八幡side
いよいよ決戦の時だ。俺は今、界龍に向かっている。起きた時には、アレマさんはもう居らず、替わりに書き置きが置いてあり、
アレマ『先に界龍で待ってるぜ。目立つだろうが、君の控え室は朱雀の間の左側だからな。あんたの本気、界龍のガキ共に見せつけてやんな!』
っと、書かれていた。何ともまぁお気楽な文章だが、あの人らしい。ん?そんな事やってる内にもう着いたか。
それにしても、お出迎えがやっぱりあいつらか。だが、今はそんな気分じゃねぇ。
虎峰「八幡っ!!今まで何処に行っていたのですか!?」
セシリー「そうだよ比企谷ー!あたし達心配だったんだよー!?」
沈雲「さぁ、洗いざらい説明してもらうよ?今回ばかりはね。」
沈華「逃げようなんて考えないでよね?」
陽乃「そこのところ覚悟してるよね〜?比企谷くん。おねーさんすっごく寂しかったんだからね〜?」
八幡「今はやめてくれねぇか?」
虎峰「あ、あれ?八幡?」
陽乃「き、消えた……?」
沈雲「そんな……あり得ない。さっきまでそこに居たはず……」
沈華「……気配も全く感じないわ。」
セシリー「もしかして……もう通り過ぎたとかってあったりする?」
はい、正解です。もう控室まで来てます。うん、俺の名札がある。
ガチャッ
………よし、誰もいない。立ち入り不許可にして少し瞑想でもするか。試合まであと30分しかないからな。
八幡sideout
暁彗side
暁彗「………………」
冬香「………………」
暁彗「………………比企谷八幡の方に行かなくてもいいのか?」
冬香「はい。彼はもう着いている頃でしょうが、私が行っては邪魔になるでしょうし。それに、おそらく比企谷さんも貴方と同じことをしていると思いますので。」
暁彗「………………そうか。」
冬香「ですが、私ももう行きますね。これ以上ここにいては、貴方も気が散るでしょうし。試合、頑張ってくださいね。」
暁彗「………………フッ。」
………………楽しみだ。
暁彗sideout
星露side
星露「どうじゃった?2週間あやつを鍛えておったのはお主なんじゃろ?アレマよ。」
アレマ【流石星露ちゃんだね〜。確かにあたいが鍛えてたよ。暁彗に比べたらまだまだ荒削りだけど、磨けばそこらの宝石よりも輝くと思うぜ。やっぱり汪さんは見る目あるよねぇ〜。】
小苑「ほほう?それは良いことを聞いたのう。儂の目に狂いはなかったか。」
星露「おぉ!来おったか!連絡は入れておったが、中々来んから、てっきり来んのかと思ったぞ?」
アレマ【汪さん?来てたんだね。やっぱり弟子が気になるのかい?】
小苑「儂の弟子2人が拳を交えるんじゃぞ?気にならん方が可笑しいわい!」
星露「にしても、お主らはどちらが勝つと思う?暁彗か比企谷か。」
小苑「儂は長い事、暁彗を見ておらんからの。どっちが勝つかなんて分からんわい。八幡がどこまでやれるのかってところじゃな。」
アレマ【あたいは八幡ちゃんに賭けようかな?やっぱ信じたくなるんだよねー。】
星露「ふむ、お主ら両方随分と比企谷を持つのう?妾にはよう分からんのう。」
アレマ【まぁしょうがないと思うよ?だって星露はまだおこ「それは、まだお主がお子様だからじゃろう?よしよし、無理をするな。お主にはまだ早いからの?ゆっくり見極めていけばよいのじゃ。」あーぁ、あたいが言おうと思ってたのに……】
星露「くーー!!お主っ!妾を子供扱いするでない!何度言えば分かるのじゃ!!」
全く此奴はっ!いつも妾で遊びおって!……まぁよい、もうすぐ試合じゃ。彼奴ら2人がどんな試合をするのか見物じゃな。
星露sideout
ーーーーーー
『
………終わったか。さて……準備はいいか?祢々?
祢々『僕はいつでもいいよー!ハッチ、頑張ろーね!』
八幡「あぁ。」
そして俺は、フィールドに向かう。
実況『皆さん!お待たせいたしました!本日のメインバトルの始まりです!!なんと今回はあの会長の1番弟子がフィールドに出てきまーす!』
ウオオォォォォ!!!
