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両チーム共ステージへと降り立ち、戦いに備えている。チーム・ルサールカはすでに陣形を組んでいて、前衛が2人、中衛が1人、後衛が2人だった。八幡の警戒している2人は後衛の方に位置していた。
八幡(やっぱあの2人は後ろか……さて、どうやって攻めたもんか。)
陽乃「八幡くん大丈夫？もし無理そうだったら私たちも戦うよ？」
八幡「いや、俺がやると言った以上は、俺にやらせてくれ。俺が倒された時に皆が仕掛けてくれ。」
暁彗「………………御意。武運を祈る。」
そして暁彗たち4人は後ろの壁まで下がって行った。
チャム『あれ？チーム・帝龍の比企谷選手を除くメンバーが壁際の方まで下がって行ったッス！まさかこれは比企谷選手1人でルサールカを相手にするということッスかね？』
千歳『いやいや、それは幾ら【夢幻月影】でも無茶やて。相手は前回デビューでベスト8まで残った強豪チームやで？1人で倒せるほど甘ないチームや。まぁ見るからに1人で相手するようやけど、どんな風に攻めるのか楽しみやねぇ。』
トゥーリア「あいつふざけてんのか！？1人で相手しようっての！？」
パイヴィ「ナメすぎ。」
モニカ「ちょっと調子に乗り過ぎじゃないかしら？」
ミルシェ「まぁ戦うには変わりないから、気にせず行こうよ！」
マフレナ「皆さん言い過ぎですよ〜！でも、情報強化は任せてください！」
八幡(…………無茶、か。確かにな。だが、無謀ではない。策なら幾らでもある。)
チャム『あー……準備が出来たようなので開始するッス！《獅鷲星武祭》本戦Bグループ第1試合、バトル、スタートッス！！』
マフレナ「皆さん！情報強化弾撃ち込みます！」
マフレナが開始早々に全員に向けて強化弾を撃ち込んだ。
トゥーリア「よっしゃあ！あいつに撃って撃って撃ちまくってやる！」
トゥーリアとミルシェがそれぞれの楽器を弾こうとすると………
八幡「フンッ！」
八幡が振りかぶり、祢々切丸を真横に降った。すると剣から紫色の斬撃が飛んできた。真っ直ぐ一直線にルサールカの方へと飛んで行った。
パイヴィ「……防御するよ。」
パイヴィが反応して音圧防壁を張った。更に言うと、この防壁はパイヴィ自身も強化弾を撃たれているため、防壁の方も強化されている。
ルサールカは油断しているわけではないが、肝心な事を忘れていたのだ。
相手が比企谷八幡、世間では『次期万有天羅』と呼ばれている事を。
斬撃が防壁にぶつかって競合いになるかと思いきや、防壁はすぐに破られ、前衛の2人は途端に回避の体制を取ったが、防壁が張られていたのが直前だった為、純星煌式武装に少し掠ってしまったが問題はなかった。
だが、中衛と後衛は防ぎきれると思っていたのか、回避の体制を取っていなかった。中衛の位置に居るモニカは目を瞑ってしまっていたが、何も起きていなかった。
その理由は、斬撃が途端に速度を落として停止したからである。そして形を変えて50cmくらいの円形に形を変えた。
マフレナ「え？な、何ですかこれ？」
モニカ「黒い大きなボール？」
八幡「影時雨。」
八幡がそう呟くと、黒い円形は途端に爆発したかのように小さい針になってルサールカに襲い掛かった。
トゥーリア「あだだだだだ！！」
ミルシェ「な、何！？この爪楊枝で色んなところを刺されているような感覚！？」
パイヴィ「〜〜！」
モニカ「た、助けて〜〜！！」
マフレナ「………どうして私にだけ飛んでこないんでしょう？」
何故かマフレナにだけ黒い針は飛んでいなかった。その理由は何なのだろう？
八幡(だってあんな優しい奴、何もしてねぇのにあんな可哀想な事出来ねぇよ。)
物凄く自分勝手な理由だった。
八幡「まぁそれはさておき、そろそろ決着だな。」
八幡は地面を蹴り、ルサールカに突進した。だが、
『モニカ、パイヴィ、校章破壊』
そのうち2人は影時雨によって校章を破壊されていた。
トゥーリア「はぁ……はぁ……やっとなくな『ビュンッ！』……た？」
ミルシェ「あぁ〜……痛かっ『ビュンッ！』……た？」
『トゥーリア、ミルシェ、校章破壊。』
早くもチーム・ルサールカの4人が倒されてしまった。残るはマフレナただ1人だけだったのだが……
八幡「…………」
マフレナ「あ、あの……」
八幡「……切れん。」
マフレナ「え？」
八幡「やっぱ切れねぇ。こんな良い奴切れるわけがねぇよ。あそこにいるおバカ4はまだしも、お前切るのはすげぇ罪悪感残るんだよ。」
マフレナ「は、はぁ……ごめんなさい。」
八幡「というわけで……」
マフレナ「？」
バチッ！
マフレナ「ひゃうっ！？」
八幡は呪符を取り出して瞬時にマフレナの背後に回ると、首筋の方へと小さな雷撃を与えてショックを与えた。マフレナはそのまま気絶してしまった。
『マフレナ、意識消失。End Of Duel』
観客『………………』
チャム『………し、試合終了ッス！！勝者、チーム・帝龍………何だけど、何なんだろう？このものすご〜く漫才みたいな試合は。』
千歳『せ、せやね。なんかウチも拍子抜けしたわ。こんなんが準決勝でええんか？』
八幡(良いんです良いんです。細かい事は気にしない。)
チャム「ま、まぁ何はともあれ、これでチーム・帝龍は決勝進出です！！残すは決勝のみ！今後の激闘が期待されます！！』
今日は調子が悪かったんです！うん、そうだったんですよきっと！