学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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舞台へ

 

 

八幡side

 

 

……何故だろう、今さっきの瞑想よりも心地いい感じがする。自分の身体のどこか分からない場所からも力が集まってくるような感じだ。何処か懐かしい感じもするが、それは分からない。だが、懐かしい感じがするというのは嘘ではない。

 

 

シルヴィア(八幡くーん、そろそろ11時だよー!)

 

 

………もうそんな時間か。にしても、精神の中なのにシルヴィの声が聞こえるって事は、そんな深くに潜り込めてないって事か?いや、潜りすぎてもダメなんだけど。

 

ま、それはさておき、現世に戻るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「……すまないな、身体見てもらって。」

 

シルヴィア「ううん、気にしないで。索冥のおかげで八幡くんの身体のオーラが視れたからおあいこだよ。」

 

八幡「どうだった?」

 

シルヴィア「すごく安定してたと思うよ。どれも特に濃いっていうのも無かったからね。」

 

 

なら全部均等って事か……今のところは大丈夫そうだな。後の方に支障が出なければ良いが。

 

 

八幡「よし、じゃあ行くか。」

 

シルヴィア「うんっ!」

 

 

ーーー六花・外縁移住区ーーー

 

 

「八幡くん、頑張んなよ。」

 

「しっかりやってきてね。」

 

「ビシッとね!」

 

 

「おう坊主!相手なんか叩っ斬ってやれよ!」

 

「嫁さんも応援しっかりな!」

 

「頑張るんじゃよ。」

 

 

 

八幡「ありがとうございます。」

 

シルヴィア「ま、まだお嫁ではありませんよ〜///」

 

 

シルヴィと交際しているのが世間に知られてから、俺たちを取り巻く環境は一変した。俺がこの辺りを通ることは知っていたようだが、シルヴィは変装していたため、知られていなかったのだ。

 

そして報道されてからは堂々と出歩くようになったため、近所やこの辺りの住人からは、よく挨拶されたり、世間話をしたりする。昔の俺なら人付き合いなんて絶対にしないだろうが、今なら普通に出来る。どうだったかは忘れたが、今は特に人嫌いというわけではないからな。

 

 

ーーー商業エリアーーー

 

 

俺たちの住んでいる一軒家の場所はクインヴェールの近くにあるため、メインステージのシリウスドームに向かうには必ず人気の多い場所を通らなければならない。その為、俺とシルヴィは多くの人の目に晒される。

 

もう慣れたことだが、今日のはまた一段と違う。期待、応援のこもった視線が多かった。

 

 

「八幡くん、シルヴィアちゃん!ちょっと!」

 

 

俺たちを呼びかけたのは、いつも野菜や果物を買う時にお世話になってる店のおばさんだった。

 

 

「今日旦那さんの決勝なんだろ?しっかり応援すんだよ!後、八幡くんにはチームの皆に差し入れだよ!頑張ってきな!」

 

八幡「すみませんわざわざ。チームにもよろしく伝えておきます。」

 

シルヴィア「まだ嫁じゃないのに〜///」

 

 

シルヴィ、それはもう諦めろ。

 

 

その後も応援してくれる人がたくさんいた。いつも行くスーパーの店員や色んな喫茶店のマスターとホールの店員、雑貨屋の店員など多くの人が応援しに来てくれた。

 

特に俺から何をしてくれと頼んだことはないのだが、これだけの人が応援してくれる、そう思うと自然と負けられないという気持ちが高まってくる。

 

 

ーーーシリウスドームーーー

 

 

八幡「流石決勝、1年前にも見てるがホントすげぇ人だ。こんだけの人数がよくこの中に入れるよな。」

 

シルヴィア「シリウスドームは1番大きいからね。それだけ導入数も多いし、メインでやる時の規模も大きいんだ。私がまだ新米の時にちょっと大きなライブをやった時もここだったかな。」

 

 

シルヴィの最初の頃か……気になるな。

 

 

でも今は決勝の方に集中しないとな。気を乱したらダメだよな。

 

 

八幡「うし、じゃあ控室まで行くか。」

 

シルヴィア「その前に八幡くん、これを持って行ってもらってもいいかな?」

 

 

シルヴィは腰に巻くタイプのホルスターとハンドガンタイプの銃型煌式武装を俺に差し出した。

 

 

八幡「……銃型の煌式武装?」

 

シルヴィア「もしピンチになったらコレを使って。ないとは思うけど、万が一になったらね。」

 

 

……不安にさせちまったのかもな。けど、シルヴィなりの想いがこもってるんだしな。受け取らないわけにはいかないな。

 

 

八幡「分かった。危なくなったら使う事にする。ありがとな。」

 

シルヴィア「ううん、私のお節介だから。じゃあ控室に行こっか!皆待ってるかもだしね。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

ーーーシリウスドーム・控室ーーー

 

 

八幡「……いるかー?」

 

シルヴィア「おはようございまーす♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽乃「あー!!やっと来たー!八幡くんまた重役出勤だぞ〜!」

 

セシリー「そうだそうだー!」

 

虎峰「またシルヴィアさんと2人きりで………許せません!!」

 

めぐり「おはよ〜比企谷くん、シルヴィアさん!」

 

暁彗「………………」

 

 

八幡「そうは言われてもな……折角、お世話になってる人から果物頂いたんだが、この様子だと暁彗にしかあげられないな。」

 

陽乃/セシリー「「ごめんなさい!!」」

 

 

陽乃さんは最近治ってきたと思ったんだがな……セシリーはホントにプライド無いな。

 

 

虎峰「昨晩はどういったお過ごしでしたか!?」

 

 

虎峰、お前はまず言葉を修正しろ。答える気は無いけどよ。

 

 

八幡「まぁいい……それよりも作戦会議するぞ。チーム・ジャスティスだが、予選と違って攻撃的な戦術をとってる。もしかしたら予選と同じ戦術になるかもしれないが、そこは個人で臨機応変に頼む。まぁ葉山以外は序列外だし、戦いを見た限りでもそれ程突出したような奴はいなかったから、大丈夫だとは思う。」

 

セシリー「八幡、葉山って金髪似非イケメンはあたしと陽姐がやっても良いー?陽姐と約束してるんだ。あの顔面二度と人前に出せないようにしてやるって。」

 

八幡「………状況次第だな。それ以外なんとも言えない。」

 

陽乃「じゃああいつが大人しくしてたら、真っ向から潰しに行ってもいいよね?」

 

八幡「動く気配がなかったらな。ただし、警戒はしろよ。正面から向かって行って即やられましたーなんてカッコ悪すぎるからな。」

 

陽乃「分かってるよ。」

 

八幡「よし……じゃあ「ちょっといいかな〜?」ん?」

 

 

話に入ってきたのは意外な人物、城廻めぐりだった。

 

 

八幡「……何だ?」

 

めぐり「えっとね、葉山くんの動きを見て思ったんだけど、なんかね、ロボットみたいだな〜って。」

 

虎峰「ロ、ロボット?」

 

めぐり「うん。なんか去年の星武祭で比企谷くんと陽さんが戦った自立式擬形体だったかな?なんかそれにちょっと似てたんだ〜。」

 

 

擬形体に?

 

 

めぐり「そんなに深い理由はないんだけど、なんていうのかな〜……動きは滑らかなんだけど、何処か変な感じがするような感じ?機械的っていうのかな?」

 

八幡「……成る程、いまめぐりが言っていた事も頭の片隅に入れておいてくれ。もしかしたら何か分かるかもしれないからな。そんじゃあ各自準備!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次は決勝の紹介&観客の様子などです!


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