学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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口は災いの元

 

 

オーフェリアside

 

 

………八幡のソロライブが終わって学園の案内に戻るのだけど、八幡からの提案で先に昼食を取る事になったわ。校風や廊下を見るだけでも分かるのだけど、女子って感じの学園ね。掲示板にはライブの予告やイベント申し込みの用紙などがたくさん張られているわ。流石はクインヴェールね、アイドルや歌手の育成の方針も順調みたいね。

 

………もし私が2人の前でアイドルになりたいって言ったらどんな反応をするのかしら?2人の事だから呆然と立ち尽くしそうね。でも私にアイドルなんて出来ないわ。無愛想だもの。

 

 

シルヴィア「っと、着いたよ。此処がクインヴェールの食堂だよ。他の学園と違ってクインヴェールは小さいから食堂は1つだけなの。でもメニューの多さは学園1だと自信持って言えるよ。」

 

八幡「そうなのか……試しにメニューを見てみてもいいか?」

 

シルヴィア「うん、いいよ。あっ、今は何が食べたいの?野菜?お肉?魚?パン?定食?」

 

八幡「そ、そんなにあるのか……じゃあ定食で。」

 

シルヴィア「はいこれ、定食用のメニューね!」

 

八幡「メニュー分けられてあるんだな。しかも定食だけでこの厚さかよ。レストランのメニュー表と同じくらいあるだろコレ。」

 

シルヴィア「凄いでしょ〜。オーフェリアさんは?」

 

オーフェリア「………パンにしようかしら。」

 

シルヴィア「パンね〜………はい。」

 

 

………パンだけでもこんなにあるのね。八幡の持っているメニューを見ても思ったのだけど、本当に色々あるのね。確かにメニューの多さは学園1ね。

 

 

八幡「じゃあ俺は《鶏の衣焼き定食》にする。なんか一番美味そうだ。」

 

オーフェリア「………私は《照り焼きパンセット》にするわ。」

 

シルヴィア「分かった。じゃあ注文してくるから、2人はどの席でもいいから待ってていいよ。」

 

 

………シルヴィアはそそくさと券売機の所に行ってしまったわ。それにしても本当に多いわね。

 

 

八幡「俺たちも何処かに座るか。立ちっぱなしじゃあ迷惑になる。適当にその辺でいいだろ。」

 

オーフェリア「………えぇ。」

 

 

………私たちは比較的周りに生徒の数が少ない席を選んだのだけど、学食は此処1つしかないわけだから、自然と集まってくるわね。

 

 

トゥーリア「あぁ〜!!お前はあの時の………誰だっけ?」

 

マフレナ「失礼ですよトゥーリアさん!!比企谷さんですよ!界龍第七学院の序列2位の!」

 

モニカ「あらぁ〜この学園は男は入れないんじゃなかったのかしら?性転換でもしたの?」

 

八幡「んなわけあるか気持ち悪い。」

 

パイヴィ「でもなんでいるの?此処は男子禁制。」

 

ミルシェ「普通に考えるなら、理事長の許可を得たからじゃない?」

 

オーフェリア「………私の事は何も言わないのね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「【孤毒の魔女】!!?」」」」

 

マフレナ「気づくの遅いですよ!」

 

 

………本当に遅いわ。

 

 

トゥーリア「お前も何しにここに来たんだよ!」

 

八幡「俺が説明する。今日来たのは簡単に言うと、学園巡りをしていてな。学園祭では一通り回ったが、じっくり見たわけではないからな。改めて今いる面子の学園だけでも見ておこうって話になっただけだ。」

 

マフレナ「そうだったんですか。じゃあ今日はクインヴェールというわけですね。」

 

八幡「あぁ、初日に界龍、次にレヴォルフ、最後にクインヴェールだ。」

 

モニカ「ハーレム気分を最後に味わいたかったからかしら?」

 

