学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回、みなさんが期待しているような展開にはなってないと思います。


水の中で

 

 

ーーーーーー

 

 

カップルコースのイベントが開始され、全員がプールに潜った。水上にいるお客目線で見ると、苦しそうにしているようなカップルはおらず、全員が横一線という状態だった。

 

一応水中でも撮影出来るように、小型衛星カメラがプールの中に5機程潜らせていて、カップルの様子を撮影していた。当然このカメラは、モニターや端末でも見ることが出来る。

 

 

少しだけカップルの様子をのぞいて見ると、手を繋いでいるカップルが殆どで、繋いでいないのが極端に少なかった。八幡とシルヴィアも繋いでいる方だった。

 

10秒くらい経過しているが、まだ上がってきそうなペアはいなかった。

 

 

「皆まだ余裕そうだね!」

 

「そうね、まだ10秒だもの。」

 

「それよりも、私は比企谷さんとシルヴィアさんが気になるなぁ。カメラに映ってくれないかなぁ。」

 

「貴女、比企谷さんとシルヴィアさんのファンだものね。気にならないほうがおかしいか。」

 

「きっと数が減って来たら映るよ。」

 

 

ーーー30秒経過ーーー

 

 

スタッフ『おお〜っと!ここで17番と8番のペアが男女共に上がってきました!!結果は30秒!お疲れ様でした!!残りのペアは12組となりました!」

 

 

「えぇ〜まだ潜ってるペアいるの〜!?」

 

「すげぇ肺活量だな………」

 

 

「結構頑張ったつもりだったんだけどね……」

 

「でも楽しかったね♪普段出来ないことが出来たから。」

 

「そうだね。」

 

 

カップルコースの出場ペアは20組いてその内8組は既に脱落してプールから上がっていた。

 

 

オーフェリアside

 

 

クローディア「比企谷さんたちは順調そうですね。カメラにはあまり映っていないようですが、何故でしょう?」

 

綾斗「確かに映らないね。どうしてだろう?」

 

オーフェリア「………今のところ、最初に映ったあれだけね。早く映らないかしら。」

 

 

………そうでなきゃ意味がないのに。八幡のかっこいい所が見られないわ。

 

 

紗夜「ないとは思うが、透明になっているとか?」

 

綾斗「まさか。比企谷さんの能力は影を操ることだよ?影で透明にはなれないよ。それに、紙の札も持ってなかったしね。」

 

 

………確かに、八幡は影以外の能力を使えていたかしら?私は影の能力と武術、陰陽術しか知らないわ。

 

 

ユリス「そう言っているうちに脱落者が増えてるぞ。残りは5組か……やはり1分を超えられそうなカップルはいないか?」

 

 

オーフェリアsideout

 

ーーーーーー

 

 

スタッフ『さぁ、40秒が経過して残りペアも少なくなってきました!現在5組!果たしてとのペアが優勝するのか!?ああっとぉ!此処で2番の女性が浮上してきました!しかし男性はまだ潜水中ですので続行です!』

 

 

4分の1がまだ潜水中で必死に耐えていた。その中で片方が上がっているペアが4組でいずれも女性だった。だが、男女共にまだ潜水中のペアがいた。最後にエントリーした八幡とシルヴィアだった。

 

 

カメラも5機なので、それぞれのペアを映すことが出来ていた。八幡とシルヴィアは特に何という様子はなかった。40秒も潜っているのに、苦しそうな仕草も出していなかった。

 

 

ーーー50秒経過ーーー

 

 

スタッフ『さぁ、まもなく1分です!現在残っているのは3組!だが2組の男性は苦しそうだ!いまだに潜っている20番の男女ペアは強いぞ!苦しそうな様子もない!これはとんでもないカップルだ!!』

 

 

20番のペア、それは八幡とシルヴィアの番号である。男は兎も角、女がここまで耐えられるのは少し信じ難いだろう。そこで、次は2人の様子を見てみることにしよう。

 

 

八幡&シルヴィアside

 

 

八幡(何組残ってるんだ?出来ればシルヴィを上がらせたい。もう限界だろうに。このやり方じゃあバテがくるぞ。いや、水中の時点でバテは存在するんだけどな。)

 

シルヴィア(……ま、まだいける。八幡君と一緒に優勝したいもん!)

 

 

シルヴィア「……っ!」

 

八幡「………んーん?」

 

シルヴィア「んん!」

 

 

八幡(まだやるのか……)

 

 

八幡とシルヴィアはお互いに少しだけ近づき、突然キスをし出した。おそらく互いに息を送り合っているのだろう。この方法は30秒くらいから思いついたもので、10秒おきにシルヴィアが八幡にHELPを出していた。

 

 

シルヴィア(……よし!まだいけそう!)

 

八幡(シルヴィ……上がって休憩していたほうがいいと思うんだが……)

 

 

八幡&シルヴィアsideout

 

 

ーーーーーー

 

 

「はぁっ!!……はぁ……はぁ……ど、どうだ?」

 

 

スタッフ『4番の男性がついに限界!!惜しくも優勝を逃しました!!』

 

 

「マ、マジかよ……まだ潜ってるペアいるのか……」

 

 

スタッフ『さて、此処からは耐久戦です!!今残っているペアがどこまで我慢できるかの勝負です!因みに今のタイムは1分と5秒です!!』

 

 

ーーー1分半経過ーーー

 

 

………ブクブクブク

 

 

スタッフ『おっと?泡が見えてまいりました!もしや限界か?」

 

 

そして………

 

 

八幡&シルヴィア「ぷはぁっ!!」

 

八幡「はぁ……はぁ……結構潜ってた気はするが、どのくらい経ってるんだ?」

 

シルヴィア「はぁ……あっ、時計あるよ!1分33秒だって。」

 

八幡「随分潜ってたな。」

 

 

スタッフ『終了〜〜!!只今最終組が上がってまいりました!!今回のカップルコースの優勝ペアは………20番、比企谷八幡&シルヴィア・リューネハイムペアです!!』

 

 

見ていたお客からは拍手と歓声が上がった。

 

 

スタッフ『それでは優勝した20番のペアには、後程参加料を返金致します!これにて、カップルコースのイベントを終了致します!引き続き、当プールをお楽しみ下さい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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