学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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《獅鷲星武祭》最後の話です!

ただの後日談みたいなものですが……




《獅鷲星武祭》後の報告

 

 

八幡side

 

 

《獅鷲星武祭》が終了して早1週間が過ぎた。あれだけの事があった星武祭の騒ぎが嘘のように静かになっている。まぁ毎年の星武祭の盛り上がりを考えれば、熱気が冷めるのが早いのも何となくは想像出来る。

 

俺の学院で星武祭に出たメンバーも、優勝した事が無かったかのようにいつもの鍛錬に励んでいる。まぁ界龍では優勝なんて二の次なんだろうけどな。

 

 

優勝した俺たちチーム・界龍は、星武祭が終了した翌日に自身の願いを統合企業財体に叶えてもらうために運営本部に赴いた。

 

結果から言うと、全員問題なかった。

 

虎峰は保留との事だった。始まる前も言っていたが、本当に欲がない奴だ。

 

セシリーも保留との事だった。よく考えてみれば、あいつも今回の星武祭に出た動機は俺が出るから、だったな。

 

陽乃は《鳳凰星武祭》で分取った新開発エリアの改築だった。設計図は殆ど完成してあった。流石は母親が建設系の取締役なだけはある。

 

暁彗は珍しい茶葉の要求だった。前言ったのとは打って変わって珍しい茶葉の種類を全てだそうだ。意外と欲がある方なんだと思った。

 

八幡もとい俺は料理店の新築だ。場所は商業エリアの隅の方であまり目立たないような場所にした。内装も問題はなかったが、キッチンの面ではやはり驚いていた。そりゃそうだ、ガス栓不要、蛇口、水道不要の流しなんて聞いたことないからな。まぁOKだったけど。

 

 

その後は工事の方に取り組んでいた。俺も陽乃さんも設計図の方は提出してあるから、その辺は問題ないと思う。抜けてる所以外は。

 

 

因みにだが、俺の設計図も雪ノ下の母親に手伝ってもらった。あの人、少し厳しそうに見えて割と丁寧な教え方するから分かりやすかった。

 

 

こうして俺たちの星武祭はこれで全て片付いたと言える。

 

 

さて、次に話すのはあいつの事だ。

 

 

《獅鷲星武祭》の決勝でレギュレーション違反をした葉山だが、処罰が決まった。

 

六花の永久追放に決まった。様々な案件が広がったようだが、今回はそれで収まったらしい。ニュースでも見たが、いま日本の千葉にいる葉山の両親宅はかなりのマスコミが押し寄せていた。中にいるのかどうかは不明だが、両親が出てくる気配は無かった。

 

この時、俺はつくづく思った。雪ノ下建設が葉山との弁護士関係を切っておいて良かったと。

 

 

これによって葉山自身と葉山家は手痛いとは言えない程の打撃を受けていた。俺が言ったら残酷かもしれないが、葉山は社会復帰はできないレベルになっていると思う。今回の星武祭の事で顔も名前も世間にバレてる。そんな男が社会に出て良い顔をできるかと言われたら、出来るはずがない。

 

葉山の両親も可哀想だ。息子がしでかしただけでこんなにも辛い思いをしなくてはいけないんだからな。元々実力もあり、人望のある葉山の父親の信頼も大きく失われるだろう。だが、これで葉山は六花に来ることはできないし、会うこともないだろう。俺が千葉に戻らない限りは。

 

 

葉山が使っていたレギュレーション違反の道具だが、あれは葉山が偶々産業廃棄物の不良品の中にあったものから取り出した物だった。その中の物は煌式武装が殆どで葉山が使っていたのもそれだった。

 

籠手型煌式武装だったらしく、手の部分を取り外してから他に拾った脚絆型煌式武装とチョーカーをコードで繋ぎ合わせてみたら、身体が軽くなったように感じたらしい。

 

 

次に攻撃の先読みだが、あれはチョーカーに脳内伝達式の隠しカメラが設置されていて、攻撃してきた相手の動きを曲線状に描きながら本人へと支援するものだった。

 

 

最後に相手の星辰力を奪う能力だが、まだ解明していないらしい。実際に葉山が使っていたかどうかも分からない。俺は今回の決勝では星辰力使ってないから奪われなかった可能性もある。これに関しては、まだ解析中との事だった。

 

 

葉山が使っていた廃棄した煌式武装の製作者は、アルルカント・アカデミーの《獅子派》副会長のナルシス・ペロワだった。本来なら責められる立場にあるが、本人も身に覚えのない状況で、見た目が変わっていたのだから、分からないのも無理はないだろう。

 

あの廃棄物はアルルカントが自ら指定管理を行っていた場所だった為、今回はお咎め無しとのことだった。

 

 

ガラードワースの上層部もこれは認めないわけにもいかず、緊急の謝罪会見を開いてカメラの前、視聴者の前で頭を下げた。

 

ガラードワース自身も、今年度における星武祭のポイントを全て破棄し、《獅鷲星武祭》に出た生徒の戦績は無効になった。流石に《鳳凰星武祭》の結果は消去するわけにはいかないから、それはそのままらしい。そしてこれが一番残酷なもので、出場権の回数は元には戻さないらしい。規律に厳しいのは知っていたが、出場権くらいは元に戻してもいい気がする。

 

 

そして今回の騒動の責任として、ガラードワースは《獅鷲星武祭》の支出負担を全て負担する事を発表して俺がステージを半分地面丸出しにしたのもガラードワース持ちになるということになった。なんかごめんなさい。

 

 

一波乱あった《獅鷲星武祭》騒動もこれで一段落ついた所だろう。まだ後処理が残っているかもしれないが、それも追い追いだろう。

 

 

後は……「八幡くーん!早く早く〜!!」……おっと、少し話し過ぎていたようだな。因みに今はシルヴィと週に一度のデートでな。この話はこれで終いだ。

 

 

八幡「わるいわるい、今行く。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





これで《獅鷲星武祭》終了でございます!!

終わりましたね!計66話でした!!少しペースを早めにしたので前に比べるとやっぱり少ないですね。

さて、次は皆さんお待ちかねの八シルシリーズです!何が出るかは、明日次第です!

ではでは!!


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