八幡「ンなもん興味ねぇよ……俺は一途なんだよ。記者会見やったんだから分かるだろ。」

 

 

………八幡のおかげで収拾がついたわ。流石八幡ね。

 

 

トゥーリア「……なぁ、さっきじっくり見てなかったから改めて見にきたって言ったよな?」

 

八幡「ん?あぁ、確かに言ったが?」

 

トゥーリア「じゃあもしかして、私たちの寮部屋も入る気か!?」

 

八幡「………はぁ?」

 

トゥーリア「そして終いにはタンスの中を漁って下着を盗むつもりなんだろう!?」

 

八幡「なんだそりゃ?お前頭の中大丈夫?誰が寮部屋を覗くって言ったよ?そんな事してみろ、ただの犯罪者だろ。」

 

トゥーリア「する気なんだろ!?一人一人の下着を盗むつもりなんだろ!?」

 

 

………凄い妄想力だわ。どんな計算をしたらこんな答えに辿り着くのかしら?

 

 

八幡「あのさ……俺は別に此処の女子の下着になんて興味ないし、部屋に入ろうとも思わん。彼女がいるのに何でそっち行こうと思うんだよ。モテない男ならやりそうだがな。」

 

八幡「それよかお前、後ろ後ろ。」

 

トゥーリア「そんな手には騙されねぇよ!!」

 

八幡「……なら別にいいが、後悔しても知らんからな。」

 

トゥーリア「誰かいるって言うの?そんなのルサー………っ!!!??」

 

 

………私も八幡と同じ目線だったからすぐに気付いたのだけど、シルヴィアが戻って来ていたの。誰もが見惚れそうな素敵な笑顔なのだけど、目が笑ってない上に光を帯びていないわ。

 

 

シルヴィア「面白い話をしてるね?八幡くんが女子寮の部屋に入って下着を盗むって?八幡くん、本当にするの?」

 

八幡「なんで俺がそんな得のねぇ事をしなくちゃならねぇんだよ。する訳ねぇだろ、惚れてもいねぇ女の下着になんて興味すら湧かん。」

 

シルヴィア「じゃあわたしの下着は興味ある?」

 

八幡「此処でそんな質問するなよ。一応回答するが、耳を貸してくれ、流石に人前では言えん。」

 

シルヴィア「うん、いいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「お前の下着ではなく、下着姿になら興味はある。まだ見たこと無いからな。」

 

シルヴィア「そ、そっかぁ……うん、分かった/////」

 

 

(((((一体何を言った!!?)))))

 

 

八幡「他言無用で頼む。」

 

シルヴィア「こんな事言えないよ!でも、嬉しいよ。ありがとう八幡くん。」

 

八幡「おう。」

 

 

………八幡、貴方はシルヴィアに何を言ったの?さっきまでの笑ってない笑顔が嘘のように吹き飛んでるわ。代わりにピンク色のオーラが凄く滲み出ているわ。

 

 

シルヴィア「それでさ八幡くん、今からこのおバカな妄想発言をした子にお仕置きをしたいから待っててもらっていいかな?ご飯は食べててもいいから。」

 

トゥーリア「嘘だろ!?シルヴィアごめん、許して!!いや、許して下さい!!お願いします!!」

 

シルヴィア「うん、ヤダ♪10回くらい模擬戦やろっか♪」

 

トゥーリア「た、頼む許してくれ〜!!あっ、比企谷助けてくれ!」

 

八幡「シルヴィ、妄想発言で模擬戦10回はないだろう。」

 

トゥーリア「おぉ……比企谷……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「10回じゃ生温いから、30分耐久コースにしてやれよ。その方が思いっきり模擬戦っぽくなるだろう?」

 

シルヴィア「あぁそうだね!ゴメンねトゥーリア、優しいお仕置きにしちゃって。30分間の模擬戦やろうね♪」

 

トゥーリア「こんの鬼夫婦〜!!!」

 

2人「褒め言葉だね(だな)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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