学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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寝落ちした後に寝るって中々難しいですよね。もしかして僕だけですかね?




クインヴェール巡り

 

 

シルヴィアside

 

 

でも意外だったなぁ……ペトラさんなら断ると思ってたのに、まさか入れちゃうなんて。それだけ八幡くんの事を認めてるってことなのかな?まぁ私としてはありがたいからいいんだけどね。

 

でも、やっぱり視線は免れないね。オーフェリアさんと、特に八幡くんに対する好奇の目は一向に止まない。クインヴェール自体、訪問する人が少ないって理由もあるけど、やっぱり男子禁制の学園に男の子がいるっていうのがよっぽど気になるみたいだね。

 

 

八幡「中もやっぱ綺麗だな。入るのは2度目だが、自然が豊かだ。界龍にはこんな場所ないからな。」

 

シルヴィア「クインヴェールでは、売り出し中の子や駆け出しの子は皆この学園の何処かにある写真スポットでプロフィールに使う写真を撮ってるんだよ。私もそうしてたしね。」

 

八幡「じゃあシルヴィの場合は自撮りか?ルサールカの面子なら撮り合うこと事ができるが、シルヴィはソロだろ。撮ってもらったとかか?」

 

シルヴィア「ううん、私は自撮り。最初は苦労したなぁ……皆最初は1からスタートだから何も知らない状態からスタートするの。そこからグループやチームを作ったりする子もいれば、1人で活動する子もいるからね〜。私の場合は1人だね。でもその分、やる事も一人でこなさなきゃいけないから、相当な覚悟がいるね。だから1人でやる子は誰よりも強い心と根気が必要なの。」

 

シルヴィア「私の歌い始めはクインヴェールの中でのコンサートだったけど、ヒドかったなぁ。音程もリズムもバラバラ、声だってうまく出せなかったんだから。」

 

八幡「下積み時代があるってのは知ってたが、シルヴィのそういうのはあまり想像出来ないな。」

 

オーフェリア「………そうね、貴女はどちらかというとなんでも出来てしまいそうなイメージが強いわ。」

 

シルヴィア「や、やめてよ2人共、恥ずかしいなぁ///まぁ私も色々やってきたんだ。路上ライブ、握手会、イベント、ゼロ観衆ライブ、もう数え切れないかな。でも、1番私が有名になれたのは、星武祭があったからだと思う。」

 

 

初めての星武祭、《王竜星武祭〉で準優勝した事だね。あれで私の株は一気に上がった。そのおかげでペトラさんからのスカウトが来て、歌だけじゃなく戦闘面でも技術向上に磨きをかけた。そんな日々を送っていたら、いつの間にか世界公演にまで手が届くようになっていて、《世界の歌姫》なんて呼ばれるようになっていた。

 

 

八幡「……成る程な。そんなアイドル人生だったのか。だが、ゼロ観衆ライブって何だ?」

 

シルヴィア「あぁ、それは何にも予告されていない状態、つまりお客さんは誰もいない状態でライブをするっていう事。」

 

オーフェリア「………想像以上に辛い事をしてきたのね。」

 

シルヴィア「だから今の私がいるんだけどね。ほら、私の昔話はいいから、クインヴェールを色々回ろう♪」

 

 

ーーークインヴェール・校舎内ーーー

 

 

八幡「なぁシルヴィ「だ〜めっ♪」……せめて最後まで言わせてくれよ、頼むから。」

 

シルヴィア「分かってるからね、視線が気になるから離れてくれって言いたいんでしょう?」

 

八幡「あぁ。それはもう片方の奴にも言えるけどな。お陰で女子の目は俺に刺さってるよ。」

 

オーフェリア「………これくらい良いじゃない。減るものではないでしょう?」

 

八幡「俺のメンタルが減っていくんですけどねぇ?ただでさえ注目されてるんだぞ?なのに何でそれ以上に注目されるようなことするんですかね、君たちは?」

 

 

私は八幡くんの彼女だから大丈夫だもんね〜♪

 

 

シルヴィア「もう、そんな事はいいから!ほら行こっ♪」(グイグイ)

 

八幡「分かったから手をはな「うん、ダメ♪」……オーフェリアは?」

 

