学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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お酒と痕の意味

 

 

八幡side

 

 

あぁ〜美味かったぁ〜。2人の作ったシチューもグラタンもマジで美味かった。欲を言うなら、この1週間は2人の手作り料理が食べてぇな。勿論俺も作るぞ?1人だけサボりみたいになるのは嫌だからな。

 

 

にしても………

 

 

シルヴィア「むふぅ〜………」

 

オーフェリア「………」

 

 

こいつらホントこのソファ気に入ってるよな。2人して寝転びやがって。確かに食べた後は眠くなるけどよ……いや、この2人の場合は違うか。

 

 

八幡「………お前らホント好きだよな。1日中いても問題ないんじゃねぇの?」

 

シルヴィア「何言ってるのさ!?いくらソファが気に入ったといっても、八幡君がいなきゃ意味無いよ!!」

 

オーフェリア「………その通りよ。これでもし頭を撫でてくれたら、この上なく幸せな時間を過ごす事が出来るのよ。だから、頭を撫でてくれないかしら?」

 

 

流れるように誘導しちゃってるよ。

 

 

八幡「悪いがそれは断る。寝ちまったら起こすのがめんどい。にしても、部屋がこんなに広いと使い勝手が分からなくなるな。俺たち未成年だから酒飲まないしな。」

 

シルヴィア「夜に楽しめそうな事が出来ないからね。興味はあるけど、法則を破ってまで飲もうとは思わないよね。」

 

オーフェリア「………私は一度だけあるわ。」

 

シルヴィア「え?お酒飲んだの?」

 

オーフェリア「………」(コクッ)

 

 

意外だな……あんまりそういうのを嗜むようには見えないんだがな……

 

 

オーフェリア「………ジュースと間違えてアルコールを飲んでしまった時があったの。何故あの場所にアルコールがあったのかしら?」

 

 

………どうやら予想外という結果で飲んでしまったらしいな。

 

 

シルヴィア「それで、どうだった?」

 

オーフェリア「………私は平気だったわ。グラス1杯くらいなら大丈夫みたいね。その時は高等部の1年だったかしら?」

 

八幡「2年くらい前に飲んだってことか?なら俺が六花に来る前だな。」

 

オーフェリア「………そうね。でも不味くはなかったわ。果実酒だったから飲みやすかったわ。」

 

シルヴィア「へぇ〜。私たちはどうなんだろうね?お酒強いのかな?」

 

八幡「分かる方法としては、アルコールを皮膚に付けて伸ばしたら分かるらしいぞ。変化がなかったら強い、赤くなったら弱い、みたいな感じらしい。」

 

シルヴィア「20歳超えたら飲み比べしてみよっか!もし酔い潰れたら、八幡くん介抱してね?」

 

オーフェリア「………その時は私も付き合うわ。何かと愚痴も言ったりすると思うから。」

 

シルヴィア「あっはは!確かにそれは良いかもね。うん、皆20歳超えたら、お酒デビューしよっか!」

 

八幡「まぁ断る理由もないからな。別にいいぞ。それと介抱はしないからな。」

 

 

ベッドに寝かせるだけで充分だろ。

 

 

八幡「さて、じゃあ俺はシャワー浴びてくるわ。」

 

シルヴィア「え?お風呂にしないの?」

 

八幡「それも考えたんだが、今日は遊び疲れたから手っ取り早く済ませようと思ってな。風呂が良いなら、俺が終わった後にでも沸かしておくが、どうする?」

 

シルヴィア「う〜ん……どうしよっか?」

 

オーフェリア「………私はシャワーでいいわ。八幡の言う通り、少し疲れたから。お風呂で寝てしまったら大変だものね。」

 

シルヴィア「じゃあ私もシャワーにしよっと。八幡くん、気にせず入って来ていいよ。」

 

八幡「了解。んじゃ、先に頂くわ。」

 

 

ーーーバスルームーーー

 

 

八幡「昨日も入ったが、ホント風呂のサイズがデカい。しかもシャワーは別だからな。なんていうか、よく分からん。」

 

 

けど、結構いい感じではあるな。悪くない。

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

くぅ……まさかシャワーを言うとは、八幡くんも中々やるなぁ。あ〜あ、お背中でも流そうと思ってたのになぁ……

 

 

オーフェリア「………今日は諦めるしかなさそうね。」

 

シルヴィア「許可したとはいえ、そんな風に言わないでよ。突入するのが当たり前みたいな言い方になってるよ。」

 

 

そんな風に思ってた私も人のことは言えないんだけどさ。

 

 

オーフェリア「………今日、八幡の身体を見て思ったのだけど、あの背中の模様はなんなの?」

 

シルヴィア「あの模様は雷に打たれた痕だよ。1年半前の界龍の序列戦、オーフェリアさんは見た?八幡くんと【覇軍星君】の戦いなんだけど。」

 

オーフェリア「………見てないわ。そのデータはあるのかしら?」

 

シルヴィア「見る?私持ってるから。」

 

オーフェリア「………えぇ。」

 

 

データを開いてオーフェリアさんと一緒に当時の序列戦を観戦した。オーフェリアさんの顔はいつもより真剣な表情をしていた。

 

そして、八幡くんが勝利して映像が終了した。

 

 

オーフェリア「………八幡のアレはこの戦いから得たものだったのね。不思議ね、全く痛々しいとは思えないわ。寧ろ触れていたいと思える。」

 

シルヴィア「分かるよ。この痕ってさ、八幡くんの強さを表しているような感じがするんだ。知ってる?八幡くんってね、まだ1度も倒れたことがないんだよ?言葉通りの意味でね?」

 

シルヴィア「この雷を受けた時も八幡くんは立ってたの。今シーズンの《鳳凰星武祭》でも八幡くんは倒れてなかったでしょ?」

 

オーフェリア「………そういえば倒れてなかったわね。」

 

シルヴィア「だから八幡くんってさ、どんなに強い相手でも体を倒してはいけないって思ってるんじゃないかな〜って思うんだ。相手に失礼だからって理由で。どう思う?」

 

オーフェリア「………八幡なら考えてそうな事ね。彼とは少なくない接点を持ってるから分かるわ。」

 

 

やっぱりそうなんだよね。普通の人が見れば、変な痕とか気持ち悪いとか思うだろうけど、私はそう思ってない。オーフェリアさんも同じで良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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