学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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突然の依頼

 

 

オーフェリアside

 

 

………クインヴェールの案内もする所はほとんどなくなったところで、学園を後にした私たちはエルナトの帰路についていた。でも、ただの帰っているだけではない。帰りは空を飛びながら帰路についているの。八幡の能力で生み出された大きな梟の背中に乗って六花の風景を楽しんでいる。

 

………今時期まだ日が出ている時間が短いから後もう少しで日没って所よ。だから六花の街には街灯が所々に灯っているわ。空からの景色なんて今まで体験したことが無かったわ……とても綺麗。

 

 

八幡「これが夜だったら最高の景色だろうな。何せ摩天楼よりも上で眺めてるんだからな。飯とかを用意できないのが残念だが。」

 

シルヴィア「充分だよ。でもそうだね、夜になったらもっと綺麗なんだろうね。」

 

オーフェリア「………そうね。」

 

 

………もう少し眺めていたいわ。夕陽に染まる街が幻想的に見えるわ。出来れば日没までこのまま見ていたいわね。

 

 

八幡「……ふっ、どうする?もう少し見てくか?六花を一周でもしてみるか?」

 

シルヴィア「あっ、良いね!なんか楽しそう♪オーフェリアさんはどう?」

 

オーフェリア「………えぇ、私も賛成よ。」

 

八幡「うし、じゃあ六花を一周したらエルナトに戻るか。」

 

2人「うん(………えぇ)。」

 

 

………八幡、もしかして私の心でも読んだのかしら?

 

 

………その後、梟はゆっくりと六花を回りながら飛んでいたわ。夕陽が直射して眩しい時もあったけれど、すごく綺麗だったわ。

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

シルヴィア「それでさ、八幡くん?」

 

八幡「ん?どした?」

 

オーフェリア「………これは普通の疑問なのだけど、聞かなくても分かるわよね?」

 

八幡「ん〜なんとなくは分かるが、取り敢えず口にして言ってみてくれ。」

 

シルヴィア「そう?じゃあオーフェリアさん、言ってあげて!!」

 

オーフェリア「………分かったわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故エルナトの屋上?で降りたの?普通なら入口付近なのに。」

 

 

………そう。八幡は梟を陸に誘導せず、エルナトの屋上みたいな所に止めた。

 

 

八幡「ん?なんか問題あったか?」

 

シルヴィア「大アリだよ!何でここなのさ!?」

 

八幡「いやぁ〜最後に1番上から下の入り口まで紐なしバンジージャンプはどうかな〜って思っただけだ。」

 

オーフェリア「………八幡1人でやってちょうだい。私たちは普通に降りるから。」

 

八幡「普通ったってどうやって?」

 

オーフェリア「………星辰力を使って階段を作るのよ。もしくは、所々に足場を作って下に降りて行くか。流石にこの高さから飛び降りて陸上に着いたとしても、絶対に足を痛めるわ。」

 

八幡「なら仕方ないな、俺も普通に降りるか。」

 

 

………そう言うのなら、入口の所に下ろして欲しかったわ。

 

 

オーフェリアsideout

 

八幡side

 

 

受付「おかえりなさいませ。」

 

 

あぁ……これで5日目の外出も終わっちまったな。残すは明日と明後日だけだが、何したもんかねぇ………なんの予定もない。

 

 

???「すみません、比企谷様、リューネハイム様、ランドルーフェン様。私、当ホテルの支配人をやっている者です。少々お時間を取らせて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

シルヴィア「……私は構いませんけど。」

 

オーフェリア「………私も大丈夫よ。」

 

八幡「特に用があるわけじゃ無いので、大丈夫です。」

 

支配人「ありがとうございます。立ち話は何ですので、こちらにお越し下さい。」

 

 

話ってなんだ?サインとかか?

 

 

ーーー会議室ーーー

 

 

支配人「ご足労お掛けしてすみません。」

 

八幡「いえ……それで、お話というのは?」

 

支配人「えぇ。その事なのですが、実は明日の夜に各国の大企業や統合企業財体の幹部が集まるパーティがあるのです。そこで折り入ってお願いがあるのです。もし、明日の夜にご予定がなければ、明日に開催されるパーティに参加して欲しいのです。」

 

シルヴィア「……でも、パーティに参加するだけでしたら、何も断りを入れる必要はないと思うんですけど、何かあるんですか?」

 

支配人「えぇ、問題はそこなのです。実は当ホテルに来る予定だった演奏団が急に来れなくなってしまったのです。我々スタッフも出来る限りで探したのですが、1日で六花へ来れるような団体はおらず、六花にはそのような団体やチーム名は聞いたことがないので、諦めていたんです。」

 

支配人「そこで少し強引ではありますが、私は考えました。演奏ではなく歌にしたらどうだと。この際どう転がっても演奏できるクラブなどは居ないのですから、頼れる人に歌を歌ってもらおうと。調べた所、ちょうど良いタイミングに当ホテルに宿泊している3名のうち2人は世界中に注目される程の実力者。お客様にこのようなお願いをするのは気が引けますが、お願いできないでしょうか?」

 

 

支配人はそう言い終わると、頭を下げて来た。

 

 

八幡「………どうする?俺としては明日の予定が無いから好都合だが………」

 

シルヴィア「うん、良いと思うよ!やろうよ!」

 

オーフェリア「………私はどうしてたらいいかしら?呼ばれているのは貴方たち2人だけだから。」

 

支配人「いえ、とんでもございません!ランドルーフェン様もご一緒に!」

 

オーフェリア「………でも私は2人のように上手に歌えないわ。」

 

シルヴィア「なら私が教えてあげる!オーフェリアさんにピッタリな曲を選んでバシバシ鍛え上げるから!」

 

八幡「いつの間にかオーフェリアも歌う方向に行ってる………」

 

支配人「それで、如何でしょう?お引き受けになってくれますか?」

 

シルヴィア「はい!受けます!」

 

八幡「俺も大丈夫です。」

 

オーフェリア「………私も大丈夫よ。私の歌でよければ。」

 

支配人「っ!!ありがとうございます!では、度々お手数ですがこちらにお越しください。皆様が着ていただく衣装ですが、我々が出来る限りで集めましたので、その中から1着選んで下さい。そこから採寸して丈を合わせますので。」

 

 

とんでもねぇ依頼を受けちまったなぁ。まぁでも、暇だったからちょうど良かったな。じゃあ明日はカラオケか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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