学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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ファンの大切さ

 

 

八幡side

 

 

ふぅ〜食った〜。クインヴェールは女子校だから比較的量が少なかったから、もう一品頼んじまった。少しキツかったが、食べれなくもなかった。にしても戻ってきた時のシルヴィのスッキリした顔と、トゥーリアの死んだ顔はマジで傑作だったな。しかもトゥーリアの奴、戻ってきた瞬間俺に謝ってきたしな。いや、俺は別に気にしてないからいいんだが、シルヴィ、お前一体何を言ったんだ?

 

その後はルサールカの面子と一緒に昼を過ごし、雑談を交わしながら飯を食べた。見てれば分かると思うのだが、昼食時の雑談を過ごしている時も、まともなのはマフレナだけだった。ルサールカの清涼剤だよな。

 

そして昼食を食べ終えた俺たちは、ルサールカと別れて学園の案内をすることになったのだが、シルヴィが自分の部屋を案内すると言い出した。なぜかは分からないが、シルヴィがそうしたいのなら俺は別に構わない。断る理由もないからな。

 

 

シルヴィア「ここの最上階が私の借りてる寮なんだけど、返上しようと思ってるんだよね。家をもらってからはあんまりここには帰ってきてないしね。」

 

八幡「それをいうなら俺も似たような感じだぞ?シルヴィの家に帰るようになってからは、週に1〜2回寮にいるかどうかになったからな。」

 

シルヴィア「八幡くんも?私もそれくらいなの。後はなんだろう?ライブがある時は八幡くんと一緒に過ごしてるし、というよりいつも一緒だよね?」

 

八幡「今の週に1〜2回しか寮に帰ってないって聞く限りはな。」

 

オーフェリア「………でも、だからと言って手放す必要もないと思うわ。週に1〜2回しか使ってないと言っても、使っているのは事実だもの。なら最大限それを有効活用するべきだわ。」

 

 

……まぁ俺としては別に構わないけどな。そうなったら毎日シルヴィの家に帰ればいい話だ。どっちみちスペアキーは貰ってるしな。実際にシルヴィが欧州ツアーに行ってた時は俺が掃除とかしてたしな。

 

 

ーーークインヴェール寮・最上階ーーー

 

 

シルヴィア「着いたよ。じゃあ今開けるからね。」

 

 

シルヴィが施錠を解除すると、アンロックの音がした。扉を開くと、近代的な部屋になっていた。思えば、女子の部屋に入ったのは初めてだな。ウルサイス姉妹の所はリビングだけだったからな。

 

歌手だけあってヘッドホンや何も書かれてない楽譜、歌や音楽に関する本や文献、モニター付近にはCDが並んでいる。窓付近にあるのは自身のグッズだと思われる物になんかの箱、ファンレターとかか?

 

 

オーフェリア「………とても良い部屋ね。あなたの真面目な性格が出ている気がするわ。」

 

シルヴィア「そ、そうかな?」

 

八幡「あぁ、片付いてるし、物をきっちりと分けてある。その方が後で探さなくて済むからな。バラバラにしておくと面倒だからな。」

 

 

俺も物はあった場所とか、指定した場所に置いておく主義だ。皆だってそうだろ?本をテーブルの上に置くより、本棚にしまった方が見栄え良いだろ?え?当たり前過ぎる?まぁ当たり前のことだからな。

 

 

オーフェリア「………シルヴィア、このお手紙は何かしら?何だか大事そうに飾られてあるのだけど。」

 

シルヴィア「あぁそれ?それは私のファン1号からのファンレターなんだ。嬉しかったなぁ、あの時は『やっとファンが出来たー!』なんて言って大はしゃぎしちゃって怒られちゃったっけなぁ。でも、それくらい嬉しかったのは今でも覚えてる。」

 

八幡「自分の事をちゃんと見てくれている人が居るだけでも、意識の持ちようは違ってくるからな。俺もなんとなくは分かる気がする。」

 

オーフェリア「………私にはファンが居ないから分からないわね。」

 

八幡「居ないのか?手紙をもらったりしたこととかは?」

 

オーフェリア「………あるにはあるのだけど、果たし状だったり訳の分からない変態からの手紙ばかりだったわ。」

 

2人「変態?」

 

オーフェリア「………えぇ、『貴女の毒で私にいたみを!!』とか『貴女の毒で僕の身体を蹂躙してぇ〜!!』……みたいな変態からの手紙が偶に来るわ。」

 

シルヴィア「………行ってないよね?」

 

オーフェリア「………行くわけないわ。大体何故私がそんなことをしなくてはならないの、とまで思ったわ。当時の私は興味も持たなかったわ。読んですぐ捨てたもの。」

 

 

うん、それが正解だ。間違ってないよオーフェリア。間違いなくそれが一番相手にダメージ与えてるから!

 

 

シルヴィア「八幡くんは?ファンレターとかくるじゃないの?」

 

八幡「いや、俺には来てないな。挑戦状とかは来るけど。」

 

シルヴィア「………予想出来るから言わなくていいからね?」

 

 

まぁだろうな。その挑戦状、殆どがシルヴィアファンの連中だし。でもそいつら、無視したら無視したでうるさいんだよな。『夢幻が逃げた!』とか『口だけの男!』とかってネットで書き込んでるから面倒なんだよ。俺の立場考えてもの言って欲しいわ。一々相手してらんねぇんだよ。人の気持ちを考えないって恐ろしいねぇ。まるでアホヶ浜みたいだ。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん、そのネットに書き込んでる人って誰?今すぐ教えて。」

 

オーフェリア「………私にも教えてちょうだい八幡。今すぐ毒漬けにしてくるわ。」

 

八幡「え?俺声に出てたか?」

 

2人「心の声で分かった。」

 

 

マジか……ついに心まで読めるようになったの?シルヴィは分かるが、オーフェリアもか。

 

 

八幡「いや、それなんだがな。次の日になったらそれが消えてるんだよ。多分だけど、《鳳凰星武祭》とライフで出来た俺のファンの人たちがやったことだと思うんだけどな。」

 

シルヴィア「そっかぁ……流石は世界中にファンを抱えている人は違うね♪」

 

八幡「それ皮肉か?オメェの方がファン多いだろうがよ。」(ワシャワシャ)

 

シルヴィア「キャー!」(≧∀≦)

 

 

こいつホントこれするとこの反応だよな。

 

 

オーフェリア「………ちゃんと応援してくれているファンは2人の事を助けてくれているのね。何だか羨ましいわ。」

 

シルヴィア「ならオーフェリアさんもアイドルやってみる?私がプロデュースしてあげるよー?」

 

オーフェリア「………私には向かない職種だから遠慮しておくわ。自分の認めた人以外に素顔を晒すのは嫌だもの。」

 

シルヴィア「あぁ〜オーフェリアさんはそういう系かぁ。確かにアイドルには向かないタイプだね。じゃあ八幡くんのプロデュースを担当してみる?」

 

オーフェリア「詳しく聞かせてちょうだい。」

 

八幡「おい、即答で返事するのやめろ。お前はノウハウもねぇだろうが。」

 

オーフェリア「………大丈夫よ、熱意と努力とやる気と根性があれば何とかなるわ。」

 

八幡「……お前が言うと全然説得力ないぞ?」

 

シルヴィア「あはは……」

 

 

オーフェリアさんって結構天然っぽいのかな?それとも狙ってやってる?

 

 

性格的には天然っぽいけど、八幡くんだと反応が違うから狙ってるのかな?うーん……まだよくわからないなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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