シルヴィアside
《獅鷲星武祭》も終了して、今は私たちの家に帰っている所です。帰る途中には、朝に商業エリアで応援してくれたお店の人たちからも祝福を受けて、優勝祝いだとお肉や野菜、果物、お菓子の詰め合わせやお花など、色んな物を頂いちゃった。八幡くんはトロフィー持ってるから私が持とうと思ったんだけど、八幡くんが私にトロフィーを渡して、自分から貰い物を持ちに行った。
まさか帰りにこんな大荷物になるとは思わなかったけど、これも八幡くんが六花の人たちに認められているって事だから、私も嬉しくなっちゃう♪
外縁居住区辺りまで来たら、此処にも八幡くんを祝福してくれる人が大勢いた。サインや握手を要求してくる人はいなくて、純粋に八幡くんをお祝いしようとしている人なんだなって感じた。
そしてこれは商業エリアと外縁居住区共通であったことなんだけど、私たちはまだ夫婦じゃありません!///
ーーーマイホームーーー
やっと帰ってきた、私たちの家に。なんだかいつも以上にこの家の存在が暖かく感じるのは気のせいかな?………ううん、気のせいじゃないかもね。この家が出来て、八幡くんと一緒に住むようになってからは、この家があって当たり前みたいになってたからね。いつも出迎えてくれてありがとう♪
シルヴィア「帰ってきたね。」
八幡「あぁ、漸く終わったな。」
シルヴィア「なんだか今回の星武祭は出場チームが少なかったからあっという間だったね。来年はどうなるかな?」
八幡「《王竜星武祭》だからな、1番多いんじゃないか?けど、オーフェリアは多分出場しないと思うぞ。いままで命令されてやってきただけだからな。」
そういえば今の所有者は八幡くんって事になってるんだよね。じゃあオーフェリアさんが試合に出たい時は、八幡くんの許可を得ないと出られないってことだよね。
八幡「来年は今年みたいにならないといいけどな。多分滅多なことじゃあ起きないだろうが。」
シルヴィア「うん、今回が初めての事例だから。きっともう起こらないと思うよ。検査とか絶対に強化されると思うしね。」
八幡「そうだな、そうであって欲しい。」
シルヴィア「うん、こうならないためにもね………はい!じゃあこの話はお終い!早く中に入って休もっ♪そしてお願い事のおさらいね!」
ーーー居間ーーー
シルヴィア「……つまり、火と水は八幡くんの陰陽術でやりくりして、なくなったら朱雀と玄武でフォロー。これなら費用は大体削減出来るけど、八幡くん大丈夫?」
八幡「そこらへんは問題ない。朱雀と玄武の力が込められた宝玉を作ったから。これで呪符がなくなった時でも料理や食器洗いも出来る。まぁ呪符も多めに作っておくなら問題はないと思うけどな。」
シルヴィア「じゃああとかかるものは……電気代、食費、飲料代……って所かな?」
八幡「今のところはな。本当は電気もどうにかしたかったんだが、雷は陰陽術に含まれてないんだ。あれは合わせ技だからな。出来なくもないが、術式が複雑だから難しいんだ。すまない。」
シルヴィア「いいよいいよ、気にしないで。でも初めてだろうね、蛇口のない流し、ガス栓の無いコンロ。こんなキッチンは世界で初めてだよね。」
八幡「これ、絶対世界でバカウケするよな。」
シルヴィア「きっと世界で陰陽術か魔法が使える人にとっては思いもよらないところで役立つスキルだよね!」
だって普通思わないもんね。戦闘系スキルを家事の方で役立たせるなんて。
八幡「だな。【華焔の魔女】なんて、あの炎制御出来れば、焼肉とか炒め物も出来るしな。」
シルヴィア「確かにそうだ!じゃあ私は?」
八幡「シルヴィアは………料理に役立つような能力ではないな。代わりにお店のBGMの曲は作れそうだ。」
シルヴィア「おぉ〜確かにそういう使い方もあるね!八幡くん柔軟性あるなぁ。じゃあ八幡くんの能力は?何に役立つ?」
八幡「………影と幻ってなんか役立つっけ?」
シルヴィア「………よく分からない能力だね。」
八幡「俺なら影の中に潜れる事だが、幻が分からん。幻影を見せるくらいか?」
八幡くんの能力を戦闘以外で約立たせるのは難しそうだなぁ。
その後も私たちはお料理屋さんの設計を打ち合わせして、終わったと同時に貰ったお肉と野菜で晩御飯を作ってから、一緒にお風呂に入った。
ーーー寝室ーーー
シルヴィア「………昨日は、ここで一番の幸せを迎えたんだよね。」
八幡「………今日も……するのか?」
シルヴィア「ううん、流石にしないよ。疲れた状態の君を追い込むようなことはしたくないから。」
八幡「……そうか。」
シルヴィア「明日は星武祭運営本部に行くんだよね?お願い事、よろしくね。」
八幡「あぁ、任せとけ。」
そして私たちは、いつものように抱き合って眠りについた。この時私は、いつもより幸福感を多く感じる事ができた。
20話ぶりのこの回です!
もしもこんなやり方があったら?その5
『ときめきの世界で』
シルヴィア「私……私ね、どうしちゃったんだろうね?分からないんだ。こんな気持ち、君といると混乱して、動揺しちゃって……」
シルヴィア「八幡くんが他の人と仲良くしている所を見ると、すぐカッとなって、冷たくしちゃったりして……」
八幡「シルヴィ……」
そしてシルヴィは背を向けていたが、振り返って俺の方を向いた。
シルヴィア「八幡くん、絶対私の事嫌いになる。その度に落ち込んで、不安になってたんだ。でも、どうしようもないの!」
シルヴィア「八幡くんの事を考えると、私が私でなくなっちゃう気がして!でも、八幡くんがいなくなるって聞いて、私凄く寂しくなって……胸が張り裂けそうになるくらい悲しくて……」
シルヴィア「やっと分かったんだ。この気持ち、この胸の痛み、君の事をどう思っているのか。」
シルヴィア「私、これでも怒りっぽいんだ。ヤキモチ焼きで意気地無しなんだ。陽乃さんやセシリーみたいに素直になれないから可愛くないでしょ?」
シルヴィア「でも、そんな私でも八幡くんは私を支えてくれていた。本当は私の事呆れていたのかもしれない。」
シルヴィア「でも私、八幡くんの前だと自分を作らずにありのままでいられたの!いつも私の近くで笑ってくれていた!八幡くんだけが私の事をちゃんと……シルヴィア・リューネハイムとしてみててくれていたの!」
シルヴィア「八幡くんといる時だけは自分を作らずにいられた。だから……私……」
暫く何も言わなかったが、何か言うと思ったら俺の方に駆け寄ってきた。
シルヴィア「こんな私でも良い?意気地なしで、ヤキモチ焼きで、嫉妬深くてすぐに怒っちゃう私でも………八幡くんを、貴方を好きでいて良いですか?」
八幡「なぁ、シルヴィ。」
シルヴィア「……?」
八幡「メアド、教えてくれるか?」
シルヴィア「っ!!…………うん!!」
こうしてとある学校の木の下で新しいカップルという花が咲いた。そして、その学校の樹にはこんな伝説が生まれた。
『どんなに遠く離れていても、結ばれた2人の思いを繋ぎ、紡ぎ合う恋慕の樹』と。
これも殆どまんまですけど、皆様はどのアニメか分かりますか?自分戦闘モノが好きですが、こういうアニメも好きです。