シルヴィアside
パチパチパチパチッ!
シルヴィア「ご静聴ありがとうございました!今私が歌った『君が笑む夕暮れ』は八幡くんと描いてきた過去を歌に込めました。良いことも悪いことも、彼と一緒なら幸せに感じられたことが多々ありました。そんな八幡くんと、この先の未来もこんな風に歩んでいけたら良いと思いながら歌いました。」
「ふむ……流石は世界の歌姫と称されるだけのことはある。彼女の念が伝わって来たよ。」
「○○様もそうお思いで?私も同じ事を考えておりました。今の若者は直情的で良いですなぁ。」
「私たちの時代とは打って変わったものだな。」
シルヴィア「では、私の演奏はこれにて終了です。最後に歌うのは、オーフェリアさんです。じゃあ、お願い〜!」
シルヴィアside
オーフェリアside
八幡「………出番だぞ、行ってこい。」
オーフェリア「………えぇ。」
………八幡のおかげで大分緊張がほぐれたわ。後はあの人たちの前で歌うだけね。変な声にならなければいいのだけど……大丈夫よね。
オーフェリア「………じゃあ、行ってくるわ。」
八幡「おう。」
シルヴィア「じゃあ最後は任せたよ……頑張ってね!リラックスしながら歌うと良いよ!」
オーフェリア「………ありがとう、行ってくるわ。」
ーーーステージーーー
オーフェリア「………皆さん、こんばんは。オーフェリア・ランドルーフェンよ。私は自分が世界中であまり良い印象を持たれていないと思っているわ。星武祭での戦い方、口調、雰囲気、そして何よりも使っている魔法。近寄り難いというよりも、近寄りたくないというイメージが近いと思うわ。でも今日は出来ればそのイメージを抜きにして歌を聴いてほしいわ。」
オーフェリア「………じゃあ歌うわ。あの日から私の夜空は真っ暗なまま。けれど、今の夜空は星の海で沢山。静かな星だけの夜空だとしても、そこには確かな意味がある。
『silent star』。」
イントロが流れたと思ったら、直ぐに歌い出しだった。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………あの頃の夜空は星があったとしても、私にとっては宇宙の果てのように真っ黒な夜空に感じた。何も聞こえない、見えない、嫌な夜だったわ。
光も闇も何も無い。あるのは、自分の好きなものさえも腐らせてしまう最悪の魔法。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………この世界は……本当に残酷だと思ったわ。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………星なんて夢を運んでくれなかった。星座なんて幸せを語ってくれなかった。光なんてなかった。私には微笑んでいなかった。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………貴女は泣いてなかったけど、ずっと私の心配をしてくれていたのは覚えているわ。でも、もう私の心は毒で侵されていたから……
オーフェリア「♪〜♪〜♪〜」
………何も無い夜空、何も感じさせない星座、無慈悲な夜空だと思ったわ。でも、それにすら慣れていた。あの頃から私に自由なんてなかった。彼に買われていたのだから。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………静かではあったけれど、輝いてなんていなかった。ただの……普通の夜空だったわ。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………いつも通り過ごしていた夜、1つの紫色の星が出来たわ。その光はただ光っているだけなのだけど、私にはとても輝いて見えたわ。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………とても淡い放っておいても消えてしまいそうな光なのだけど、放っておけないような気がしたわ。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………いつしか、その星は光よりも眩しく光っていた。それどころか、光すら飲み込むような影のような光だった。私にとってその光は欠かせないものになっていたわ。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………貴方は私に微笑んでくれていたわね。その笑顔が私にとっては苦しかったわ………それも当然よね、それにつられて私も笑っていたのだから。
オーフェリア「♪〜♪〜♪〜」
………毒が出なくなった日、私が解放された日、その時の夜空は良く覚えているわ。今までにないくらいの大量の星の海が浮かんでいたわ。やっと、自分の思うことが出来る……やっと、色々な事が出来る……やっと、貴方といれる時間が増える。
………沢山の星がある中で1番輝いているのが、やっぱり紫色の星だったわ。貴方の星で貴方の色よ、八幡。
………貴方の星だけが、私だけが見える夜空で1番綺麗で1番輝いているわ。
オーフェリア「♪〜♪〜」
………貴方は何だかんだ言って私の事を見てくれる。それがとても嬉しい。だから私も貴方の役に立つ為にも、貴方についていくわ。
オーフェリア「輝くsilent star♪〜」
………貴方の星が1番綺麗で輝いていたわ、八幡。
silent star…『ウマ娘〜プリティダービー』7話の挿入歌です。