学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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届いた弾丸

 

 

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葉山「ハハハッ!!何だよ比企谷、その様は?やられっぱなしじゃないか!」

 

八幡「……お前が言っているような状態ではないんだがな。こういうのは防戦一方っていう使い方が正しいと思うぞ。俺、まだ食らってないからな。」

 

 

八幡と葉山が剣を合わせてから20分。幸先が良かったのは八幡だが、後から攻めにかかったのは葉山だった。確かに八幡の言う通り、防戦一方の状態が続いているが、八幡は葉山の攻撃が見えていないわけではなかった。その証拠に傷を受けてはいなかった。

 

 

葉山「本当に減らない口数だね。君はそんなにおしゃべりじゃなかったはずだけどね?」

 

八幡「そんな昔の俺と比べてんじゃねぇよ。お前も昔と比べて随分と黒くなっちまってんな。あの時の『皆で仲良く葉山くん』はどこ行ったんだよ?」

 

葉山「……下手な挑発は終わりかい?」

 

八幡「あ?今の本心なんだが?それとも文化祭やら修学旅行やらの事を言った方が………ってブねぇな、いきなり攻撃してくんなよ。」

 

葉山「君がその口を閉じないからだよ。」

 

八幡「つー事は、聞かれたらマズイってことだな?これは良いことを知れたな。」

 

葉山「比企谷ァ……いい気になるなよ……うおおぉぉぉぉぉ!!」

 

 

葉山はまた星辰力を練り込んでいた。流星闘技(メテオ・アーツ)でも使ってくるのかと思っていた八幡だが、予想は外れて直接攻撃だった。

 

 

八幡(くっ、せめて反撃くらいは……だがどうやって……っ!)

 

 

葉山「考え事なんて余裕だな、比企谷ァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バァンッ!!

 

 

 

突然の銃声………会場は静寂に包まれた。撃ったのは間違い無く八幡だが、銃声を聞くからに実弾そのものの音だった。

 

 

葉山「……?な、なんだ?何ともない?」

 

八幡「安心しろ、音こそ実弾そのものだが、中身はちゃんとした煌式武装だ。驚くとは思っていたが、観客までノってくれるとは……作戦成功だな。」

 

 

八幡(もらっておいて正解だった。ありがとな、シルヴィ……役に立った。)

 

 

八幡がシルヴィアに対して心の中で礼を言うと、心なしか銃身が光ったように見えた。

 

 

葉山「………それ程でもなかったね。銃の音には驚いたけど、それだけさ。君の不利は変わらないさ。」

 

 

八幡(確かにな……さて、どうするか……ん?あいつに撃った所の袖、なんか紫色に光ってるな。ガラードワースにしては似合わねぇインナーだな。けど、インナーってあんな部分光るか?)

 

 

葉山「行くぞ比企谷ァァァ!!」

 

八幡「一々叫ばないと気がすまねぇのかよっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽乃「それで?君たちは攻撃しないのかな?実夏ちゃんが攻撃しないのは聞いたけど、君たちは別だよ?」

 

ジョー「正直、俺たちも実夏と同じ意見なんです。こんな進み方で優勝しても嬉しくなんてないって。だから俺たちも攻撃しません。」

 

セシリー「別にいいんだよー?個人の意見を尊重してもー。」

 

エレン「これは私たち4人の意思でもあります。ですので、気にしないでください。」

 

陽乃「殊勝な心掛けとは言えないけど、あいつの操り人形にならなかったのは正解だね。」

 

エンデル「操り人形?」

 

虎峰「………どういう事です?雪ノ下師姉。」

 

陽乃「……あの金髪が八幡くんに集中している隙に皆に教えちゃうね。葉山隼人がどんな人物かを……昔の、だけどね。今はどんなのかなんてガラードワースでしか分からないから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡(くそっ……今度は止まってもくれないのかよ。どんだけ俺を倒したいんだよ……けど、攻撃を受けるのも段々辛くなってきたな。)

 

 

葉山「界龍で序列2位って呼ばれているのは口だけかい!?大したことないな!!」

 

八幡「……ガラードワースの序列10位もこんなものか?1位倒してんのに。これじゃあフェアクロフさんを超えてるとは言えねぇな。」

 

葉山「っ!!お前よりは上だ!!」

 

 

ガギィィィンッ!!

 

 

葉山「っ!?」

 

八幡「そんな剣の腕じゃあ、俺は切れねぇよ。(確か、この位置だったな。)フッ!!」

 

 

剣で刺突をした八幡だが、葉山には簡単に躱されてしまった。だが、その隙をついて片方の腕に隠し持っていた銃で葉山の左腕を狙った。

 

 

八幡(……やっぱり同じか。まぁでもあの怪しい光を消せばなんか変わるか?)

 

 

葉山「ふっ……その銃、今攻撃がヒットしたっていうのに全く効いていないよ?その銃の製作者、よっぽど才能がないんだろうねぇ?」

 

八幡「そうか?俺は最高の銃だと思うけどな。」

 

葉山「まぁ、お前のような奴にはピッタリな武器だね。」

 

八幡「おっ、そうか?まぁシルヴィが作ってくれた銃だからな。ピッタリで当然だな。」

 

葉山「………何だって?その銃の製作者がシルヴィアさんだというのは本当か!?」

 

八幡「あぁ、今日の会場入る直前にもらった。」

 

 

八幡(いやぁ……こいつには本当に助けられたな。シルヴィには改めて感謝しないとな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉山「お前……まだシルヴィアさんを誑かしているのか!!?」

 

八幡「………はぁ?」

 

葉山「許さない!!もう手加減なんてしない!!お前を倒して皆の目を覚まさせる!!」

 

 

八幡(マジかよ……勝手にキレやがった。しかもあの妄想、まだ続いてたのかよ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





書いてて思ったんですけど、シルヴィアが想いを込めて作った銃をdisった葉山、マジ○したくなりました。

あっ、今更ですけど、あの銃はシルヴィア自身が製作したものです!見た目はアニメ『トリニティセブン』に出てくる春日アラタがリアライズで最初に出した銃(リボルバー式)です。

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