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『
開始の合図が鳴った刹那、暁彗が消えた。星仙術か身体能力かは分からないが、フィールドから姿が見えなくなった。
ゴオオォォォッ!!
生徒1「うおぁっ!?何だ!?」
生徒2「え!?何この風!?」
突然の突風、観客席の生徒達には何が起きているのか分からない状態だった。そんな中で暁彗が姿を現した。正拳突きの構えで固まっていた。
沈雲「まさか……これ程とは。」
沈華「今までの大師兄がいかに手加減していたか嫌でも分かるわね。」
虎峰「こんなの…八幡が対応出来るわけがありません。僕でも目で追えないのに……」
冬香「それはどうでしょうか?」
セシリー「?どういうこと?冬香さん?」
冬香「フィールドを見れば分かると思いますよ?彼が今どうなっているのか。」
虎峰「そんなの、完膚なく壁に激突したに決まって……!!?」
全生徒「!!?」
フィールドを見ると、八幡が暁彗の拳を受け止めていたのだ。
それも片手で。
セシリー「……嘘、信じられない……」
虎峰「あの大師兄の拳を片手で……」
陽乃「比企谷くんも相当化け物だね。」
八幡「………………」
暁彗「………………」
暁彗「………………小手調べにと思ったが、どうやらその必要はなさそうだ。」
八幡「あの時先輩言ったじゃないですか。俺の実力が知りたいって。だったら、そんな回りくどい事しなくてもいいんじゃないですか?」
暁彗「どうやらそのようだ。ここからは本気でいかせてもらう。卿との戦い、存分に楽しもう。」
八幡「じゃあ、改めて……」
今度は互いの拳と拳がぶつかり合う。しかも互角の力量。
八幡「流石っスね。」
暁彗「………………卿もなかなかやる。だがここからは一切話など無用。」
八幡「拳で語るってことですか?」
暁彗「………………話が早くて助かる。」
そして2人は組手を始める。殴る、蹴る、突く、躱す、受け流す、受け止めるなど様々な型をとっていた。
攻めては防ぐの繰り返し。地上、空中、壁際など足場の悪い場所でも組手を続けていた。
セシリー「あ、あたし、こんな戦い初めて見たよ。比企谷ってこんなに強かったの?信じられない……」
冬香「小苑様とアレマ様に鍛えられていたというのは耳にしていましたが、まさか……あの暁彗と張り合うなんて……」
陽乃「ホント出鱈目もいいとこだよ。ねぇ、虎峰くん。君にはあの組手、出来る自信ある?私はまるでないよ。」
虎峰「正直、僕も付いていける気がまるでしません。目では追えるでしょうが、対応出来ないと思います。」
しかし、どちらもまだ決定打は決められていない。焦りの様子はないが、どちらも攻めきれていない様子だった。
暁彗「……………破ァ!」
八幡「っ!……ムンッ!」
暁彗「……………」
八幡「ハァッ!」
暁彗「
八幡「っ!」
突如、八幡のいた場所から爆発。八幡は自身の星仙術、鏡花水月で回避する。
暁彗「………………私の拳をここまで凌いだのは、師父と師を除いて卿が初めてだ。師の目に狂いはなかったようだ。」
暁彗「………………次は星仙術の勝負といこう。私の術についてこれるか?」
八幡「ついていけなかったら、俺はそこまでの男ですよ。」
そして互いに星辰力を身体に纏わせ、臨戦態勢に入っていった。
星露「おぉ〜!愉快じゃ愉快じゃ!!まさかこれほどの試合が見れるとは!」
アレマ【あたいも驚きだよ。暁彗ったら、前よりも速くなっちゃってるよ。それについていってる八幡ちゃんも凄いけどね。】
小苑「じゃが、まだ続きそうじゃな。今度は術比べでもする気みたいじゃな。」
星露「じゃが、妾には思うところがあるのじゃ。それもかなりのう。」
アレマ【お?星露ちゃんも?実はあたいも何だよねー。】
小苑「予想はついておるが、一応言ってみい。儂が聞いてやる。」
2人「【今すぐ彼ら(彼奴ら)と戦いたい(のじゃ)!】」
小苑「はぁ…お主らは我慢という言葉を知らんのか?その狂いに狂った戦闘狂を少しは治さぬか。」
全く、試合中だというのにこのバカ共は。このチビに至っては先が思いやられる。
まぁよい、それよりも続きじゃ。
あんまいい出来じゃないですよね。
読んでみてそう思います。