オーフェリア「………八幡の腕、暖かいわ。」

 

八幡「遠回しにNOって言ってるんだよな?もう分かった、このままでいい。」

 

 

この時、クインヴェールの女子生徒はこう思っていた………

 

 

「「「……意外に苦労しているんだなぁ。」」」

 

 

ーーーコンサート広場ーーー

 

 

シルヴィア「此処はクインヴェールだけしかない設備で、歌を歌いたいときに使う所だよ。此処の面白いところは設定によって評価の基準が変わってくる所なんだよ。」

 

オーフェリア「………どういうこと?」

 

シルヴィア「例えば、観客500人くらいのスタジアムでライブをしたい時はそれを入力してライブをするの。そしてその時に歌った声の音量や響きなんかを評価してくれるの。」

 

八幡「つまりは、観客がいる前提で模擬ライブをして、どれだけ声を出せているかってのを見てくれているってわけか。」

 

シルヴィア「そっ。だから結構色んな子が使ってるんだ。私もライブの前々日くらいにこれを使ってるんだ。八幡くんも使ってみる?」

 

八幡「もしまたライブの依頼があったらな。俺がどのくらい出せているのかも知りたいしな。」

 

シルヴィア「今やってみればいいよ!この前の千葉でやった時の観客人数を入力して歌ってみれば?」

 

 

まぁ、私が久しぶりに八幡くんの歌声を聴きたいって理由もあるんだけどね。

 

 

八幡「そうだなぁ………自分の声の大きさを知るにも良い機会だしな。じゃあ歌ってみるか。シルヴィ、設定のやり方教えてくれ。」

 

シルヴィア「OK〜♪」

 

 

主な設定内容はこちら♪

 

歌名、観客人数、これだけです!たったこれだけで評価してくれるんだから凄いよね!

 

 

八幡「じゃあ《innocence》で9000人だな。」

 

 

八幡くんは入力し終わるとOKボタンを押して、1分間の準備時間に突入した。

 

 

八幡「すぐには歌わせてくれないんだな。」

 

シルヴィア「本物を想定するためにも、歌う前って何かしら言うでしょ?それも含めた練習なんだ。」

 

オーフェリア「………この機械、凄く本格的なのね。本番と同じじゃない。」

 

 

うん、それは私も思うよ。でもでも、久しぶりに八幡くんの歌が聴けるからいいじゃん♪

 

 

ーーークインヴェール・各所ーーー

 

 

「ん?通知?………え!?比企谷さんの声量ライブ!?」

 

「嘘っ!?ライブするの!?さっき見かけたけど、今から声量ライブ!?」

 

「こうしちゃいられないよ!早く会場に行こっ!!」

 

「「うんっ!!」」

 

 

 

「ちょっと大変だよ!!」

 

「はぁ……はぁ……何?今模擬戦中だよ。」

 

「それどころじゃないよ!!今から比企谷様の声量ライブをやるって通知が来たの!!」

 

「えっ!!?比企谷様の!?」

 

「ドアホゥ!!それを最初に言わんかい!!こんなチンケな戦いしている場合じゃないわ!早く会場に行きましょう!!」

 

 

ダダダタダッ!!

 

 

 

クインヴェールの各所で八幡のライブが行われるという通知が届き、会場は一気に生徒で溢れていた。この会場はクインヴェールの生徒全員が入れるくらいには広い。

 

 

八幡「………シルヴィ、聞いてないんだが?」

 

シルヴィア「………ゴメンね。通知設定OFFにするの忘れてた。テヘッ♪」

 

八幡「………まぁいい、これで本格的なライブになったな。」

 

 

八幡くん……なんかやる気になってる。ライブするときの顔になってるよ。

 

 

オーフェリア「………八幡ってライブする時あんな風に笑うの?」

 

シルヴィア「うん。私も1回しか見たことないけどね。でも、なんか惹き寄せられるでしょ?」

 

オーフェリア「………えぇ。さっきの八幡になら攫われても問題ないって感じがしてきたわ。」

 

シルヴィア「それはそれでどうかと思うけど、でも間違いじゃないかもね。私もそう思えてきちゃった。」

 

 

私たち、2人揃って重症かもね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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