八幡side
……昨日の風呂場では、あまりにも目のやり場に困る場面が多かったが、2人の素直な気持ちを聞けて良かった。俺は本当に幸せものだと感じた。頼んでもいないのに俺のことを信じてくれている2人には頭が上がらないと思った。
俺自身、2人には大したことはしていないと思っていたが、2人にとっては大き過ぎる事を無意識にしていたんだと思う。
もし俺があの時、シルヴィをナンパから助けていなかったら?
もし俺があの時、オーフェリアに話しかけていなかったら?
そう思うと、こんな風にはなってないんだよな。シルヴィと交際する事も、こうしてオーフェリアと一緒にいる事もないんだよな。
まぁ2人との出会いの事はさておいて、問題は今である。現在朝の6時。旅行4日目の朝である。昨日もいつも通りベッドに入って眠りについたのだが、朝になると当たり前かのように俺の腕には2人の美女がいる。しかも綺麗に俺の腕に自身の腕を絡めて女性特有の柔らかい胸に大事そうに挟めている。
八幡「………慣れたっちゃあ慣れたが、起きる時は少しな……自重してもらいたいが、眠ってる相手に何を言っても聞こえないからな。」
……仕方ない、起きるまで待ちますか。朝食は9時半までだからまだ余裕はある。起きなかったら流石に揺すって起こすけど。
ーーー30分後ーーー
八幡「………この天井見るのも飽きていたな。ていうか旅行に来てから毎日この時間は天井見てるんだけどよ。」
流石に6時は早すぎたか。《早起きは三文の徳》っていうが、6時半は流石にお年寄りくらいしか起きてない時間帯か……
シルヴィは6時とかでも起きれるんだが、昨日は界龍で体術の鍛錬をしていたからな、起きれないのは予想していたから問題ない。
オーフェリアも以下同文だ。
ーーー更に30分ーーー
シルヴィア「じゃあお顔洗ってくるね〜。」
八幡「おう、行ってこい。」
7時直前にシルヴィが起きて、顔を洗いに向かわせたところだ。1度起きたが、『後5分。』って言うから、揺すって起こした。まぁシルヴィも冗談だったみたいだったから、それ以上の事はしなかった。
オーフェリアはまだ夢の中だ。俺の左腕を離さず抱き締めたまま眠っている。昨日寝たのが9時だと考えると、今で10時間寝てるって事になるな。この子、また記録更新しちゃったよ。
オーフェリア「………八幡。」
八幡「ん?起きたか?」
オーフェリア「………お味噌汁の………おかわりを……お願いするわ……」
どんな夢見てんだよ。しかも飯食ってんのかよ。
ーーー20分後ーーー
………そろそろ起こしてやらねぇとな。朝飯が8時からで9時半までだからな。早めに起こしてやらねぇと。え、何でかって?そりゃ女は準備とか色々あるだろ?その為だよ。
八幡「おーいオーフェリア〜そろそろ起きろ〜。朝飯なくなるぞ〜。」
オーフェリア「………八幡が……朝ご飯。」
八幡「俺は朝飯じゃねぇ。そしたらオメェゾンビになっちまうぞ。ほれ、起きろ。飯食えなくなるぞ。お腹ヘリンスキーの状態でレヴォルフに行くことになるぞー。」
オーフェリア「………八幡が作る朝ご飯。」
あ………俺が作る朝ご飯が良かったのね?俺が朝ご飯じゃなくて、俺が
八幡「俺は朝飯作らねぇよ。それよりも起きろ。でないとおいてくぞ?」
オーフェリア「………○¥♪%°€:$☆」
ごめんなさい。ちゃんとした言葉でお願いします。てないと俺聞き取れません。
しかし起きねぇな………こうなったら……
八幡「なぁオーフェリア、萎れた薔薇ってどうすれば治るんだ?」
オーフェリア「………それは何処?私に見せてちょうだい。」
八幡「起きたか?」
オーフェリア「………八幡、そんな事よりも萎れた薔薇は何処かしら?」
八幡「それは嘘。いつまでも起きねぇから花の話題を出したってだけだ。薔薇は萎れてねぇし此処にもねぇよ。」
オーフェリア「………ヒドイわ八幡。私の眠りを妨げるなんて。」
八幡「じゃあ寝かしといた方が良かったか?それだとオーフェリアの朝飯が抜きになっちまうが?」
オーフェリア「………起こしてくれてありがとう八幡。今日も良い日になりそうね。」
………まぁいいか。
八幡「取り敢えずお前も顔洗って支度してこい。俺は着替えてから顔洗うから。」
オーフェリア「………分かったわ。」
さってと、今日も張り切っていきますか。
今回はこのシーンから持ってきました!!!
もしこんなやり方だったら?番外編2
『保健室で』
八幡「ん?シルヴィ?」
シルヴィア「八幡くん?」
八幡「どうしたんだ、こんな所で?」
シルヴィア「保健委員の手伝いをさせられちゃってね。あっ!八幡くん、怪我してる!」
八幡「あー……まぁな。」
シルヴィア「グラウンドにも手当できる場所あったのにどうして行かなかったの?」
八幡「ゴールした時には誰もいなくてな、だから此処に来たってわけだ。」
シルヴィア「そっか……その人たちは職務放棄だね。じゃあ八幡くんそこに座って。手当てするから。」
八幡「あぁ、悪いな。」
シルヴィア「保健係(仮)ですから!」
シルヴィア「ちょっと沁みるけど、ゴメンね。」
八幡「あぁ、大丈夫だ。」
シルヴィア「でもどうして転んじゃったの?」
八幡「足がもつれた。それだけだ。」
シルヴィア「ぷっ!変なのっ!」
八幡「笑うなよ。」
シルヴィア「ゴメンゴメン。そういえば虎峰くんと走ってたみたいだけど、なんか言ってた?」
八幡「あぁ言ってた言ってた。お前の事ばかり聞いてきやがる。しかも転んだ後も俺と一緒に走りやがるしで参ったわ。」
シルヴィア「虎峰くんも相変わらずだね………っと、出来た……あっ///」
八幡「あっ///」
手当が終わってシルヴィアは八幡の方に向こうとすると、顔が正面にあったためそのまま見つめ合っていた。
八幡「///」
シルヴィア「///」
お互い、徐々に顔を近づけて目を細めていく。そして最後には2人の唇が重なった。数秒してようやく離れた。
八幡「………ムードぶち壊しになるが、怪我の手当てありがとな。」
シルヴィア「う、ううん。これくらいなんてことないよ。」
八幡「………後、シルヴィはどうするんだ?進路。」
シルヴィア「………八幡くんは?」
八幡「俺は文系だな。」
シルヴィア「じゃあ私も文系♪八幡くんと一緒にいたいもん♪」
はい、ここまでです!皆さんなら分かりますよね!そうです!アレの僕なりにアレンジを加えたものです!