八幡side
時間は経ち午後の6時。俺たちは再び会場に戻って表彰式を行う予定だ。だが今回の表彰式、ガラードワースは欠席するみたいだ。まぁ予想はできたことだが、1校抜けただけでも、少し寂しい感じはする。
陽乃「表彰の受け取り順どうしよっか?」
セシリー「最後の人が一番大きいのもらうから、一番最後は八幡でいいんじゃなーい?むしろ推奨ー!」
シルヴィア「私も〜!」
シルヴィ、君は早く会場に行きなさい。
陽乃「じゃあ序列順で行く?」
虎峰「それが妥当ですね。僕、セシリー、雪ノ下師姉、大師兄、八幡の順で行きましょうか。」
八幡「……まぁ別にどうでも良いけどな。じゃあ登壇と降壇の順はどうする?」
セシリー「まぁ先頭は八幡だよねー!」
シルヴィア「当たり前だよね〜♪」
シルヴィ、会場に向かいなさい。会長たち待ってるかもしれないんだから!
虎峰「これも序列順で行きますか?」
セシリー「でもそのあとどうするのー?」
虎峰「簡単です。中央に八幡ですから、八幡の右に大師兄、左に雪ノ下師姉と並んで行くんです。そしてセシリーが大師兄の隣で僕が雪ノ下師姉の隣です。」
陽乃「おぉっ!なんか見栄え良いね!入場とかもカッコいいものになりそうだね!ミスらなければ。」
確かに見栄えは良さそうだな、ミスらなければ。
陽乃「じゃあこれで行こっか。あれこれ考えても混乱するだけだしね。」
八幡「この流れからすると、俺って一番楽だよな。」
セシリー「うわー八幡ってば嫌に良い顔ー。」
八幡「じゃあ先頭変わるか?」
セシリー「いえ、結構です。」
敬語やめい、そして口調。
ーーー表彰式ーーー
梁瀬『今回は出場チームが少なかったこともあってか、星武祭の期間が短かったですが、見所は満載でしたね!!特に優勝したチーム・帝龍は見事なものでした!!』
柊『そうですね!!聖ガラードワース学園の事は大変残念ですが、今回のような事を2度と起こさないようにしてくれることを期待しましょう!』
梁瀬『そう願いましょう!!では、表彰に移ります!!星武祭運営委員長、マディアス・メサよりチーム・帝龍にトロフィーが授与されます!!』
マディアス『趙虎峰、セシリー・ウォン、雪ノ下陽乃、武暁彗、そして比企谷八幡。この5名の輝かしい功績を讃えここに賞する。」
梁瀬『ではお一人ずつお名前をお呼びします!』
そこからは順番に呼ばれ、トロフィーを受け取ってまた定位置に戻るという動きだけだった。
梁瀬『最後にチームリーダー、比企谷八幡。』
八幡「はい。」
マディアス『比企谷八幡。貴殿はチーム・帝龍の代表としてチームを指揮し優勝に導いた事を讃え、ここに賞する。君にはつくづく驚かされるよ。去年より一層オーラが増しているように見える。来年の冬にある星武祭《王竜星武祭》を制覇すれば、晴れて君も【
八幡「ありがとうございます。」
そして八幡は、マディアスから一番大きなトロフィーを渡され、チームメイトの真ん中へと戻った。
梁瀬『皆様、優勝したチーム・帝龍に今一度大きな拍手を!!』
観客席からは歓声が上がった。それに呼応するように、セシリーと陽乃さんはトロフィーを掲げていた。虎峰は照れ臭そうにしていて、暁彗は常に無表情だった。俺は暁彗と同じでそのままでいた。いや、少しは笑み作ったりはするよ?
………ん?
シルヴィア「………」
八幡「………」
シルヴィがウインクしてきた為、俺も頷き返した。
………はぁ、これでようやく終わりか。
梁瀬『以上で今年度の《獅鷲星武祭》のすべてのプログラムを終了します!!実況は私、梁瀬ミーコでお送りいたしました!!そして解説は〜』
柊『柊静薙でお送りしましたであります!!』
ーーー控室ーーー
セシリー「んあぁー、終わった終わったー!」
陽乃「やっと終わったね〜。」
虎峰「お二人共、行儀悪いですよ?」
八幡「なんつーか姉妹みたいだよな。やる事とか結構似てるから。」
セシリー「おっ、嬉しいこと言うねー。陽姐、私たち姉妹だってー!」
陽乃「分かってるじゃん八幡くん!その通り、セシリーは私の妹なのだ!」
八幡「意味分かんねぇよ。」
星武祭終わったからぶっ飛んでんなぁ。
めぐり「皆お疲れ様!輝いてたよ〜!」
陽乃「おぉめぐり〜!見ててくれたかなぁ?私たちの表彰♪」
めぐり「はい!皆さんカッコ良かったです!」
陽乃「特に?」
めぐり「比企谷くんが!!……あっ!」
陽乃「ほほぉ〜う?」
めぐり「ち、違いますよ!!1番頑張ってたのは比企谷くんだし、チームリーダーとか、トロフィーの大きさとか、何もかもが輝いていたので!!」
なんか、褒められてるのかよく分からんな。
シルヴィア「皆、改めて優勝おめでとう〜!」
オーフェリア「………おめでとう。」
おっ、2人も来たな。
陽乃「じゃあ私たちも帰ろっか!めぐりは明日だよね?」
めぐり「はい!明日の10時に帰ります!」
陽乃「オッケー♪」
虎峰「僕たちも界龍に戻りますか。」
セシリー「そうだねー。」
暁彗「………………」
八幡「じゃあ俺たちも帰ろうか。」
シルヴィア「うん、そうだね。」
オーフェリア「………じゃあ私も帰るわね。本当はもう少し一緒にいたいのだけど、我慢するわ。」
こうして《獅鷲星武祭》は閉会し、日常へと戻った。