八幡side
まさか1分半も潜っていたとはな………まぁ息を送り合ってたから少しは持ったと思っていたが、だいぶ持ったな。まぁ優勝できたからいいか。
シルヴィア「あっ、オーフェリアさん居たよ!星導館の皆もいるみたいだね。」
八幡「そうみたいだな。席も2つ空いてるみたいだし、大丈夫そうだな。」
さて、俺たちもゆっくりするか。潜りっぱなしで少し疲れた。
オーフェリア「………お帰りなさい、八幡、シルヴィア。優勝おめでとう。」
八幡「おう。なんかそのフレーズ言われると、星武祭勝ったみたいになるな。他に言われる時がないからよ。」
綾斗「界龍では何かやらないんですか?」
八幡「界龍がそんな俗っぽいことをする学院だと思うか?毎日鍛錬だらけだよ。」
紗夜「面白いことはないのか?」
八幡「そうだなぁ………最近だと、自販機を設置したんだが、ジュースだけが即売り切れになることだ。仕入れた日になっても売り切れになってる。残っているのは水とお茶だけだ。」
ユリス「お前の学院は飲み物に飢えているのか?」
いや、そうじゃないんだって。味のついた飲み物はお茶しか飲んだことがないんだって。ジュースは知ってるけど、飲めない環境にあったんだって。
綺凛「………で、でも、面白いと思います!ちょっとした話題には良いと思いますよ!」
クローディア「そうですね。他には何かないのですか?自販機の他に何か置いてあるとかは?」
八幡「そこまで予算かけられねぇよ。今のは俺の一提案だったから通っただけで他のが通るとは思えない。」
シルヴィア「その他って?」
八幡「プロテイン。」
………なんだよ、この静寂は。
八幡「まぁ何となくわかってたよ、そんな反応するだろうってな。」
ユリス「あぁ……流石に誰も買わないと思うぞ。」
紗夜「うん、買わないと思う。綾斗だってプロテイン使ってない。」
綾斗「まぁ特に使おうとは思ってなかったからね。」
ボロクソ言われてんな……プロテインをそんな批評するなよ。いや、俺も飲んだことねぇから分からないんだけどよ。
シルヴィア「それよりも八幡くん、お腹空いてない?もうお昼も過ぎてるし、何か食べない?」
八幡「……そういや水着を買った時間は11時くらいだったからな。なんかあっという間に感じるな。じゃあそろそろ昼にするか。此処にある奴でいいか?」
シルヴィア「私は良いよ。」
オーフェリア「………私も構わないわ。」
八幡「ちなみにメニューは?俺が買ってくる。」
シルヴィア「じゃあ無難に焼きそばかなぁ。」
オーフェリア「………私はこういうのよく分からないから、八幡と同じのでいいわ。」
うし、じゃあ買ってくるか。
ーーー海の家的なお店の前ーーー
八幡「……そういや飲み物聞いてなかったな……適当に買えばいいか。」
「あのぉ〜ちょっといいですか?」
八幡「ん?何です?」
そこには3人組の女子がいた。しかも校章の方を見ると、以外にもガラードワースの生徒だった。
「界龍第七学院序列2位【夢幻月影】の比企谷八幡さんですよね!?」
八幡「……はい、そうですけど。」
するとキャーキャーと小さく騒いでいた。え、何?俺何かしたか?
「私、去年の《鳳凰星武祭》やライブを見てからずっとファンなんです!握手してもらってもいいですか!?」
八幡「別に構いませんが。」
俺は女子たちの方に手を差し伸べると、またもキャーキャー騒いで俺の手を握った。
「次の星武祭も頑張って下さい!」
「応援してます!」
いや、そこは自分の学園のチーム応援しようぜ。
そして俺は食べ物と適当に飲み物を買ってから、シルヴィたちのいる席まで戻った。
八幡「………なんだこの状況。」
「ちょっとだけだからさ〜、ネ?その八幡くんと綾斗くん?がくるまでで良いからさ〜。」
「そうそう!八幡くんと綾斗くんがくるまでの間だけちょっと遊ぼうぜ!」
「少しだけだからよ、な?」
シルヴィア「お断りします。私は今、八幡くんとオーフェリアさんと一緒に遊んでるんです!」
オーフェリア「………その通りよ。貴方達と遊ぶ気は無いわ。」
クローディア「というわけですので、どうかお引き取りください。」
「おぉ〜キッツイ言葉も良いねぇ〜!」
………こんな奴ら、プールにもいるんだな。夏でもねぇのにナンパかよ。
八幡「待たせたな……ん?なんだそいつら?」
ユリス「あぁ、比企谷。ようやく帰ってきたか。」
八幡「ようやくって……どういう事だ?」
「あっ、君が八幡くん?実はさ〜俺この子たちと遊びたいからさ〜、少しだけ時間くれない?」
気安く肩なんて触りやがって……
八幡「テメェらに貸す女なんて此処にはいねぇよ。今時そんなナンパなんて流行らねぇんだよ。そのトサカ頭から出直してこい。」
「んだとぉ!?」
「テメェ、下手に出てりゃ良い気になりやがって!」
「ぶっ飛ばすぞコラァ!!」
………外の人間か?俺を見ても何ら反応がないっとことは。
八幡「……ならぶっ飛ばしてみろよ。」
「なら遠慮なくやってやるよ!!オラァ!!」
ドッ!
ナンパ1は俺の腹に目掛けてパンチを入れてきた……え?何?この程度?痛くも痒くも無いんだけど?
八幡「………終わりか?」
ナンパ1「なっ!?」
八幡「じゃ、俺も一発。」
ドゴォッ!!!
ナンパ1「グボァッ!!!」
あっ、言っとくけど星辰力は込めてないから。普通のパンチを腹に目掛けてやっただけだから。
「えぇ!?」
「マ、マジかよ!?」
八幡「お前ら六花外の人間だろ?これに懲りたらナンパとかやめろよな。それともう1つ、冒頭の十二人の顔と名前くらいは把握しとけ。」
「「………え?」」
そして残っている2人は端末を取り出して各学園の冒頭の十二人を調べていた。
「「ッ!!!!?」」
「む、むむむむ【夢幻月影】!!!?」
「界龍第七学院序列2位で去年の星武祭の優勝者!!?」
「「す、すんませんでした〜!!!」」
なんとも綺麗な土下座だ……俺はこんなことしたくねぇけど。
八幡「もういい、どっか行け。」
「「は、はいぃぃぃ!!」」
いやいや、殴られた奴の運び方よ……もうちっと気遣えよ。この床で引きずるのは痛すぎるだろ。
シルヴィア「ありがとう八幡くん、助かったよ。」
オーフェリア「………ちょうど困っていたのよ、しつこかったから。」
八幡「だろうな。ていうか天霧何処だよ?」
クローディア「比企谷さんと同じです。お昼を買ってきてもらってます。」
八幡「あー……納得したわ。けど、女を残しておくべきではないだろう。ナンパは確実だろうに。」
いや、俺も俺なんだけどさ。
その後は皆で昼飯を食べた後、刀藤の泳ぎの練習や25mを競争(刀藤は審判)、最後にゆっくりジャグジーの風呂に入ってからプールを後にした。