八幡side
ふぅ……良い仕事をした。
虎峰「……八幡、遊んでませんよね?」
八幡「あ?何でだ?」
虎峰「いえ、その……あまりにも八幡の戦闘スタイルとはかけ離れていたので。」
八幡「俺の戦闘スタイルは様々だぞ?剣もあれば武術もあるし、魔法もあれば陰陽術だってある。今の試合は殆ど魔法だったけどな。」
セシリー「でもさー、手は抜いてたよねー?」
八幡「抜いてねぇよ。ただ、俺は女を切るのは嫌ってだけだ。」
陽乃「でもあの子たちの内2人には使ってたじゃない。」
八幡「だってさ、前衛の2人はあんま女って感じしないから。会った時よぉく分かったんだよ。あっ、こいつらなら平気だなって。」
虎峰「……理由が私的過ぎると思いますが、まぁ勝てたので良しとしましょう。」
……なんだ?なんか不満でもあったのか?
暁彗「………………しかし比企谷八幡、あの技はなんなのだ?球状の物体がいきなり爆発して針のようになったが……」
八幡「あれは『影時雨』って言ってな、簡単に言えばフェイント技だ。斬撃を飛ばして切ると思わせてから、相手の……まぁ、真ん中あたりくらいだな。その位置まで減速、形を球状に変える。そして完全に停止したら、相手が油断しているところを狙って一気に爆発だ。」
暁彗「………………何故そんな技を開発したのだ?」
八幡「……だってほら、寝てる奴とかを簡単に起こせそうじゃん。星露とか星露とか星露とか。」
セシリー「師父しかいないじゃんかー。」
それ以外に昼寝が得意な奴なんて知らんからな。
そして俺たちは控え室に到着して少しだけ休む事にした。
陽乃「八幡くん、しないとは思うけどシャワー浴びてきても良いんだよ?動いたの、君しかいないんだからさ。」
八幡「シャワー浴びる程の汗はかいてないんだけどな。動いたのほんの少しだし。」
すると陽乃が近づいて耳打ちをしてきた。
陽乃「でもさ、この後どうせシルヴィアちゃんと会うんでしょ?だったら少しでも良いカッコしなくちゃ!」
八幡「シャンプーも何もないただのシャワールームに求めるものなんてないんですが、まぁいいでしょう。」
八幡「すまんがシャワーを借りてくる。学院に戻る奴は戻ってて良いからな〜。」
セシリー「お背中流そっかー?」
陽乃「あっ、手伝うよー?」
八幡「洗うもんがねぇってのにどうやって人の背中流すんだよ。」
セシリー「じゃあ覗きに……」
八幡「男の裸なんて誰得だよ……」
そして俺はシャワールームへと足を運んだ。
八幡sideout
ーーーーーー
陽乃「いや〜準決勝なのにこんな簡単に勝っちゃって良かったのかって思えちゃうね。」
虎峰「全くです。少し手こずるかと思っていたのですが、杞憂だったみたいですね。」
セシリー「そういえばさー、シリウスドームでやってるガラードワース対決どうなったか気になんなーい?」
陽乃「あぁ、チーム・ランスロットとハリボテ山の対決だったよね。確かに気になるなー。」
セシリー「そうだよねー。チーム・ランスロットと金髪エセイケメンがどうなったのか気になるしねー。」
虎峰「………大師兄、あの2人は誰の事を言っているのでしょう?」
暁彗「………………皆目。」
そしてセシリーは端末の方をスクリーンの方に写し、シリウスドームで行われている試合中継を写した。
セシリー「えぇ〜なんか戦術変わってない?皆攻めてるじゃーん。」
虎峰「攻撃的になりましたね。でも序列差もあるようですし、全く相手になってませんね。」
陽乃「いい言い方をすればね。悪い言い方なら遊ばれてるよ。」
虎峰「本当に悪い言い方ですね。」
ーーー5分後ーーー
陽乃「………4人全員やられたね。」
セシリー「清々しいねー。」
