学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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匂いと本物

 

 

八幡side

 

 

シルヴィア「日本の料理、美味しかったなぁ〜。特にマグロのお刺身が本当にっ♪あぁ〜また食べたいなぁ〜。」

 

オーフェリア「………まだ鼻がツーンとしてて痛いわ。目にも涙が溜まってるまま………あの緑色の塊、次はタダじゃおかないわ。」(うるうる)

 

八幡「わさびを丸ごと食った奴が何言ってんだよ。まぁ知らなかったから仕方ねぇけどよ。」

 

 

今日の五つ星レストランのメニュー、懐かし日本定食を堪能した。シルヴィアは普段から俺と一緒に食べてるし、日本料理も勉強しているから大丈夫だっだが、オーフェリアは、わさびの事を知らなかったせいもあってか、丸ごと食って(と言ってもパチンコ玉くらいな)酷い目に遭っている。

 

 

八幡「部屋に戻ったら茶でも淹れてやるから、それまでの辛抱だ。」

 

オーフェリア「………あの緑の塊を入れたりしないわよね?」(うるうる)

 

八幡「そんな事しねぇよ。俺は悪戯はしない方だ。偶にはするが、弱ってる奴に追い打ちをかける程愚かじゃねぇよ。」

 

シルヴィア「大丈夫だよオーフェリアさん。八幡くんが悪戯するって言っても凄く優しい悪戯だから。それに、悪戯じゃなくてイタズラみたいな可愛い感じだから。」

 

オーフェリア「………例えば?」(うるうる)

 

シルヴィア「例えば……私の体験談から言うと、ケーキを食べさせてくれると思ったら、私の鼻にチョンッてつけたりとかだね。その後はちゃんと食べさせてくれたから、オーフェリアさんが想像しているような事は絶対にしないよ。」

 

八幡「さすがシルヴィア様、俺の事を大変よく分かっていらっしゃる。」

 

シルヴィア「彼女ですから!」(エッヘン!)

 

 

成る程そう来ましたか、まぁ確かにその通りだな。俺の事を一番よく知っているのはシルヴィだからな。次に陽乃さんだな。俺の昔を知ってる人だからな。そして次に界龍の奴らとオーフェリアってところだな。

 

 

シルヴィア「さっ、着いたよオーフェリアさん!今鍵開けるから、少し待っててね!それからソファにダイブだよ!」

 

オーフェリア「………分かったわ。」(うるうる)

 

 

分かっちゃうのかよ……オメェ今どんな状態だよ?わさびにやられて涙溜まってる上に鼻もツーンとしてるんじゃなかったのかよ。

 

 

シルヴィア「開いた開いた〜♪」

 

オーフェリア「………少し休みたいわ。」(うるうる)

 

 

わさび食ったの最後だからな………まだ涙が引かないんだろう。

 

 

八幡「じゃあお茶淹れてくるから待ってろよ。シルヴィもいるか?」

 

シルヴィア「ううん、私は大丈夫〜!」

 

 

さて、普通に水でもいいが、最近淹れてなかったからな。ちょうどいいからって理由だが淹れるか。

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

あぁ〜極楽だなぁ〜至福だなぁ〜。これに八幡くんがいれば最高なんだけど、寝転がってくれないからな〜。膝枕でも良いんだけど、ちょっとタイミングが合わないんだよねー。

 

 

オーフェリア「………」

 

 

………オーフェリアさんは何に蹲ってるんだろう?でもなんか見たことあるような………

 

 

シルヴィア「オーフェリアさん、その青い布みたいなのは何?」

 

オーフェリア「………八幡の上に着ていた服。」

 

 

なっ!!!?

 

何だってー!!?

 

 

シルヴィア「い、いつからそれを!?」

 

オーフェリア「………八幡がこれを脱いでキッチンに行く時に。」

 

 

ーーー回想ーーー

 

 

八幡『じゃあお茶淹れてくるから待ってろよ。シルヴィもいるか?』(バサッ)

 

オーフェリア『………っ!』

 

シルヴィア『ううん、私は大丈夫〜!』

 

 

この時、シルヴィアは八幡の方を見ておらず、うつ伏せで喋っていた。

 

 

オーフェリア『………』(ウワギトル ソシテウズクマル)

 

シルヴィア『オーフェリアさん、その青い布みたいなのは何?』

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

シルヴィア「ま、まさか……私がソファを堪能している隙に、もっと上ランクの方法で堪能していたなんて………」

 

オーフェリア「………これはまさに至高だわ。」

 

 

でも何でだろう。心なしか涙がなくなっているような………気のせいかな?

 

 

オーフェリア「………良かったら一緒にどう?」

 

シルヴィア「え?良いの!?」

 

オーフェリア「………私は構わないわ。」

 

シルヴィア「……じ、じゃあ遠慮なく。」

 

 

私はオーフェリアさんの所まで近寄り、ソファを体育座りをしてから、八幡くんの上着を半分くらい貰ってから顔に当てた。

 

 

シルヴィア「んんんぅ〜〜……♪」

 

オーフェリア「………♪〜」

 

 

これ、麻薬だよ。すっごく良い匂いがする……

 

 

シルヴィア「……ふぅ。オーフェリアさん、これ凄いね。離れられないよ。」

 

オーフェリア「………同じ感想よ。この匂い、八幡の匂いがするから逆に離れたくないわ。」

 

 

ーーー3分後ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………何やってんのお前ら?」

 

2人「っ!!?」

 

 

し、しまった!!時と我を忘れて八幡くんの服を堪能し過ぎた!!

 

 

八幡「で?何やってんだ?嘘偽りなく答えなさい。」

 

オーフェリア「………八幡の上着の匂いを堪能していたわ。とてもいい匂いで離れたくない程に。」

 

シルヴィア「………以下同文です。」

 

八幡「よろしい。んじゃ、そんなお前らに1つ聞く。俺はあんまりこういうことを聞くタイプじゃないが、俺じゃなくて上着でいいのか?お前らの目の前には本物がいるぞ。」

 

 

っ!!!

 

 

ビュンッ!!!ダキッ!!

 

 

八幡「………いや、何もそこまで本気にしなくてもいいだろうに。」

 

シルヴィア「だって本物には勝てないよ。八幡くんの上着の匂いは嗅げても、本物の方が匂いの他にも色々感じるから。」

 

オーフェリア「………シルヴィアと同じ意見になってしまうけど言うわ。上着の匂いも大事だけれど、本物の八幡には敵わないわ。だって匂いだけじゃなく、温もり、優しさ、包容力、他にも色々あるけれど、八幡からはそれが全て伝わってくるわ。」

 

 

八幡「……ったく、折角お茶淹れてきたのに、涙も消えてんじゃねぇか。まぁオーフェリア用にだけどよ。」

 

 

私たちはそのままソファに座ってのんびりする事にした。もしかしたら、こうやってのんびりする事が、1番の至高かもしれないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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