実況『会場の皆様のボルテージはマックス!!選手の紹介をする前に、当学院生徒会長の茫星露様よりあいさつです!』
星露「皆の者、本日の最終試合は妾も楽しみにしておる。主らも気分を害するような事はせぬようにな?」
実況『ありがとうございました!さて、それでは選手をご紹介致します!学院入学から今日まで全戦無敗!!絶対的な力と圧倒的なパフォーマンス!難攻不落にして不動の序列2位!【万有天羅】の1番弟子で【
再び大きな歓声、それと共に武暁彗もフィールドに出てくる。
無表情は変わらないが、その威圧感はかなりのものである。
実況『対するは、この学院に転入してから1ヶ月!実力も能力も全て謎!序列2位に挑まれ、堂々と宣戦布告をした命知らず!!本日はどんな戦いを見せてくれるのか!?その度胸は勇気かはたまた蛮勇か!比企谷八幡ー!!!』
boo〜!!!
思いっきり野次飛んでんなー。俺どんだけ嫌われてんだよ。
生徒1「おーい!お前が大師兄とやったってボコボコにされるだけなんだから、さっさと殴られて終わっちまえよ!」
生徒2「お前なんかが大師兄と戦ったら、大師兄に泥がつくだけなんだよ!」
生徒3「お前なんて瞬殺だよ瞬殺!大師兄に勝てるわけねぇんだよ!」
うわぁ……言いたい放題だな。ブーイングもやたら多いし。まぁ当然か。
実況『み、皆様!落ち着いて下さい!』
それでも、ブーイングの嵐は止まない。此処までするか?俺そんな酷い事したか?
虎峰「くっ!八幡の事も知らないで勝手なことをっ!」
陽乃「……でも当然といえば当然だよ。暁彗に喧嘩を売ったんだからね。」
冬香「比企谷さんも、予想くらいは出来ていたのではないでしょうか?」
すると突然、強く濃密な殺気が会場を包んだ。
星露「ほう?お主ら、いい度胸じゃの?妾は最初に言ったはずじゃぞ?害することはするなと。」
小苑「今のは儂も腹が立ったのじゃ。どれ?此奴らの前に儂等とお主らとで遊んでもよいのじゃぞ?」
アレマ【それに、八幡ちゃんはあたいが鍛えたんだよねー。いくら素性が知れないとはいえ、それは如何なもんかね?心の広いあたいでも、流石にキレるぜ?】
星露「それとそこの3人、ちょうど3対3じゃ。うぬらと妾たちとで決闘してもよいのじゃぞ?」
小苑「おぉ、それは良い考えじゃな。」
アレマ【良い稽古になるね〜。】
生徒3人「……………」
ヤベェ………顔は笑ってるのに目が全然笑ってねぇ。あの3人震え上がっちゃってるよ。仕方ねぇ、止めるか。
八幡「あの……そういうのいいんで、早く始めてもらってもいいですか?」
アレマ【八幡ちゃんはこのまま始めろって言いたいのかな?】
八幡「そうですけど?」
小苑「八幡よ、いくら儂でも聞けんぞ。弟子をバカにされて怒らぬ師などおらぬ。」
星露「妾の忠告を無視したのじゃからな、それ相応の対価をもらわねばな。」
八幡「ですからそれを後にして下さい。あったまった身体が冷えちゃいますよ。それとも何ですか?この試合中止にして3対3の決闘、始めちゃいます?」
3人「…………」
………どうだ?
アレマ【……ま、今回は八幡ちゃんの優しさに免じて見逃してあげるよ。】
小苑「命拾いしたの。次はないぞ?」
星露「また忠告を無視しおったら、覚悟せいよ?小僧共。」
はぁ……収まってくれたか。
八幡「すいません、俺のせいで。」
暁彗「………………いや、これは私の責でもある。私も謝罪しよう。すまない。」
八幡「いえ……気にしてないんで。」
実況「そ、それでは気を取り直して、本日のメインバトル、武暁彗VS比企谷八幡の決闘……スタートです!!」
『
ドクンッ………
ドクンッ………
ドクンッ………
『
生徒3名の方々、なんか悪者扱いしちゃって申し訳ないです!