暁彗「……………チームリーダーも個々の性質を見極められていない。ただ戦わせているだけの試合だ。あれでは経験など得られない。」
pipipi…pipipi…
陽乃「ん?誰かな〜……おっ!シルヴィアちゃんにめぐり〜!来てくれたんだ〜。」
虎峰「シ、シルヴィアさん!!?」
めぐり『私が入っても良いのかどうか分からないんですけど、シルヴィアさんのノリに負けて来ちゃいました。』
シルヴィア『はい。決勝進出おめでとうございます。中に入ってもよろしいでしょうか?』
陽乃「良いよ良いよー上がって〜!」
陽乃はOPENのボタンを押して、2人を控え室へと入れた。
シルヴィア「へぇ〜こうやってみると、錚々たる顔ぶれだね。流石は八幡くんだね。」
めぐり「ほぇ〜この人たちが比企谷くんと一緒に戦ってる人たちかぁ……皆さん強そうだ!」
シルヴィアが来ている事に納得してはいるが、めぐりの事は誰も知らないので、ポカンとしていた。
陽乃「あぁ、紹介するね。今回六花の見学に来た私の高校の頃の後輩で城廻めぐりっていうんだ。」
めぐり「城廻めぐりです!よろしくお願いします!でも、今でも信じられないですよ。比企谷くんと貴方以外全員
陽乃「えっと……めぐり、実はそこにいるオレンジ色の髪をした子は男の子なんだよね。」
めぐり「えぇっ!?男の子!?本当ですか!?私よりも可愛いのに!?」
めぐりさん、男の子にとってそれは褒め言葉ではありません。
陽乃「うん……残念ながら男の子です。」
虎峰「師姉、残念とはどういう意味ですか?」
陽乃「べっつに〜?」
めぐり「ご、ごめんなさい!どう見ても女の子にしか見えなかったもので……」
虎峰「気にしないでください。よく間違われるので。」
セシリー「その人が陽姐のお気に入りの後輩?なんか分かるなー。癒し系というか、ポワポワ〜って感じの雰囲気が漂ってるよねー。」
陽乃「まさしくその通りなんだよね〜。この子ってばガードが緩いようで固かったり、固いようで緩かったりと気まぐれな子だからさー。」
めぐり「むぅ〜子供扱いしないでくださいよ〜陽さん!私だってもう大学生なんです!」
シルヴィア「あの……八幡くんは?」
虎峰「はははは八幡なら、シャワーを浴びている所です!!」
シルヴィア「そうなんだ、じゃあここで待たせてもらおうかなぁ。」
シルヴィアがそう言った瞬間、シャワー室の扉が開いて上半身裸の八幡が出てきた。
八幡「あ〜何もしてなくてもシャワー浴びるのは良いもんだな。」
虎峰「は、八幡、幾ら何でもそんな格好で出てくるのはちょっと………」
八幡「別に良いだろ。そんなこと気にするような女は此処に…………」
八幡はシルヴィアとめぐりがいることに漸く気付いた。
八幡「………いたな、1人。」
めぐり「わ、わぁ〜!比企谷くんの身体ってそんな風になってるんだ〜。す、凄いね///」
八幡「まぁ鍛えてるからな。これくらいは普通だな。」
めぐり「そ、そっか………」
八幡も漸く慣れてきたのか、敬語を使わないようになっていた。
めぐり「………ねね、少し触ってみても良いかな?」
八幡「………別に構わないが、触って何かあるわけでもないぞ?」
セシリー「じゃああたしもー!」
陽乃「私も触りたいなぁ!」
八幡「何でそんなに触りたがるんだよ……俺は良いが、シルヴィにも許可取ってくれ。」
3人は瞬時にシルヴィアの方へと顔を向けた。
シルヴィア「まぁ八幡くんが良いのなら私は別に構わないよ。」
そう言った途端3人は八幡の方へと直行し、八幡の身体をペタペタと触り始めた。特に腹直筋や胸板の辺りなどを中心に。
そして八幡が湯冷めしない内に制服を着てしまったので、あからさまに残念がる3人の姿があった。
こんなまったりがあっていいんでしょうか?