八幡side
2日目の朝。今はカーテンをしてるから朝の日差しはそんなに無いが、隙間からは日光がチラリと出ていた。おそらく今日は晴れだろう。俺の起きた時間は6時半、まぁこれくらいならちょうど良い時間だろう。
ここまでは良い、だがここからだ。俺の両サイドに居る2人が問題だ。シルヴィの方は俺の腕に抱き着いて足も絡ませている。オーフェリアも同様だが、違う点は首に手を絡ませている。いつもは楽々抜け出せるんだが、今回はそうもいかないようだ。
八幡「………これどうすんだよ。両腕使えない状態でどうしろってんだよ………」
動きたいのに動けない。動けるのに動けない。この辛さ、多分運動をやっている奴なら分かるだろう。そこまで酷い怪我じゃないのに酷使扱いされて当分の運動はなしとか……でもこれはそんなんじゃねぇ!
単に寝てるだけだと思ってるんだろ?それだけじゃねぇんだって!2人共すげぇ気持良さそうに寝てんの!いや、最高級ホテルだから寝心地良いんだろうけどね、俺にも気を遣って!出られないの!
八幡「………どっちでも良いから起きてくんねぇかな。これじゃあ動けねぇよ。」
オーフェリア「………分かったわ。」
八幡「え?」
隣から物静かな声が聞こえた。白い長髪を揺らしながら身体を起こしたのは、オーフェリアだった。
オーフェリア「………おはよう八幡。」
八幡「起きてたのならそう言ってくれよ。」
オーフェリア「………私、枕が違うと寝付けないタイプなの。」
八幡「………あぁ、成る程。」
オーフェリア「………でも今回は八幡が居るから、いつもより長く寝付けることが出来たわ。過去最高記録よ。」
八幡「………俺が居たからかどうなのかは置いとくが、眠りが浅い方なのか?」
オーフェリア「………大体5〜6時間くらいね。でも今回は寝たのが9時で起きたのは6時だったから、9時間も寝れたって事ね。これは絶対に八幡のおかげね。」
コイツ、何が何でも俺のおかげにしないと気が済まないのか?悪い気はしないが、たかだか睡眠時間でお礼言われてもな………
八幡「因みに目覚めはどうだったんだ?」
オーフェリア「………八幡のおかげで最高だったわ。途中で起きる事も無かったのだから。」
八幡「(また俺か……)……そうか、それは何よりだ。それでよオーフェリア、俺着替えたいから手を放してもらっていいか?」
オーフェリア「……………………分かったわ。」
ねぇ、今の間は何?いつもより長くなかった?
まぁ何はともあれ、俺は無事に抜け出す事が出来たってわけだ。え?シルヴィはどうしたって?放す気配が無かったから俺の分身を使ってますが何か?
ーーー1階広間ーーー
着替えも終わって朝飯と行きたいところだが、まだ朝の7時。此処の朝食は8時からと決まっている。後の1時間はシルヴィの目覚めを待つ時間と、オーフェリアの相手をする時間である。何この耐久レースみたいな奴。
っていうかオーフェリア、君は何故俺の膝に頭を乗せて膝枕状態になっているんだ?しかも落ち着いてるし。まぁ俺もニュース見てるだけだから別に構わないが……
八幡「………」
オーフェリア「………」
テレビ『続いてのニュースです。』
何も話す事が無い。それどころか、オーフェリア相手だとこの空気も悪くないって思えてくるから余計に話せない。なんか話題ねぇかなぁ………
オーフェリア「………八幡。」
八幡「ん、何だ?」
オーフェリア「………八幡は次の《獅鷲星武祭》に出場するの?」
八幡「あぁ、もうチームも組んでるからな。そして来年の《王竜星武祭》も出るつもりだ。」
オーフェリア「………《王竜星武祭》、私はどうするべきかしら?」
八幡「ん?それはどういう事だ?」
オーフェリア「………私は今まで命令されてたから出場していただけなのだけど、もうそれもないからどうしたら良いのかと思って……」
あぁ……成る程な。
オーフェリア「………それに、私の新しい所有者は八幡だから、貴方の命令には従うわ。勿論、貴方の命令に従わないつもりは無いわ。寧ろ今まで以上に従順で行くつもりよ。」
八幡「頼むからそういうノリはやめてくれ。俺はそういう命令とかは嫌いなんだ。オーフェリアの好きにすれば良い。出たいのなら出れば良いし、他の何かに興味があるのなら、それに費やせば良い。」
オーフェリア「………八幡の写真集めでも良いの?」
八幡「………そんなの売ってんの?」
オーフェリア「………冗談で言ったのだけど、もしあったら?」
八幡「即刻処分する。俺そういうの許可してないし。なんなら販売なんてバカげてる。ライブとかならまだ納得出来るが、普通の販売は納得しかねる。」
オーフェリア「………安心して。販売もしてないし、買ってもいないから。私は実物で充分よ。」
うん、それ聞いて俺ちょっと安心。
八幡「だが、俺はオーフェリアの趣味なんて花関係くらいしか知らないからな。他に何かあるのか?」
オーフェリア「………これといって無いわね。最近やっている事や熱中している事なんて何も無いから。」
八幡「まぁいつかでいいから、俺の学院にでも来るか?そうしたら何かあるかもしれんぞ。まぁ、中国系統ばっかりだけどよ。」
オーフェリア「………でも泊まりはどうするの?」
八幡「あぁ~……俺の部屋でもいいか?」
オーフェリア「その時になったら必ず行くわ。日が良くなったらすぐに教えてちょうだい。」
………何でそんなに早口?なんかしたっけか?まぁ趣味を見つけるって理由なら、学院に呼んでも良いだろ。
その後シルヴィもようやく起きて来て、着替えを済ませてから朝食へと向かった。因みに朝食はバイキングだったんだが、バイキングでも1つ1つの料理がすげぇ美味かった。