販売機があると思うのですが、お茶を購入してきてはくれませんか?」
小苑「?お主も変なことを言うのう。見えておるのじゃろう?」
麗蘭「………形は分かってもパッケージや柄などは分からないのです。」
小苑「………お主も苦労しておるんじゃな。」
すみませんね、小苑。
麗蘭「【龍生九子】にはお茶と水しか無いので良いのですが、外に出れば味の濃い飲み物などが置いてあるので、気をつけなければならないのです。」
小苑「お主、ジュースに何の恨みがあるんじゃ?」
………ジュース?
麗蘭sideout
めぐりside
シルヴィア「此処がクインヴェール専用の部屋なのでこちらに入って観戦しましょう!」
めぐり「はーい!」
皆さんこんにちは!城廻めぐりです!いやぁ〜実はですね……私、このカノープスドーム?に来たはいいんだけど、殆ど満席でして……座る場所がありませんでした。立ってみようかなぁって思ってたんどけど、ちょうど良いタイミングでシルヴィアさんから通信が入って、一緒に見ないかって誘われたんだ〜!いや〜良かった!
そして今、クインヴェールの専用ルームに入った所なんだけど、うん、やっぱり観客席と違って見やすい!
あっ!ちょうど良いタイミングで選手登場だ!
ーーー選手登場&紹介ーーー
聞いた事あるなぁ……ルサールカって確か今人気のロックバンドだよね?大学の友達が言ってたなぁ。
それにしても、チーム・帝龍って女の子
シルヴィア「やっぱり八幡くんのあの格好はカッコいいなぁ。凄い迫力に存在感が濃い……流石だなぁ。」
めぐり「シルヴィアさんも存在感はあると思うけどなぁ。」
シルヴィア「え?私声に出てました?」
めぐり「うん、バッチリと。」
シルヴィア「あ、あはは……私って八幡くんに比べると存在感って歌ってる時くらいでしか無いのかなぁって思えて。」
めぐり「そんな事ないよ。この前の《王竜星武祭》ではシルヴィアさんが1番存在感あったよ。だってあんなに凄い歌技を披露してくれたんだもん。」
あれは凄かった上にニュースにもなったからなぁ。
『戦律の魔女、念願の優勝!!だが、最後に披露した技はラブソングか!?』みたいな感じでね。
めぐり「あの歌って比企谷くんに対して歌ったでしょ?」
シルヴィア「は、はい///作るのには苦労しました、ラブソングの作曲なんて初めてでしたので。」
めぐり「溢れんばかりの愛を感じるなぁ……」
シルヴィア「あ〜茶化さないでくださいよ〜!!」
めぐり「ごめんごめん。じゃあ今日も明日もこんな風に彼を応援しようよ。シルヴィアさんの応援は比企谷君にとって一番のエネルギーになるんだから。この会場で比企谷くんにとって一番の存在感は、間違いなくシルヴィアさんなんだからさ。」
シルヴィア「………そうですね!彼女として目一杯彼氏を応援しなきゃですよね!」
めぐり「その意気だよ!!」